柔らかな光に包まれる夕暮れから、夜の世界へと表情を変える特別な時間に素敵なお客様をお迎えするこの番組、
今回は、小説家の朝比奈秋さんをお迎えしました。
第171回芥川龍之介賞を受賞した小説家の朝比奈秋さん。
受賞に対する実感がまだ湧いていないそうで、これまでにも数々の受賞歴があるにもかかわらず、今回の受賞に対しても実感が薄いという率直な気持ちをお話しくださいました。
過去には、2021年に「塩の道」で第7回林芙美子文学賞を受賞し、その後も数々の賞を受賞されていますが、最初の受賞を除いては、受賞の喜びがまだ実感として感じられないのだとか。
そんな朝比奈さんは、京都府出身で、医師としてのキャリアを積みながら小説を書き始めたというキャリアの持ち主。
当初はフルタイムで働いていたものの、執筆に時間を取られるようになるうちに、医師としての仕事を減らし、現在は非常勤で月に数回だけ医師として働いています。
そして、職場では、ほとんどの人が小説家としての朝比奈さんを知らないというのも驚きでした。
創作のきっかけとプロセス
小説を書くようになったのは30代中盤という朝比奈さん、それも突如として物語が頭に浮かび始めたそうで、それまで小説を読む習慣もなかったのだとか。一旦書き始めると次々と物語が浮かび、それが結果的に医師としての仕事に影響を及ぼし始めるまでに。診察中でも物語が浮かんでくるようになり、医師の仕事を続けられなくなったそうなんです。
執筆過程では、物語が自然に流れ出し、それを追いかけるようにして書くというスタイルで、自分で予想外の展開に驚かされることもあるのだとか。ご自身も、物語の一番最初の読者という感覚も驚きでした。
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