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このコーナーでは、暮らし、仕事、社会、私たちの身近な
ところにあるデジタル化の動きを紹介していきます。
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2024 03.14
災害時の避難状況を把握する全国初の防犯システム

このコーナーでは「暮らし、仕事、社会」、私達の身近なところにあるデジタル化の動きをご紹介しています。

今回は13年前の東日本大震災で甚大な被害を受けた陸前高田市が導入した全国初の防災システムをご紹介しました。
陸前高田市が導入したシステムですが、災害時に住民の電話番号に一斉に発信する「オートコール」とAIを組み合わせたもので、市が委託してNTT東日本が開発、去年から運用が始まっています。

お話を伺ったのは陸前高田市市役所の防災課課長、中村吉雄さんです。
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まずは、具体的なシステムについて伺いました。

「これは防災ツールとして使われているものでございます。あらかじめ市民の皆様にお電話番号を登録していただきますと、例えば台風等で大雨が発生して避難をしなければいけない時とか、地震や津波が起こった後の安否確認の時を想定しまして、ご登録いただいた電話に一斉に架電をさせていただきます。その時に状況に応じて話す内容は異なりますが、例えば大雨等で被害が生じる恐れがある時などは、避難の情報を音声合成が話をします。それに対して住民の方は、実際に避難をするかしないかというような質問が最後にされますので、それに「はい・いいえ」で答えていただいたりだとか、あるいは「避難をする・はい」と答えた方には、どこに避難をするのかというような場所を告げていただくというようなことになっております。その音声をAIの方で判読いたしまして、それを市役所の方の災害対策本部などでテキスト化にして、市民の皆さんが今どういう状況であるかということを把握するというものでございます。
安否確認の場合も同じでございまして、一斉に登録されている方にお電話をしまして、今どこにいるのかとか、困っているようなことはないのかという質問をいくつか音声合成で行いますので、電話に出られた市民の方はその質問に対して答えていただくと、先ほど同様にAIの方が音声を認識しまして判読しテキスト化して、市の災害対策本部に情報が届くというもので、災害時の情報が相互でやり取りができるというものがこのオートコールとAIを組み合わせた新システムでございます。
災害が起こり、命を守らないといけないような差し迫った状況で、どのような状況に置かれているのか、どのような行動をされているのかということが、短時間と言いますか、省力化で把握ができるというのがこのシステムの1つのメリットでございます」

このシステム、開発のきっかけは高齢化が進む地方ならではの理由もあったそうです。

「実際に我々は災害情報をいろんな形で市民の皆さんにお伝えしておりますが、どの情報ツールでも情報を得れないという方、いわゆる情報の中で取り残された方がいらっしゃると。その方々にどうやって情報を伝えたり安否の状況を確認すべきかというところで、電話というものの手段を考えております。
当初はそのような目的で電話を一斉架電して、プッシュボタン操作等の返答で行っていたのですが、高齢の方になると、例えばスマートフォンのキーパッドを出すことができないというような問題がたくさん出てまいりまして、ボタン操作で状況などを伝えることが難しいと。ではどのような形で、我々に情報を伝えられるかとお尋ねしたところ、言葉であるならば伝えられるというようなことがございました。そこで実際に言葉で喋ってもらったことを、いかにして我々が一斉に情報として収集することができるのかということを考えていった末に、AIの力を借りるというような形になったというところでございます」

最後に、このシステムに対する思いと期待について中村さんに伺いました。

「震災から13年が経ちましたが、やはり本市の場合、1800名以上の方が尊い命を失われております。その中にはもちろん救えた命もあったかもしれませんし、やはり我々としては、何より自然災害から命を守ることの重要性、必要性というものは過去の震災から教訓として大きく学んだところでございますので、陸前高田市では絶対に自然災害から命を落とすことがないように、平時からしっかり取り組みをして、万が一の時もしっかりとやっていきたいというのは、住民の皆様も含めた、我々の希望であり、究極の目的というふうには考えております。
例えば、避難に関して言いますと逃げ遅れることによって自然災害から命を落とすことがないように。また、地震や津波の時に、せっかく直接的な災害からは命が助かったにもかかわらず、その後の安否情報の確認が遅れることによって生命を落とす、あるいは重病化してしまうというようなことがないように、このシステムを導入することによって、高田市のみならず社会全体、世界全体で自然災害から命を落とす方がいなくなるということが実現できるのに一助となればというふうに考えております」
       
中村さん、貴重なお話、ありがとうございました。

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