イメージ
イメージ
キヤノンマーケティングジャパン presents Solution in my life
カラー
カラー
カラー
Every Monday 8:38 〜8:48
Every Monday 8:38 〜8:48
「ITの浸透により、人々の生活をより良い方向に向かわせる」
そんな概念である“デジタルトランスフォーメーション”と
いう言葉が広がり、
私たちの暮らしは、より豊かに、より便利に、
日々ポジティブに変化しています。
このコーナーでは、暮らし、仕事、社会、私たちの身近な
ところにあるデジタル化の動きを紹介していきます。
2024年度以降はこちら
2024 01.15
水中ドローンによる海底調査

このコーナーでは「暮らし、仕事、社会」、私達の身近なところにあるデジタル化の動きをご紹介しています。

これまで、ドローンを活用した取り組みは紹介してきましたが、今回は「水中ドローン」を活用した取り組みをご紹介しました。
水中ドローンは、自律型無人探査機(AUV)と呼ばれていて、遠隔操作のロボットと比べ、ケーブルも不要で水中を広範囲にかつ、効率的に調査ができると言うことで、資源開発や安全保障分野での利用が広がっています。政府も普及や市場拡大を狙い、民間企業での実証実験を支援しています。ただ、この水中ドローン、みなさんがよく知るドローンとは、少し違った機能も持っているんです。

そこで今回は、その政府の取り組みの一環で去年の夏、小笠原諸島・南鳥島の深海にあるレアアース泥の採掘に向けた海底調査を行った海上技術安全研究所の研究統括監、藤原敏文さんにお話を伺いました。
null
まずは、今回の海底調査がどういったプロジェクトなのでしょうか?

「レアアース泥を南鳥島の沖で取ってくるという事業なのですが、水深が6000mの海域で、そこから泥を取ってくるというのが大変な事業になっています。ただ、泥を取ってくる時に環境破壊が起こっていないかというのも確認することが大事な事業になっていまして、今ヨーロッパの方でも海底から鉱物資源を取ってくることに対して、環境破壊じゃないかと批判が起こったりしている状況でもあったりします。ただ我々は、環境被害がないということを、こういった「AUV」という、自動自立型無人潜水機を持ってして調べて、問題がないということを調査しながら、海底から泥を掘削してくるという事業を完遂、完成させたいと思っています。例えば、泥を取ってくるときに、どれくらい巻き上がって泥が拡散していくのかとか、あと、実際泥を取った後の海底の流れの変化があるのかないのかとかですね、濁りの状況がどうなっているのかというのを調べたり、あとは、魚が存在が変わったりするのかしないのか、生物がどう変化するのかということを調べようというのをAUVでやろうとしています。レアアースを取ってくることと、環境破壊を起こしていないということを確認するためのロボットシステムを作ろうというような感じですね」

レアアースとは、産出量が少なく、抽出が難しいレアメタル(希少金属)の一種。次世代の電気自動車(EV)などハイテク製品の生産にも欠かせない材料なんですが、この調査で活躍してくれるのが、今回の水中ドローン、AUVなんです。その特徴とメリットについても伺いました。

「海底はまさに暗闇の中でAUVは自分でどれだけ進んだかとか、どこにいるのかというのを自分で判断しながら、ミッションを遂行するという機器であります。人間は全く操作しないんですね。だから、空中ドローンではリモコンのようなもので、上、下、左右とオペレーションをするような状況かもしれませんが、AUVというのは決められた点を自動的に辿るということで、水の上で投入するときにプランニングをして、どこにどうルートで回っていくかというのも決められた上で作業を開始するのですが、一旦作業を開始すると、あとはロボット任せでその作業が終わるまで人間が関わることは一切ありません。
その作業が終わったら、そのロボットは水面の上に上がってくるというシステムです。
船の上から観測するということも今まではされていたんです。ただ、船の上から海底面を見たら、当然距離があるものですから、緩やかなでこぼこがあるような画像しか撮れないわけです。
それが、AUVは海底面から80mから100mの至近距離で、海底のでこぼこ具合を観測するものですから、どこにどのような岩がある、鉱物の塊がここにあるということがまさに分かる状況ですので、今まで船の上では分からなかった海底の様子がこのAUVを使えば全て分かるということで、大変このAUVを使うことによるメリットというのがあるということです」

最後に、水中ドローンに対する期待、今後の展開についても伺いました。

「今後、洋上風力発電とか、海洋構造物がこれから日本の沿岸にたくさんできてくることが想定されます。そのような状況の中、人が行って作業するというのは海の上では大変危険な状況にあります。また、天候が悪くなると船が出られない、そしたら点検や、修繕作業もできないということが往々にしてありますので、このAUVが何とか人手がかからずに自動でそういった海洋構造物の点検や監視作業を行えないだろうかということで、海洋関連産業の方々は皆期待をしているというところですね。こういうロボティクス技術を発達することによって、人手不足も解消できるのではないかという期待もあります。今、国産のレアアースというものはほとんどない状況で中国をはじめ、海外の国からの輸入に頼っているわけですね。これは日本の工業産業を維持するためにも非常にリスクのある状態ですので、何とか自分たちの国のEEZ内でレアアースを確保したい。それが産業に役に立つものに持っていきたいというところのニーズが今後、ますます増えると思いますので、そういったところでAUVの活躍する出番があるのではないかということで考えています」
        
藤原さん、貴重なお話、ありがとうございました。 

ツイッター Facebook
|| 1 | 2 | 3 |...| 10 | 11 | 12 |...| 156 | 157 | 158 ||
Top