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キヤノンマーケティングジャパン presents Solution in my life
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Every Monday 8:38 〜8:48
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「ITの浸透により、人々の生活をより良い方向に向かわせる」
そんな概念である“デジタルトランスフォーメーション”と
いう言葉が広がり、
私たちの暮らしは、より豊かに、より便利に、
日々ポジティブに変化しています。
このコーナーでは、暮らし、仕事、社会、私たちの身近な
ところにあるデジタル化の動きを紹介していきます。
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2023 12.18
人工知能を使って会話の音声から認知症を診断するAI医療機器


このコーナーでは「暮らし、仕事、社会」、私達の身近なところにあるデジタル化の動きをご紹介しています。

小子高齢化が進むなか、認知症は、日本の社会大きな課題のひとつになっています。そうしたなか今年9月、厚生労働省はアルツハイマー病の治療薬「レカネマブ」について国内での製造・販売を正式に承認しました。
そういった動きもあってか、認知症の診断や予防技術の市場も活発化しています。なかでも注目されているのが、音声を使って認知症を診断・治療する技術なんです。
そこで今朝は、昭和大学と連携し、音声から認知症の疑いのある人を見つけるAIを開発している株式会社エクサウィザーズのCare&Med Tec 事業部 ライフサイエンス部の高橋真人部長にお話を伺いました。
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まずは、エクサウィザーズで開発されているAI認知症診断の概要についてお聞きしました。

「この医療機器自体、非常にシンプルで、スマホで1分ほど音を録っていただいて、その手元で人工知能が音を判断して、認知症の可能性があるかどうかを判定するというような、そういった医療機器になっております。例えば、「ここ最近で楽しかったこと何ですか?」というのを人が聞いて録音するか、チャットボットが聞いて録音するかどっちでも良いと思っているのですが、それに対して楽しかったことを1分間喋っていただく。
1分以上話したと思ったらストップで、判定するためのボタンを押せば、判定結果が出るみたいな、そんな形のアプリケーションを今イメージして開発しております。
本当に簡単な立て付けになっている医療機器になっておりますので、いろんな機械がいるとか、そういったものも発生しない、特殊なデバイスがいるとか、そういったものも発生しないような医療機器を現在開発を目指して進めております。
今、モデルの方は判定精度が90%を超える精度が出ておりまして、アプリケーションの方も基本の設計の方は終わっていまして、実際スマホに入れて音を録って最終的に調整をするというような、そういうふうな段階に入っております」

では、どうやって認知症を診断するのか、その仕組みについて伺いました。

「人の声には、いくつかの特徴量、いわゆる音声分析の特徴量みたいなのがありまして、その中で一番わかりやすいものでいうと、例えばポーズと言いまして、質問を投げかけた時に、考えるために止まったりとか、会話が途切れ途切れになる方いるじゃないですか、これが認知症の人は多く出ます。
例えば「えー」とか「あー」とか、「昨日楽しかったことどうですか?」って言ったら僕だったらすぐ、1、2秒考えて出るのが、もう10秒くらい考えているとか、そういう特徴があります。もう一つは、健常な人というのはこういうふうに、割とハキハキときちっと喋るのですが、認知症の方というのは、本人は気づいていないのですが、声がフラットになっていまして、あまり覇気がない喋り方になります。それが波形上、認知症の方だと小さくなっていきます。
今のが二つの特徴なのですが、こういうふうな形で、音が出ていないという面積と、それからその抑揚の幅みたいな、こういった特徴量が7つか8つくらい入れていまして、健常な方とそうではない方の、いわゆる声帯とか音声で出る変化を人工知能が捉えて、認知症か認知症ではないかを判定するという、そんなメカニズムになります」

最後に、このアプリのメリットと今後の展開について伺いました。

「医療者サイドからしますと、今先生不足で、実際認知症のリスクがある方というのは、例えば65歳以上の高齢者だけでも2000万人とか3000万人いて、全ての人が心配ですというふうになった時に、医療機関に行ったら確実にパンクしますよね。しかもこれ、精神科の先生しか判定できませんから、今のお医者さんでも足りないのに精神科の先生って1万人しかいないんです。ですので、今の認知症ってそもそもチェックしようと思っても、それを受けるプール自体が日本にはないんです。こういったものがデジタルでできると、疑いのある方だけを先生に紹介すれば良いので、全ての方が仮に気になって、チェックしたいとなってもそれを受けれるようになるので、いわゆる医師不足の問題とか、それからデジタルですので地方医療の問題、いわゆる医療格差の問題、質の高い医療をどの地域の方にでもいつでも受けることができて、そして医療資源も効率的に使うことができるというのが、まずはこの計器の最大のメリットじゃないかというふうに思います。
受ける方からすると、まず一つは嫌な気持ちになりにくい検査だと思います。
ただ普通に会話しますねと認知機能があるか確認したいのでと言って1分間ですので、受ける側からしても、比較的尊厳が守られて、そして身体的にもそれから経済的にもMRI撮るとか血液検査とるに比べても負担が少ないので受ける方にとって心理的にも経済的にも身体的にもダメージというか、それが少ないというのもすごく大きなメリットじゃないかなというふうに思います。
今後の展開としましては、医療機器として先生方が診療するのを助けるような機器を開発していって、認知症の人をできるだけ早く見つけて、それで、良い薬が出てきますので早い段階で見つければ、それを予防するという方向に貢献したいというか認知症の進展を抑えるという方に貢献したいと思っています」
     
高橋さん、貴重なお話、ありがとうございました。 

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