このコーナーでは「暮らし、仕事、社会」、私達の身近なところにあるデジタル化の動きをご紹介していきます。
今日は、教員の負担軽減と児童生徒の自主的な学習習慣の確立を目指すデジタル教材「 すらら 」をご紹介しました。
義務教育を受ける児童生徒のために、1人1台の学習者用PCと高速ネットワーク環境などを整備する計画「G I G Aスクール構想」。
この計画が、新型コロナウイルス感染拡大の影響で前倒しされ、すでに、タブレット端末などを活用した授業が本格的に始まっています。
「G I G Aスクール構想」の目的は、子どもたち一人一人の個性に合わせた教育の実現。
さらに、教職員の業務を支援する「統合型校務支援システム」の導入で、教職員の働き方改革につなげる狙いもあります。
そんな「G I G Aスクール構想」をバックアップするのが、A Iを活用したデジタル教材なんです。
P Cや通信ネットワークといったI C T環境の整備だけでなく、教育のデジタ化を総合的に進めていくことが求められています。
そこで今朝は、デジタル教材「すらら 」を展開されている株式会社すららネット マーケティンググループの安達健さんにお話を伺いました。
まずは、デジタル教材のメリットについてお聞きしました。
「弊社のことで大変恐縮なんですけれども、2点あって、1点目は学習履歴のビッグデータ、大量の生徒の学習データを取り扱うことで、
個別に合わせた出題やさかのぼりが可能になるところです。これによって個別最適化された学びのスタイルを実現するっていうことができます。
もう1点目は、生徒のモチベーションを維持するために、キャラクターを通じて適切な声掛けをしていくような形で使っています。
学習の進捗の状況というのはそれぞれ個々にあり、その理解度に合わせて問題が変わっていくっていう仕組みが、A Iを使った仕組みになっています。
例えば同じ単元を学習していても、隣の子と違う問題が出てそれを学ぶことができます。
今までだと、宿題は一律、同じ範囲をやっていたが、これからの時代はその子の出来不出来に合わせて、
問題を変えながら、その子にあった一番効率の良い課題宿題が出せるようになります」
安達さんによると、今、1人に1台端末は普及をしているものの、家に持ち帰ることができない学校がほとんどなので、
授業や朝学習などで使われているケースが大半を占めているそうです。
今後、持ち帰りができるようになれば、宿題や週末課題、長期休みの課題などでも使われるようになるのではないかとお話されていました。
また、学校からは、こんな声が届いているそうです。
「1点目は、今まで一律で出していた宿題や課題を生徒の理解度に応じて出すことができるようになり、生徒一人一人の理解が結果的に深まった。
2点目は、こちらは先生目線なんですが、生徒一人一人の理解度を把握しやすくなった。
3点目は、先生たちから教材準備の手間が減った。働き方改革みたいなところにも貢献できているのではないかと感じています」
最後に、学校教育、学校はどう変わっていくのか、安達さんに伺いました。
「あくまでも予想っていうところですけど、まず1点目は、宿題とか課題が生徒の理解度に合わせて出すことができるので、
結果的に中学校などでは定期テストがなくなるのではないかと言われています。より単元別で、より細かくテストを実施するというようなことが言われています。
2点目は、先生の役割が変わってくるのではないかと。基礎的な知識とかは、我々「すらら」のようなデジタル教材が担い、
先生には、思考力や判断力をつけることとか、生徒とのコミュニケーションといったものに重視、注力してもらう。
先生にしかできないことに特化してもらう。役割が明確に分担される、そんな風に学校が変わっていくのではないかと考えています」
学校は勉強をするだけのところではありません。友達や先生と人間関係を築き上げていくことも、学校でしかできないこと。
その辺に先生の使える時間が増えるのは、いいことですよね。
安達さん、貴重なお話、ありがとうございました。
2021
05.10
教員の負担軽減と児童生徒の自主的な学習習慣の確立を目指すデジタル教材