このコーナーでは「暮らし、仕事、社会」、私達の身近なところにあるデジタル化の動きをご紹介しています。
前回、ウェルビーイング経営に役立てて欲しいということで開発された従業員のエンゲージメント(幸福度)を測定するパルスサーベイ、『ウェルビーイング・カンパニー・サーベイ』をご紹介しました。
今回は引き続き、コミュニケーションの活性化を主な目的としたウェルビーイング経営を目指すためのサービス『PHONE APPLI PEOPLE』をご紹介します。
お話を伺ったのは、このサービスを開発・提供している株式会社PHONE APPLIのマーケティング企画本部 本部長の川嶋庸介さんです。
まずは、今年「AIプロフィールサマリー機能」を新機能として搭載した『PHONE APPLI PEOPLE』とはどういったアプリなのか、その概要について伺いました。
「自分のプロフィール情報、連絡先、あと自分が交換した名刺情報だったり、今だとハイブリッドワーク、フリーアドレスですね、オフィスでどこにいるか自分がわからない、相手がどこにいるかわからない、というのも見える化できるような製品になっています。元々のサービスは、web電話帳と言われているサービスでして、スマートフォンとかに各個人がその電話帳をローカルに保存するというのはセキュリティ的にも危ないですし、その中に入っている情報を、お互い共有し合うことで、コミュニケーションを活性化させるというところを背景に作った製品でございます。
しかし今だと、コミュニケーションも多様化してきていますので、それに加えて居場所情報、オフィスの中の居場所情報がわかるとか、それはハイブリッドワークの課題ですよね、どこに誰がいるかわからない、すぐ探したいという課題です。それがないとチャットがめちゃめちゃ増えるんですね。なので、そういう場所が見えるようにするとか、あと、リモートワークが始まってお互い、会社と家で仕事をしていて働いている様子が見えないというのは、管理職の方々とかの課題だったりしますし同僚もあの人何しているのかわからないんだけど、“ありがとうカード”さえ見れば、お互いが何しているのかがわかるし、安心感、一体感が生まれる、そういう課題を解決するためにそういう“ありがとうカード”を作ったりいうのもしています。
そのほかにも、安否確認とかの機能もあるのですが、BCP対策ですね。何か災害時に、誰が働けるかとかも、そこで全部人の状態がわかるようにすることで、より柔軟な対応ができるとか、そういったところもできるようにしたいというので、作らせていただいてという背景はあります」
ちなみに、“ありがとうカード”とは、“サンクスカード”とも言うそうなんですが、感謝や賞賛を伝え、個人やチームの活躍を可視化するもので、贈ったカードは従業員全員が閲覧することができ、自分が関わらないカードでも“いいね”で共感や賞賛を伝えることができるそうです。
さらに、『PHONE APPLI PEOPLE』には今年、生成AIを使った「AIプロフィールサマリー機能」も追加されています。こちらの機能についても伺いました。
「AIプロフィールに関しては、社内で自分のプロフィールを書けと言われても、恥ずかしかったり、外向けにSNSとかで書くのはできるけど社内向けに書くのはちょっと…、という方、あとは忙しいとかですね、そういう背景で書けない方ってたくさんいらっしゃるんです。
その中に(書けない人)1000人いたら多分700人くらい本当はすごいスキルを持った人がいる、その人が埋もれてしまうのは勿体無いと思って、それを見つける仕掛けとして何か良いものがないかなと思っていたところに、“サンクスカード”ってそういえば良いことしか書いてないよねと。それも自分で書かなくても、他人が送ってくれるよね、そこから見つければ書かない人も良いところだけ炙り出されるからすごく良いじゃないか、といったところで“ありがとうカード”のやり取りの中から、その人のスキルをしっかり抽出して見える化できることによって、会社全体のスキルの可視化とそれをお互い活かし合う環境づくり、あとHRとかの観点からすると適切な配置、そういったものができるようになればという観点でリリースしたものになります」
実際に利用した方の声や、活用例、さらに、この機能に寄せる期待についても伺いました。
「プロフィールを書かない人でも、しっかり見えるというのがまず良いというところと、定期的にアップデートされるので、新しいスキルがどんどん見えてくる。プロフィールって「更新しない問題」とかもあるので、それが変わっていくというところは嬉しいと。あと純粋にAIが作ってくれるので、面白いというのもありますね。ちょっと想像と違うところが見えてきたり。そういうフィードバックいただいたりしていますね。
今だと、新しい人とコミュニケーションを取るときに、そこを見て話すことができるので、そういった時に、趣味が一緒だったりとか、実はこういうロールモデルだったんだというのがわかると、もう最初からコミュニケーションの障壁がだいぶ取られた状態でできるというところもありますし、あとはやっぱり、異動候補とかですよね。自分があと足りてないスキルとか、あと業界のヒアリングをしたりとか、いろいろありますよね、そういった時にそこを見ることによって、協力者を探すことができる、あと異動対象者を見つけることができる、そういった使い方ができると思っています。
お互いを理解し合う、そして活用し合えることで、日本企業が生き生きと、というのももちろんですが、今仕事が楽しくない人がたくさんいらっしゃると思うので、そういう人々も仕事が楽しめる場所に行ける、あと自分の良さに気づいて、それを活かすことで楽しめるというような状態が作れると良いなと思っています」
川嶋さん、貴重なお話、ありがとうございました。
2023
12.11
ウェルビーイング経営を目指すためのアプリ『PHONE APPLI PEOPLE』