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Every Monday 8:38 〜8:48
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「ITの浸透により、人々の生活をより良い方向に向かわせる」
そんな概念である“デジタルトランスフォーメーション”と
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日々ポジティブに変化しています。
このコーナーでは、暮らし、仕事、社会、私たちの身近な
ところにあるデジタル化の動きを紹介していきます。
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2023 07.03
チャットGPTを活用したAI法律相談チャットサービス

このコーナーでは「暮らし、仕事、社会」、私達の身近なところにあるデジタル化の動きをご紹介しています。

番組でも何度か取り上げていますが、対話型AI 「チャットGPT」は様々な現場で活用が広がっています。そうしたなか、弁護士の現場でも世界初となる「チャットGPT」を活用した日本語版のAI法律相談チャットサービスがスタートしています。

そこで今朝は、この無料の法律相談チャットサービスの試験提供を開始している弁護士ドットコム株式会社の取締役で弁護士の田上嘉一さんにお話を伺いました。

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改めて、こちらの法律相談チャットサービスですが、離婚や男女問題に関するお悩みなどを相談すると、AIが自動で答えを生成して法律に関する回答をもらえるという法律相談の仕組みとなっています。まずは、このサービスを立ち上げた経緯について伺いました。

「法律トラブルに何かしら悩んでいる方というのは非常に多いんですけれども、実際に、弁護士さんに相談に行ったり、場合によっては訴訟を提起したり、そういった法的な手段にアクセスできる人というのは、全体の約2割しかいないということがあります。
これは様々な理由がありますが、例えば、裁判にすごい時間がかかるとか、ひょっとして弁護士さんに相談しに行っただけで高いお金を請求されるんじゃないかとか。あとは、こんな悩みをわざわざアポを取って弁護士さんに相談するのはちょっと申し訳ないのではないかとか、もしくは、ひょっとしたらこの悩みは大したことないんじゃないかというような心理的ハードルがあって相談できないということがあるんですね。そこでインターネットで気軽に弁護士に相談できるというサービスを続けてきたんですが、さらに一歩進んでAIというものを取り入れることによって、もっと多くの人にアクセスが開かれるんじゃないかなと思いました。こういったAIを使うことは元々非常に相性がいいんじゃないかと思っていたのですが、なかなか既存のAIの精度では、会話の自然さだったり、文脈の自然さというのが難しいと。
我々はAIの専門の会社ではないので、そういったものをいつかやりたいなと思っていたのですが、昨年の秋からチャットGPTという画期的な生成AIというものが出て、非常に自然で滑らかな会話ができると。これだったら、ひょっとしたら法律相談にも使えるんじゃないかということで、当社の中で元々持っていた法律相談のQ&A、125万件のうち、離婚・男女問題に使えるものから活用して、それを一部学習・参照させることによって、答えの生成を行うことに取り組もうということで、急ピッチで開発してサービスローンチまでこぎつけました」

開発の際にこだわった点として、田上さんはこんな話もされていました。

「やっぱり、法律相談、法律に関してのお悩みなので、間違ったことをいかに言わないようにするかというのが非常に重要なんですね。チャットGPTというのは、非常に大量の言語、テキストを学習しています。その中に、正しいものを誰が言ったかというのはそんなに重要視していなくて、正しいものもあれば、ちょっと誰が言ったかわからない、出所が不明な曖昧なものというものも含まれていますから、そういったものを参考に、間違った情報を返してしまうというリスクが払拭しきれないんですね。なので、そのあたりを我々の持っているデータを掛け合わせることで、可能な限り法律的に誤りのないような回答を返すというところに、非常に苦労しました。あとはやっぱり、個人情報を入れちゃった場合の問題ということはありますので、こちらとしては利用者の方に個人情報は入れないでくださいと、要するに人の名前であるとか連絡先みたいなものは入れない形で使ってくださいという風には言っています」

ユーザーの方やSNSでの反応ですが、休日や深夜とか弁護士に相談できない時間帯に知りたい情報について簡単に回答を得ることができるというのは便利、など反応も上々だそうです。

最後に今後の展開と課題について田上さんに伺いました。

「かなり精度の高い回答ができるというところもわかりましたし、こういったものをどんどん拡大していければ、より多くの方の法律相談に答えられると思っていますので、分野などを拡張して、精度を上げていくというのは考えられるかと思います。一方で、弁護士法という規制がありまして、弁護士資格がない人がお金をもらって法律相談をするということに関しては、場合によっては法に抵触する恐れがあるんですね。
なので、我々は今こういったサービスを無償で提供していますが、やはり今後拡大していくためには一定のコストもかかりますし、ここまでであればAIの利用というのは規制と分けて考えてもいいんじゃないか、という議論がもし可能になっていけば、サービスをもっともっと加速させられるかなと思います。ただ、こういった生成AI、大規模言語モデルが出始めて、その便利なところと、場合によってはリスク・間違った回答をしてしまうとか、プライバシーの問題、著作権の問題であるとか、様々な問題が言われていますので、国、政府、そして世界各国でガイドライン等を定めていくと思いますので、そういったものを見据えながらサービスの拡充、展開を図っていければと思っています」

田上さん、貴重なお話、ありがとうございました。 

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