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このコーナーでは、暮らし、仕事、社会、私たちの身近な
ところにあるデジタル化の動きを紹介していきます。
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2021 08.30
育児の悩みや不安を軽減してくれる「ベビーテック」

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このコーナーでは「暮らし、仕事、社会」、私達の身近なところにあるデジタル化の動きをご紹介しています。
今日は、育児の悩みや不安をAIなどデジタル技術を駆使して軽減してくれる「ベビーテック」についてご紹介しました。

初めての育児に対する不安や出産後の寝不足、さらに核家族化やワンオペなど、育児に関する悩み、たくさんありますよね。
そんな育児の悩みや不安を、AIなどデジタル技術を駆使して軽減してくれる「ベビーテック」が今、注目されています。
初めて、この言葉を耳にされる方もいらっしゃるかもしれませんが、
2021年は一般家庭向けの製品やアプリが充実してきた年ということで、「ベビーテック元年」とも呼ばれているんです。
     
今回は、赤ちゃんの泣き声から感情を分析する機能など数々のベビーテックを開発、
今年開催された世界最大の国際IT見本市「CES」で、「CES 2021 Innovation Awards」を受賞するなど、
ベビーテック分野で大きな注目を集めている株式会社ファーストアセントのCEO、服部伴之(はっとり・ともゆき)さんに、お話を伺いました。

まずは、なぜ今、ベビーテックが注目されているのか?服部さんに伺いました。
「女性の社会進出ですとかそういったこともあると思いますが、個人的に思っているのは、産後うつですとかそういった育児に対するストレス、負荷が結構高いというのがあるかなと思っています。
特にコロナ禍で、そういったことは加速していると思っていて、産後うつ病の比率が増えているっていうような報告もありますし、
コロナで孤立してママ友ができにくくなったり、そういうコミュニケーションが減って孤立、情報不足というところで困られてる方が増えています。
そういった背景があるのかと思っています。また、家族が同居しなくなった点もありますし、お母さん達も働こうっていう機会や意欲が増えているとも思っています。
あとは現代社会は比較的夜型になっていると思っていて、朝早く子供と一緒に起きて、夜も早く寝るっていうふうじゃなくなったことで、
生活サイクルが多様化しているのもあるかなと思っています」

そんななか、服部さんの会社で開発されたのが、赤ちゃんの泣き声から感情を分析するAIということなんですが、どんなシステムかというと、
赤ちゃんの泣き声をアプリやデバイスで5秒間録音をして、その音声を分析することで、お腹がすいた、眠たい、遊んで欲しい、不快、怒っている、この5つの分類の中から、
例えば、「眠たいが80%で、怒っているのが20%です」というような解析ができるシステムなんです。

ちなみに診断の精度をチェックするために、ユーザーには診断からしばらく経過した後に、
「先程の赤ちゃんが泣いていた理由は何だったと思いますか?」と尋ね、フィードバックをお願いしているそうです。
その結果、泣き声診断の精度は8割以上であることが分かっているそうです。

このシステムの効果として、服部さんはこんなお話もされていました。
「実際に赤ちゃんが泣いている時に、お腹がすいたとか眠たいっていうことをパーセンテージで指し示すことで、
次、どういった行動をとったらいいのか、そういう気づきを与えられるので、赤ちゃんが泣いている時に使って頂ければなと思っています。
よくあるシチュエーションとしては、お母さんは徐々になんとなく泣いている時に、こんな理由かなっていうのが想像つくようになるんですが、
お父さんの方がなかなかそういったことがわからないっていうようなことがありまして、旦那さんに使って頂くケースをよく耳にします。
それで、泣き声解析のシステムを使う前と使った後で変わったこととしては、
奥さんが旦那さんに育児を任せた時に、赤ちゃんが泣くとすぐ自分のところに戻ってくるっていうことがあったんですけど、
泣き声解析を使うことで、泣いた理由を見て、旦那さんがこういうことやってあげればいいんだっていうふうに自主的に頑張るようになってくれて、
旦那さんが赤ちゃんの面倒をよく見てくれるようになったっていう報告をよく耳にします。

さらに、「寝かしつけ」の悩みを軽減したいという思いから、服部さんの会社では、
赤ちゃんの睡眠リズム形成をサポートする世界初の睡眠指導ベッドライト「ainenne(あいねんね)」という商品も開発されています。
どんな商品かというと、人間が朝日を浴びることにより体内時計がリセットされることをヒントに開発されたもので、
アラームの時間に合わせて、朝日に似せたLED光を点灯させることで、赤ちゃんの爽やかな目覚めを促すというものなんです。
赤ちゃんの生活リズム、睡眠のリズムが安定してくると、親も自分が寝る時間を確保しやすくなるので、そういったことの助けになればと開発されたそうです。

最後に、ベビーテックの分野は、今後どう進化していくのか服部さんに伺いました。
「ベビーテックの分野というのは、欧米は上場した会社なんかも出てきているような状態なんですが、日本と少し温度感が違います。
生活習慣の違いとして、日本は子供が常にいて、寝るのも常に隣。一方、欧米だと別の部屋で寝ているっていうのがありまして、
例えば、そういうIT機器とかを使って子供を見守るっていうのが、いわゆる育児の劣化に繋がらないという言い方がいいのかあれなんですけれども、そういうことがあります。
ですので、CESに行った時とかに、私はおばあちゃんから放置されて隣の部屋で寝たんだけど、
私は今自分の息子をスマートフォンで見守っているのよ。いい時代になったねっていうふうに、ポジティブなことしか皆さん思わないんです。
しかし、日本でカメラで見守るなんてことをやろうと思いますと、自分はずっとおばあちゃんの隣で育てられたんだけれども、
私はこの子を別の部屋に放置するんだっていうことが、実際にはともなってくる印象がありますので、ちょっと後ろめたいっていうふうに感じられる方がいらっしゃると思います。
ですので、IT機器を導入しての見守りとか、心のネガティブな部分があるのかなと思って、なかなかそこの壁を越えられないで今はいるのかなと思っています」

今の時代、便利なアイテムが次々と出てきています。ベビーテックの分野もこれからさらに進化していくと思います。
昔はそんなモノなかったと言わず、今、あるものを頼っていいと思います。子育ても、赤ちゃんにも一番大切なのは笑顔だと思いますから。

服部さん、貴重なお話、ありがとうございました。

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