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「ITの浸透により、人々の生活をより良い方向に向かわせる」
そんな概念である“デジタルトランスフォーメーション”と
いう言葉が広がり、
私たちの暮らしは、より豊かに、より便利に、
日々ポジティブに変化しています。
このコーナーでは、暮らし、仕事、社会、私たちの身近な
ところにあるデジタル化の動きを紹介していきます。
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2023 03.06
空き家問題解決に活用されているVR作成ソフト「スペースリー」

このコーナーでは「暮らし、仕事、社会」、私達の身近なところにあるデジタル化の動きをご紹介しています。

皆さんもご存知の通り、少子高齢化や地方における人口減少などによる「空き家」の増加が社会問題となっています。2020年に発表された総務省の「平成30年住宅・土地統計調査」では、空き家数は848万9千戸で、全国の住戸の13.6%を占めて過去最高となっています。

管理が行き届いていない空き家は、防災上はもちろん、衛生上や景観上などの観点からさまざまな悪影響を及ぼします。今後、さらに少子高齢化が進むなか、さらなる空き家の増加が見込まれる地域は多く、有効な対策が求められています。そうしたなか、広島県は空き家への入居を促すためのVR(仮想現実)を活用した物件の内覧を始めています。

そこで今朝は、そのVRのソフトを開発した株式会社スペースリーの代表取締役、森田博和さんにお話を伺いました。

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まずは、スペースリーの手掛けるVR作成ソフトとは、どういったものなのでしょうか?

「一言で言いますと、皆さんが普段家を実際に現地へ行って内見するというものを、オンラインでも可能にするというものです。具体的にはVRといわれるような、部屋全体、空間全体のコンテンツというものが簡単に我々のソフトウェアで作ることができます。なので、不動産事業者さんや、地方自治体の方々がそういったコンテンツを作って、そのままお客さんにお送りしたり、お客さんが見るためのウェブに載せたりということで集客力を高めたり、制約率を高めるというようなものです。
なかなか写真だと、コンセントの位置はどこだろうとかあると思うのですが、そういうのがまるっと本当に内見するような感じでオンラインでも見られるという、そういうサービスです。作るところ、編集するところ、そして、それをお客さんに見せるためにウェブに載せたり、お送りしたりという活用の部分、全部が含まれたサービスというものになります」

森田さんによると開発の際、こういったところに、こだわって作ったそうです。

「1つ大事な点は、こういう新しいテクノロジーのサービスは、あるだけだとなかなか効果は生まれない。使うだけでは生まれなくて、我々もすごく力を入れているのはサポートで、事業者さんが実際に使いこなせるように、自治体さんの方が使いこなせるようにというのがないと全く意味がない。という意味では、そこにすごく力を入れているので、なにか新しい技術に対して難しそうだな、なかなか使いこなせないのかな、というのをあまり思わずに試してみるというのをやっていただけたら、こういうものももっともっと世の中で広がるし、いいなと思うので、あんまり新しいテクノロジーというので、難しそうだなと思わずトライしてみていただきたいなと思います」

効果についてですが、自治体でまず最初に導入したのが、海軍カレーで有名な広島県の江田島市で、ここでは問い合わせの数が倍になり、問い合わせの質もよくなったそうで、成約のペースも2.4倍。物件登録数は通常月と比べて3.9倍にもなったそうです。
成約者へのアンケートでは、ほとんどの人がVRを見たと回答、「VRを見て実際に内見したくなった」という声も多く聞かれたとのこと。

さらに、VRコンテンツの掲載によって、市役所の職員さんの電話問い合わせ対応の時間の削減効果も見られたそうで、業務の効率化にもつながっているそうです。今後の展開について、こんなことも考えているそうです。

「私どものサービスというのは、事業者さんが便利に使うというところには収まらないサービスなんです。その後ろには、エンドの方が家を探して、空き家の場合には面白いのが、そこで例えば、DIYのようなリノベだったりとか、そういうことまで考える方もやっぱり増えてきています。カウンターキッチンを置いたらどうなるんだろうとか、壁を変えたら雰囲気どうなるんだろうとか。私どものサービスの中で、今ある物件をわかりやすくというのに加えて、そこに家具を置いたり、壁紙を変えてみたり、そういうこうエンドの方がもっとワクワクしながら家探しできるようなサービスに進化していこうと、まさに先月そのための新しいプロダクトがアップグレードされて、リリースされました。
そういうことによって、事業者さんも非常に効果を感じていただけるし、引いてはエンドの方がより豊かな暮らしをする上でのきっかけになるようなサービスになれば、というので、これからまだまだプロダクトを良くしていこうという、そんなことを考えています」

森田さん、貴重なお話、ありがとうございました。

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