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このコーナーでは、暮らし、仕事、社会、私たちの身近な
ところにあるデジタル化の動きを紹介していきます。
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2022 01.10
岐阜市が取り組む自動運転バスの実証実験

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このコーナーでは「暮らし、仕事、社会」、私達の身近なところにあるデジタル化の動きをご紹介しています。

先週もご紹介しましたが、日本の65歳以上の高齢者は3640万人で過去最多を更新していて、総人口に占める割合も29.1%で、世界で最も高くなっています。
今後もさらに進む超高齢化社会では、交通弱者の移動手段確保が大きな課題となっています。
そんななか、高齢化や過疎化が進む地方の市町村などで、住民の新たな「生活の足」として注目と期待を集めているのが、自動運転バスなんです。各地で、自動運転バスの実証実験も始まっています。
そこで今回は、昨年10月、運転席やハンドルがない小型バスタイプの電気自動車で、市中心部の公道を走る実証実験を行った岐阜市の取り組みをご紹介します。

今回お話を伺ったのは、岐阜市役所の都市建設部交通政策課交通施策推進係の岩田大乗さんです。まずは、岐阜県が自動運転の実証実験を行う目的について伺いました。
「岐阜市では人口減少高齢化社会が進むなか、活力と暮らしやすさのある街を目指すことは持続可能で選ばれる街の実現に向けて重要なアプローチでありその取り組みの一つとして持続可能な公共交通ネットワークの構築を図ることが重要であると考えております。
高齢者の運転免許証の返納が今後も増えていくことが予想されるなか、市民の皆様の移動を支える公共交通のニーズはますます高まっています。
こうしたなか、期待されるのが国内外において日進月歩で技術開発が進んでいる自動運転技術であり、公共交通における自動運転技術の導入を目指し実証実験など様々な取り組みを進めているところです。
高齢者の免許返納が増えていくなかで公共交通を維持していく必要があります。
例えば採算が取れない路線とかを廃止にするとかそういうことが進むことによって住民の方の交通手段がなくなるという事象が起きます。そういう自動運転という技術を使うことで路線バスを維持していくということが可能になります」

岩田さんによると、運転手が不要となることでのメリットは他にもあるようです。
「メリットと言うと運転手不足の解消という課題が解消されるというところです。自動運転にはたくさんのメリットがあると言われておりますが、交通事故の90%以上を占める人為的ミス・判断ミスがなくなり交通事故の減少となるということもまわりで言われております。
運転手なしの運転が可能になるのであれば夜間の走行とかそういうものも可能になります。運転手がいなくても深夜に走行ができるとか、そうなると利便性が向上していくのではないかと考えられております」

実は岐阜市は、公共交通機関への自動運転技術の導入を目指し、2019年より3年連続で市民参加型の実証実験を実施しています。
昨年10月は、それまでの実験時よりも運転手が操作する機会を減らすことを目標に掲げ、運転席やハンドル、アクセル、ブレーキペダルのない、座席数が10席の小型バスタイプのフランス製自動運転車両『NAVYA ARMA(ナビヤ アルマ)』を使って実験が行われました。
バスはGPSと事前にコースを走行して取得した3Dマップを頼りに運行します。完全に無人というわけではなくオペレーター(運転手)が1人乗車します。
さらに、車外監視員が車内と社外のカメラの映像を確認しているそうです。最高速度は時速19キロ。障害物はセンサーで検知し、障害物を避ける時などは、オペレーターがコントローラーで操作します。
ルートは市役所を出発し、金華橋通りからJR岐阜駅を経由し、長良橋通りで市役所に戻る1周5キロと、市役所を出発し、若宮通りを経由して市役所に戻る1周2キロの2種類。
所要時間は前者が40分程度、後者が20分程度で、運行時間は午前10時から午後4時30分の間で、1日計6便程度を運行しました。

自動運転バスの実用化はどこまで進んでいるのか伺いました。
「自動運転手なしの自動運転というものがいつ可能になるかということなんですけれど日本の法律で運転手なしの車が走ることはまだ認められておりません。
国の法律の動向に合わせてになるとは思いますが、車両や自動運転技術の開発だけで自動運転が導入できるわけでもありません。市民の皆様はもとより道路管理者、交通事業者など関係者のご理解とご協力も必要となってまいります。今回の実証実験の検証検証結果も踏まえて今後もオール岐阜の力で進めてまいります」

今回の検証内容は、車両が信号機と通信して、信号の状態を自動で判断して走行すること、また車両が横断者を自動で検知して走行すること。
さらに、乗務員が同乗しないバスの運行を想定して、車内の遠隔監視やキャッシュレス決済のための顔認証の実験も行われました。実験結果については、記録データの検証中とのことで、まとまり次第公表されるそうです。実証実験に参加した方々からは、こんな声もあがっているそうです。

「今回の実験では300名を対象とした体験乗車を行いました。そちらに500名ほどの応募があり関心の高さを実感したところであります。体験された方からは思ったより運転がスムーズで快適だった、公共交通で走っていたら毎日でも乗ってみたいなど好評を得ると共に自動運転を一日も早く実現してほしい、岐阜市が自動運転のリーディングシティになってほしいといった今後の今後への期待を込めた意見を頂いております」

交通事故が減るのも魅力的ですが、過疎化、高齢化が進む地方で、自動運転バスが導入されることで、お年寄りが気軽に外出でき、家の中に閉じこもる機会も減り、積極的に社会に参加できる良いきっかけになると思います。とてもよい取り組みだと思いました。

最後に、岐阜市では活力と暮らしやすさの街を目指すために、2月27日までJR岐阜駅周辺を色とりどりの電飾が彩る「駅とまちを光でつなぐ杜のイルミネーション」も開催しています。およそ8万球のイルミネーションでライトアップされていて、岐阜県学校農業クラブ連盟による瓢箪(ひょうたん)イルミネーションや岐阜の伝統工芸品の一つである岐阜和傘を使ったライトアップも期間限定で展示されているそうです。

岩田さん、貴重なお話、ありがとうございました。

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