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總持寺 世界禅Challenge とは
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ユージ
吉田明世
ONE MORNING NEW TREND ONEでは、
毎月第3月曜日に “總持寺 世界禅Challenge” を特集!
全国で開催されるイベントを応援するとともに、
JFN各局でも “世界禅Challenge” を特集した企画をお届けしていきます。
FM AICHI「DAYDREAM MAGIC」2/19 OA分
2024.02.19 / FM AICHI
高橋:
今日はスペシャルゲストにお話を伺っていきます。
半世紀以上にわたり、愛知専門尼僧堂の住職で、尼僧の育成をおこなうとともに、現代日本の曹洞宗における尼僧の地位向上に重要な役割を果たした正法寺の住職、青山俊董(あおやま・しゅんどう)老師です。
青山老師:
91歳の春を迎えました。青山です。
高橋:
まずはそもそもなのですが、男性と女性では、修行内容が違うということはあるんですか?
青山老師:
修行に男・女はありません。これをはっきりおっしゃっているのは道元様くらいですが、800年前に「男女(なんにょ)を論ずることなかれ」と、男女別ということを非難されて、いずれも法を得ているかが問題だと。なので、法を得ている尼僧の前では、男のお坊さんも礼拝して法を聞けと、そこまでおっしゃっておりますから、修行に男・女はないと思っています。
高橋:
修行に入る時、男性はもちろん、女性が髪を剃ることはとても覚悟がいることだと思います。僧侶はなぜ髪を剃るんでしょうか。
青山老師:
道を求めるということは命がけです。お正月なども関係なく、修行に道を求める。たった一度の命に最高のものを求めるためには、片手間ではなく命がけです。全部を捨てて入る世界。たった一度の命を何にかけるか、髪に例えるだけの話であって、何回でも髪を剃る度に、最初に本気で道を求めた時の気持ちに立ち直りながら、自分を確かめながら、修行に入ります。男であろうが女であろうが、同じことですね。
高橋:
みなさん覚悟をもって、修行に入られているということですね。
そんな正法寺で開催される「總持寺 世界禅Challenge」について、お話を伺っていきたいのですが、このプロジェクトは、瑩山禅師(けいざん・ぜんじ)没後700年の記念式典であり、700回大遠忌の記念事業として、一般の方々に広く坐禅を体験していただくプロジェクトだとお伺いしました。
最近は、プロのアスリートや会社の経営者が坐禅をしているという話も耳にしますが、坐禅をすると、どのようないいことがあるのでしょうか?
青山老師:
坐禅は何かが欲しくてやるのではないのです。気に入ったものを追ったり、嫌いなものから逃げたりする自分を捨て切って、本当は気づく気づかないに限らず眠っている時も呼吸ができるように、頂いたものは何も思わなくても消化できるのです。
授かりの命にふさわしい生き方をする、本来の私の命の中に小さな私を投げ込んでいく、それが坐禅です。もう一人の私で生きる、そこに腰を据えて生きるのが坐禅だと思います。
高橋:
お話を聞いて、ますます坐禅に挑戦してみたいなと思いました。
愛知会場の記念御朱印に書かれていることは「調身調息調心(ちょうしんちょうそくちょうしん)」ですが、こちらの言葉の意味を教えていただけますでしょうか?
青山老師:
調身というのは、姿・形を調えれば自ずと心も調うという意味です。次に呼吸を調えろ、つまり、深く丹田(たんでん)まで息を吸い込んで深く吐く。ですので、姿勢を調えて、呼吸を調えれば、自然に心も調う。形から入るというのが日本、東洋の考え方です。これがこの「調身調息調心」です。
高橋:
「調身調息調心」を心に刻んでおきます。
最後に、坐禅を体験したことがない方々に、一言頂けますでしょうか。
青山老師:
坐禅を特別なものと考えず、お互い様に、たった一度の命、やり直しのない命を最高のものにしたいと誰しも考えると思います。その命を最高に生きるにはどうしたらよいかと、本気に考えた場合、坐禅を通して、もう一人の自分を考える。深まるほどに謙虚な自分に気づき、足元を照らされて生きる。せっかくであれば、自分の大事な命を大切に生きてほしいと思います。
高橋:
青山老師のお話、すごく心に響きました。
ありがとうございました。
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