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キヤノンマーケティングジャパン presents Solution in my life
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Every Monday 8:38 〜8:48
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「ITの浸透により、人々の生活をより良い方向に向かわせる」
そんな概念である“デジタルトランスフォーメーション”と
いう言葉が広がり、
私たちの暮らしは、より豊かに、より便利に、
日々ポジティブに変化しています。
このコーナーでは、暮らし、仕事、社会、私たちの身近な
ところにあるデジタル化の動きを紹介していきます。
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2023 05.15
AIを活用した児童相談所業務支援サービス「AiCAN」

このコーナーでは「暮らし、仕事、社会」、私達の身近なところにあるデジタル化の動きをご紹介しています。

去年1年間に全国の警察が虐待の疑いがあるとして児童相談所に通告した児童数は、前の年に比べ、7.1%増えて、11万5762人に。18年連続で過去最多を更新したことが警察庁のまとめでわかっています。

なかなか児童虐待が減らない背景としては人出不足があるようです。児童虐待に関する相談件数が年々増え続けているのに比べ、児童相談所の児童福祉司の数は増えておらず、子供に会う時間を十分に取れないなど、業務の効率化が課題になっています。
そうしたなか、子どもの虐待リスクを見逃さないよう、AIやICTを活用した取り組みが広がりつつあります。

そこで今回は、AIやICTを使い、児童相談所の業務効率を改善しながら、一時保護や指導を巡る判断の質を向上させるサービス「AiCAN」を展開する株式会社AiCANの代表取締役 高岡昂太さんにお話を伺いました。
ちなみに、高岡さんは先日『Forbes JAPAN』が発表した「NEXT100 いま注目すべき、世界を救う希望100人」にも選ばれています。

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まずは、このサービスを立ち上げた背景についてですが、現場では人員不足だけでなく、こんな問題もあるんだそうです。

「高い専門性を持った人材育成という問題です。この問題は児童虐待の対応を現場で調査を進めていく時に、調査自体が非常に難しいということがあります。親御さんが嘘をついていたり、お子さんが0歳、1歳だとまだ幼くて話ができないということもあります。また、学齢期であっても、子供が脅されていて話ができない、SOSを求められないということもあります。こういった難しいケースに対して、現場としては、特にベテランの方や中堅の方が本当に大事なお仕事をなさっていますが、移動や退職などでなかなか定着できないということがあります。
また、若手や新人の方が入られるんですが、熟練不足であったり、どうしても知見が属人的・暗黙知となっていることが多いので、判断の質というところを引き継げないということが課題になっています。
弊社としてはこの課題を解決するために、判断の質の向上という部分と業務の効率化という部分を解決するために、虐待対応の現場ごとに異なる課題解決に伴走させていただくサービスを、この事業として展開したということが理由になります」

AiCANの具体的なサービスの概要について伺いました。

「児童虐待というものは、法律に基づく対応は日本全国で共通ですが、各自治体様の特徴として、どんな方が住んでいるか、どういう事例が多いか、あとは社会資源によって支援が必要な方々がかなり千差万別なところもありますので、そういう地域ごとに異なる特徴に対しても、データを参照いただきながら、また実際に業務自体が効率化されるデジタル技術、ICT技術で効率化されることによって、現場の方々をさらに支援させていただくということを提供しているサービスになります。
2つございまして、1つはICT技術とAI技術が入っているアプリの提供。もう1つがユーザー支援というところで、データに基づく現場の支援を現場の方々に伴走させていただきながら提供させていただいている、これがサービスの根幹の2つになっています」

具体的には、このように運用されているそうです。

「このAiCANのサービスをお使いいただくユーザー様は、児童相談所の職員様や市役所の担当課の職員様、保健制度の保健師様になりますが、この方々が今までは電話やFAXで情報共有をされたり、自分のオフィスに戻らないと記録の閲覧や記入ができなかったということがございますが、弊社のアプリを使いますと、アプリを通じてデータの照会や情報の連携ができますし、訪問先であってもセキュリティを確保した上で記録の閲覧・入力、さらに他機関への連携ができるというサービスになっています。
実際にこのアプリを使っていただいて、業務記録として蓄積いただいたデータを弊社の方で現場の皆様が課題と思っている内容のテーマに合わせて解析させていただいて、一緒にどういう風に業務を変えていったらいいか、より良い効果の高い施策はどういうところをやっていったらいいのか、というところを現場のユーザー支援としてさせていただいて、さらに必要に応じて、専門的な研修なども合わせて提供させていただくという形で、開発から運用、それからデータの利活用とデータを参照した政策の決定まで、専門的な研修というところを一気通貫、ワンストップでさせていただくという使い方になっています」

高岡さんの会社では実証実験も行っていて、実際に今までの既存システムと比べて情報共有の時間が半分以下になったというご意見や、経験が浅い職員様もそういった情報を参照いただきながら業務をすることができたというような声をもらっているそうです。

高岡さん、貴重なお話、ありがとうございました。 

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