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Every Monday 8:38 〜8:48
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このコーナーでは、暮らし、仕事、社会、私たちの身近な
ところにあるデジタル化の動きを紹介していきます。
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2023 03.20
トラック自動運転の後付け装置

このコーナーでは「暮らし、仕事、社会」、私達の身近なところにあるデジタル化の動きをご紹介しています。

来月の改正道路交通法の施行に伴って、自動運転のレベル4が解禁される予定です。自動運転の実用化はドライバー不足の解消や交通事故の削減など期待されていますが、その一方で、トラックの自動運転は、車両の大きさなどの理由から普通車と比べると開発に時間を要しているようです。

そうしたなか今回は、既存のトラックに後付けの制御装置を取り付けることでアクセルやブレーキ、ハンドルなどを操作、自動運転を可能にするシステムについてご紹介しました。

お話を伺ったのは、このシステムの実証実験を共同で行なっている株式会社IHI コーポレートコミュニケーション部 メディア広報・IRグループのオ ミンヘさんとJFEスチール株式会社 東日本製鉄所 工程部生産管理技術室の岡賢さんです。

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まずは、このシステムを開発した株式会社IHIのオさんに、今回の実験の概要について伺いました。

「この自動運転ユニットが何かというと、既存でお客様が使用された大型車両で後付けできるユニットです。このユニットを用いて2月から実証運転を始めているのですが、今、共同開発パートナーであるJFEスチールさんの京浜地区の構内で実施をしています。商材の内容としましては、最大100トンぐらいの搬製品を搬送する牽引型のトレーラーに自動運転ユニットを搭載して一部区間を走行させています。これに並行して工場内の構内の道路の環境整備を合わせて行っています」

さきほどのお話にでていましたが、実験は敷地内のおよそ3キロの搬送ルートの一区間で行われています。システムとしては既存の大型車両にGNSSという、いわゆるGPSと似たセンサーとライダーセンサーという障害物を探知するセンサーをトラックに設置します。
そして、管制室から制御装置に無線通信で指示を出し、走行中はそのセンサーで車両の位置や速度などを把握し、その情報をもとにハンドルやアクセルを物理的、電気的に動かすというシステムになっています。
今は、安全のため、監視の役割として同乗しているそうですが、将来的には無人運転を目指しているそうです。さらに、オさんは今回の実験の経緯、こだわりについて、こんなお話をされていました。

「開発にあたってこだわったポイントとしては、実現に向けての開発スピードです。今現在一般で知られている自動運転というのは、ご存じの通り、各車両メーカーさんが開発を進められているんですけれど、 これが一般道路で自動運転が普及されるためには、より一層の技術進展や法律の整備が必要と考えています。今我々の目の前に直面している人手不足。これを解決するためには、やはり弊社としてはスピード感を出すことが第一だと思いまして、IHIでは、私有地で走行させることを限定することで安全を担保しながら、最小限の技術開発を早期に製品化に結びつけたというところですね」

今回、共同実験を行なっているJFEスチールに限らず、荷物の搬入・搬出や保管、さらに製造する場所はそれぞれ離れていて、広大な敷地内をトラックやトレーラーで貨物をピストン輸送するケースは多いそうです。そのため、同じルートを走行するため自動化のメリットは大きいそうです。さらに、その際にも大型トラックの免許が必要で、これから深刻化するドライバー不足の問題解決にも貢献するということなんです。

自動運転のシステムを実際に導入してみて、現場ではどういった声が上がっているのか、こちらは、JFEスチールの岡さんに伺いました。

「思ったよりは自動運転車に対する抵抗感みたいなものは少ないかなと感じております。今回かなりの大型の車両ということもありまして、自動運転車への反対というか抵抗…例えば怖いとか、危険なものが走っているみたいな意見や感想が若干は出てくるかなというところをちょっと心配していましたが、今のところそういった意見もなく、むしろ興味を持って社内でも自動運転車が走っているね、自動運転車ってどんなもの?というような意見もあって、そういう意味ではちょっとほっとしているというところが感想です。
今後、回数を重ねていって技術的な課題であったり、あるいは自動運転車というものが走るということに対して受け入れてもらえるという、その重要性に関して、いくつかまた課題も出てくるだろうと予想しておりますので、そういったところを洗い出しながら、解決していきたいと考えております」

オさん、岡さん、貴重なお話、ありがとうございました。 

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