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2020.01.30
その他

変わる、地方移住のあり方

「第5回 いいね!地方の暮らしフェア」
2020/2/9(日)10:30-16:00 @東京国際フォーラム

Uターン、Iターン、Jターンなど、今、地方移住を考えている方が増えていますが
この時間は、地方移住についてご紹介します。
お話を伺うのは、これからの地域との繋がりかたを提案する雑誌「TURNS(ターンズ)」プロデューサーの堀口正裕さんです。

浜崎秘書:今日は昨今の移住事情についてお聞きしたいと思います。
堀口さんは地方への移住をテーマにこれまで色々な発信をされてきておりますが、ここにきて地方移住に関して変化してきたな、と感じることはありますか?

堀口:地方への入り方とか、関わるモチベーションの変化みたいな話なんですけど、ちょっと前までは“満員電車が嫌だ。”とか、“都会のギスギスした環境から抜け出したい。”という思いで地方に行きたいという方が少なからずいたんです。
ですが、それがだんだん変化してきまして。
自分自身の培ってきたスキルとか経験を地域社会やコミュニティで活かしたいという、前向きな人たちが出てきたんです。
最近になるともっと前向きで。その街だったり土地にしかない良さを使って持続可能な地域社会を作っていこう、地域の人たちと一緒になって取り組んでいこうという、さらに前向きな人たちが増えてきたという印象があります。
地域の将来を何とかしたいと思っているのは地元の人達が圧倒的に多いと思うんですけど、そういう人たちと一緒になって大都市の経済圏じゃなくて、その地域だから出来る小さい経済圏みたいのを作っていこうという人たちが出てきているのはすごく面白いんですよね。


本部長:景気が良かったときは都心部に行って頑張れば頑張るほどお金稼げたりとか、やりたいことがやれたりという環境だったかもしれないですけど、今はそういう感じでもなくなってきてますよね。
優秀な方々はたくさんいますし、自分の持っている本当のポテンシャルみたいなのを使いきれてなくて悶々としてる人もいて。だんだん世の中も変わってきていますから、果たしてその能力を都会で発揮する必要性があるんだろうかとも思うんです。
場所はどこでもいいんじゃないか、と気付きだしてる人がいるのかもしれないですね。

堀口:それはあると思います。
そういう生き方がいっぱいあるんだということを、子ども達に教えていきたいなという思いはありますね。

浜崎秘書:その街にしかない良さを生かす活動というと、例えばどんな事例がありますか?


堀口:二つほど紹介したいんですけど、一つが福井県の鯖江市にある河和田という地区です。
ここで行われている国内最大規模の産業観光イベント「RENEW(リニュー)」というのがあるんですが、このエリアは元々ものづくりの一大産地と言われていて、漆器とか眼鏡が有名です。
和紙とか刃物、箪笥などの工芸品の産地なんですけど、産地の良さを生かして地域経済が元気になる取り組みをやってるんです。
こうした産地の良さを生かすためには、職人さんの思いや背景、物語みたいなものをしっかり把握をして外の人に伝えていくということが重要なんですけど、他人任せで売ってもらうんじゃなくて、自分たち自ら販売の仕方とかも考えて企画して、その地域に来てもらって買ってもらうと。
「RENEW」というイベントではただ見学してもらうだけではなく、ものづくりの工房とか企業をどんどん開放して、ワークショップなどをやりながら職人さんの思いに触れてもらっていろんなことを体感してもらう、そんなイベントになっています。
昨年末で5年目になるイベントなんですけど、4万人以上の来場者があって、2000万円弱ぐらいの売り上げも記録しているそうです。
雇用創出にも繋がっていて、このイベントをきっかけに新しいお店が15店舗もオープンしたりしています。ここ数年で100人の移住者がものづくりに関わっていたりと、まさに移住の町になってるんですね。
都会と違って何かを手に入れるんだったら行動するしかないということで、移住者と住民が一体になって、常に思考停止しない街づくりということをやっている事例があります。
もう一つは、高知県の高岡郡というところに「オムライスの村」と言われている日高村という地域があるんですが、そこのNPO法人「日高わのわ会」の取り組みを紹介いたします。
日高村は高知市から30分程度のところで、過疎が進んでいてちょっと前までは人が通り過ぎてしまうところだったんです。
ですが、2014年に「オムライス街道」というものが出来て状況が大きく変わります。
元々フルーツトマトの生産が有名な所だったんですけど、全国のバイヤーが選ぶナンバー1トマトの「シュガートマト」というのがこちらで獲れるんですね。それを使ったオムライスを国道沿いの6店舗にお願いして提供を始めたんです。

本部長:うわー! 食べたい!


堀口:これが大変美味しくて、様々なメディアに取り上げられたところ、なんと5年間で32万食!経済効果は4億円という結果が出まして、この運営を「日高わのわ会」というところがやってるんですね。
元々、子育ての合間に誰かの役に立ちたいママさん達が始めたボランティアなんです。“企業とか行政がやらない困りごとをやっていこう!”という団体で、スローガンが今の時代に合っていまして。
『できる人が、できる時間に、できることを。』というスローガンを15年間徹底してやったところ、今ではいろんな事業が立ち上がって、年間売り上げも7800万円ぐらい、従業員も50名近くいるそうです。
地元の大人たちが頑張ってる姿を見て、若い人たちが移住を始めて来る。今まではなかったゲストハウスなんかも作ったりして、人が交流する場が出来てきている。そんな事例もあります。
二つの事例の共通点としては、地域の未来のために地域資源を活かして地元の人と一緒になって、そこでしかできない経済圏を作ろうと。そんな動きが活発になってきていると思っています。

浜崎秘書:堀口さんから見て、地元の人たちと移住した若い人たちがうまくやっていくために大切なポイントはなんだと思いますか?

堀口:地元の方がどう伴走してあげるか、ということがすごく重要だと思っています。
移住者が何かやりたいことがあったとき、地域住民が一緒になって考えてあげるという事が重要なんですね。
ただ一方で、移住する側も一方的に求めるだけではなく、ホスピタリティや敬いを持って理解をして、その上で自分がやりたいことを地域の人たちに認めてもらう努力、理解してもらう努力というのは必要なんじゃないかなと思います。
要は“人”ということなので、誰に聞くか。誰とやるか。“誰か”を探すのがとても重要なことなんじゃないかなと思います。



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