2025.04.08
事業の垣根を超え、世界を飛び回る物流を
ONE MORNING「 The Starters 」
火曜日のこの時間は社会に風穴を開けようと取り組む若き起業家をお迎えして
そのアイデアの根っこにあるものや未来へ向けたビジョンを伺います。
今週のゲストは先週に引き続き、株式会社KEYCREW 代表取締役の中村慶彦さんです。
中村慶彦さんは大学を卒業後、大学を卒業後、2010年に三菱商事ロジスティクスに入社。2019年に退社し、KEYCREWを起業されています。
今週は創業されるまでを伺っていきたいと思います。大学では何を勉強されていたんでしょうか?
「法学を勉強していました。しかし法学部を選んだ理由は、単純に"かっこいい"と思ったからです。」
そうなんですね。将来的に起業したいという思いは、在学中からありましたか?
「正直全くなく、むしろ働きたくない!と思っていました。」
そう考えていた中村さん、大学卒業後は物流会社に入社されていますけれども、物流業界はどのようにして決めたのでしょうか?
「将来的にも無くならない産業にしようと思い決めました。当時は日本の産業はどんどん海外移っていくというような時代感で、
"日本に流通しか残らないよ"という風潮もあったので、流通業をやっておけばご飯食べ続けられるかなみたいに考えていました。 」
たしかに日本の物流であれば、海外に移ることなく将来的にも日本国内で行われますね。
入社後、実際に会社ではどういったお仕事をされていましたか?
「物流の倉庫の営業や倉庫内の設営の企画、倉庫の中で働いたこともありますし、あとは関連するITであったり、
物理会社のM&Aなど、本当にいろんなことを経験させていただきました。」
会社には9年ほど在籍した後、どのようなタイミングで起業を志したのですか?
「きっかけはとても受け身なものでした。仲良くしていた業界内の、競合他社の営業マンが一緒に会社やろうぜと。
最初は上手く口を合わせていたのですが、そんな気は当時なくて。そのうちにその人たちが先に会社辞めて起業しちゃいまして、
お前はいつ来るんだというプレッシャーをかけられること1年、ついに折れて起業したという経緯です。」
大学時代は働きたくないマインドだった人が会社に9年勤めて、
そこからついに起業するという、一番働きたくないと真逆のことをしていますね!
物流の課題はどう感じていますか?
「働く前は、倉庫に対してドラえもんのイメージを持ってたんですよね。工場のものがバーッと動いてるみたいな。
でも実際見てみるとかなりマニュアルで、あれ?どうなってるんだこれ?みたいな感覚がありました。
ここってこれからどんどん変わっていけるし、変えないとまずい業界だという思いが、初めて現場を見た時からずっとありましたね。」
面白いさはどのような点ですか?
「最適化をしていくって考え方がパズル的でとても面白くて。
外から見てるとあんまり変わってないように見えるんですけど、物の置き方取り方とかが本当に細かく、
日々最適化されていかないと、時代の流れについていけなくなる現場という点は面白いですね。」
実際に会社をつくって、仕事は順調でしたか?
「最初はやりたい仕事の依頼なんて一切来ないですね。起業するとまず暇です。もう何にもやることがないです。」
そこから仕事を増やす、広げる上で大切にしてきたことは何かありましたか?
「一番自分を救ってくれたなあと思うのは、その前職時代に積み上げた、"信用残高"ですね。
お金の残高と同じように、信用の残高はをちゃんと仕事してると少しずつ積み上がっていくものがあって、
それを切り崩しながら、最初にきっかけを頂くっていうことができ大きかったです。 」
起業された経験から、これから起業したい方に何かアドバイスがあるとしたら、どういった言葉かけますか?
「僕はいつも言うんですけど、絶対にやめとけと言います。起業後は暇ですし、学生時代と違うのはお金が無くなっていくんですよ。
学生時代は家にいてもお金無くなっていかないですけど、お金は無くなっていくし、恐怖心もすごい。 ストレスもすごいので、絶対にやめとけと言います。」
じゃあもし起業前に戻れるとしたら、もう一度起業しますか?
「絶対しないですね。ただ、当時の僕もそうでしたけど、俺だけは絶対成功するんだっていう勘違いだけが前に進ませてくれるので、
起業したいっていう人も、周りの人全員が反対してあげるのが優しさ。それでも勘違いして進んじゃう人が、きっと何かを始める人だと思います。」
どの業界でも人材不足と言われる中、その辺りの苦労はありましたか?
「有り難いことに、創業メンバーが集まって始められたので、そういう意味での孤独感は経験せずに来れたかなと思います。
信用残高に助けられましたね。本当に身を救ってくれるのはお金じゃなくてそこだなと思います。」
最後に、これからの夢は何でしょうか?
「今集まった2000社のお客さんを1万社2万社という形にしていって。
そして本当にいろんな事業者さんの在庫が、自由に、日本国内だけでなく世界を飛び回れるような仕組みづくりをしていきたいです。」
株式会社KEYCREW 代表取締役の中村慶彦さんにお話を伺いました。ありがとうございました。