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總持寺 世界禅Challenge とは
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ユージ
吉田明世
ONE MORNING NEW TREND ONEでは、
毎月第3月曜日に “總持寺 世界禅Challenge” を特集!
全国で開催されるイベントを応援するとともに、
JFN各局でも “世界禅Challenge” を特集した企画をお届けしていきます。
【Vol.5】NEW TREND ONE × 總持寺 世界禅Challenge
2024.01.15 / TOKYO FM
ユージ:
今回はスタジオを飛び出して、神奈川県・横浜市にある、曹洞宗 大本山 總持寺に来ています!
吉田:
15万坪ある大きな敷地にはいくつものお堂があるのですが、我々がいるのは、衆寮(しゅうりょう)と呼ばれる一般の方でも入ることが許されている坐禅のための“お堂”なんですね。
何と今回はこちらで、坐禅を体験させていただけるということなんです!
ユージ:
禅の気持ちというのは、番組を通してたくさん学んできたんですけど、この場所でというのは経験がないので、嬉しいですね。
吉田:
指南してくださるのは、以前スタジオでお話を伺いました、曹洞宗 大本山 總持寺の柴田康裕(しばたこうゆう)さんです。おはようございます!
柴田:
よろしくお願いします。ようこそ。
ユージさんは、坐禅をする時の大切な3つの要素を覚えてますか?
ユージ:
はい。呼吸を調える、姿勢を調える。最後は吉田さんに言ってもらいましょう。
吉田:
心を調える。
柴田:
そうですね。身を調え、息を調え、そして、心を調える。これをしっかり心に置いて、行じていただきたいと思います。
ユージ:
では早速、お願いしてもいいですか?
柴田:
それではまず、目の前にあるクッションみたいなこれを坐蒲と言いますが、これに坐ります。そして、合掌、低頭(頭を下げる事)。右回りで回って、合掌、低頭。クッションをお尻に当ててください。
ユージ:
上(一段上がった畳上に置かれた坐蒲の上)に坐ればいいですか?
三人 (坐蒲の上に腰かける)
柴田:
はい。そして両手を畳に置いて、牀縁(じょうえん:畳の端にある木の板、お袈裟を置いたり、食事の際食器を置くところ)と言います、この板に足をつけないようにして、後ろに下がります。
三人 (牀縁に足をつけないように、一段上がった畳の上にあがる)
ユージ:
おー、これ結構テクニックがいる!
吉田:
え!腹筋が!
ユージ:
ちょっと、大丈夫?
吉田:
(笑)
柴田:
そうしましたら、スリッパをちゃんと揃えて。
(一段上がった畳の上から牀縁に触れないように床にあるスリッパをそろえる)
吉田:
みなさん、すごいですね…(手が届かない)。
柴田:
そしたら左手で(坐蒲)クッションを持ち、右手を軸にして、クルっと壁の方へ向きます。
ユージ:
おお~。
柴田:
右足を持って左の腿の上に、左足を持って右の腿の上に上げます。
吉田:
ちょっと待って、ぃててて。
ユージ:
ストレッチしてくればよかった。
柴田:
大事なのは膝がきちんと畳の上につくということです。
ユージ:
膝をつけるためには、やはり姿勢を正さないと膝が前に行かないので、自然と背筋がピンとなりますね。
柴田:
今度は手を組みます。掌を上にして、右手が下、その上に左手を乗せて、そして両手の親指をちょうど卵形になるように丸く組んで、それをおへその下、足の付け根のところに静かに置きます。
そうしたら今度は大きく深呼吸をします。鼻から吸って、口を少し開いてゆっくり吐きます。その時に、できれば肺に入った空気を全て吐き出すような気持ちです。
今度は左右に身体を揺らします。右・・・、左・・・、(体が振り子のように大きい揺らぎから小さい揺らぎになっていく)だんだんと身体が止まり、ちょうどすっと体の中心が取れたところ、そこで止めます。顎を引きます。目は閉じない。
吉田:
え、目は閉じないんですね。はい。
柴田:
半畳前に視線を落とす感じ。鼻でゆっくり呼吸をします。これでしばらく坐ります。
なお、今回は途中で警策(きょうさく)という励ましを頂戴する体験をして頂きます。
それでは、鐘が3声(せい)鳴ります。止静三声(しじょうさんせい)、それが坐禅開始の合図です。
(鐘の音が3回)
(パシッ!)
(パシッ!)
(鐘の音が1回)
柴田:
(坐禅を終えて)どうですか?
ユージ:
痛いです。
柴田:
(笑)
ユージ:
でも無になる感じというか、普段の自分の生活とは明らかに違う物事の捉え方がここではできていたので、それが新しい感覚でした。
柴田:
これからも坐禅に親しんでいただきたいと思います。
吉田:
さあ、坐禅用のお堂、衆寮を出まして、142mある長い廊下、百間廊下(ひゃっけんろうか)を通りました。そして今、私たちの目の前に大きなお堂が見えてきました!
ユージ:
立派だな~。
吉田:
こちらが、大祖堂(だいそどう)ということですか?立派ですね。
柴田:
その一番奥に瑩山禅師さまが鎮座されておられます。お堂の前に、700回大遠忌を記念して建てられました大きな角塔婆(かくとうば)があります。よく見ていただくと、五色の紐があります。この紐は、瑩山禅師さまの左の手首に巻き付けられていまして、それがずっとここまで繋がっています。つまり、この角塔婆を触れると、瑩山禅師さまに触れることになると。
ユージ・吉田:
へえ~!
ユージ:
ここ、大祖堂がまさに、5月12日に開催する「總持寺 世界禅Challenge」の集大成である行事を行う場所なんですよね。
柴田:
そうです。人種や年齢、国籍を超えて、坐禅を通じて一つになるというプロジェクトです。この大祖堂をメインにして、日本各地の修行道場、そして北アメリカ、南アフリカ、ヨーロッパなどの世界各地の修行道場、さらにはスマートフォンなどを利用してご自宅からなど、どなたでもご参加いただけるというイベントになっていますので、ぜひみなさまもご参加いただきたいと思います。
ユージ:
ぜひラジオをお聴きのみなさんにも、参加いただけたらと思います。
ユージ・吉田:
柴田さん、ありがとうございました!
*
(ここからは、放送には収まり切らなかった、百間廊下を移動中のオフトークも少しだけ紹介します!)
ユージ:
この廊下、先までながーく見えますが、本当に綺麗な廊下ですね。
柴田:
ここは修行僧が毎日2回、雑巾がけしています。
吉田:
どうりでピカピカですもんね。
ユージ:
この長い廊下をリレー形式ではなく、一人で端から端まで。
吉田:
両サイドにガラスがあって、光がたくさん入りますね。
柴田:
このガラスも修行僧が定期的に磨いています。
ユージ:
僕は建物も大好きなので、このほのかに歪んで見えるガラスが、手で職人さんが作った今はもう少ないガラスなんですよ。
柴田:
そうですね。ここ、本当は「一間=1.8メートル」ですから、百間だと180メートルですけども、実際は140メートル程度なんですが、これはお堂を家事から守るという知恵なんです。東で火事があっても西側に燃え移らないように、その逆も然りですが、お堂を離して建てた結果、この長い廊下が生まれたんです。
ユージ・吉田:
へえ~。
柴田:
ここを磨くということは大事な修行の一つであり、磨くとき雑巾と一つになる、それもまた坐禅に通じることなんです。
吉田:
これだけ綺麗な廊下を歩かせていただくと、我々の心もピカピカになったような気持ちになりますね。
ユージ:
ご用意いただいたスリッパで歩いてますが、無意識に歩き方も気にしています。いつもなら、ざっ、ざっと歩いてしまいますが、今はちゃんと足を上げながら歩いてる。
柴田:
修行道場ですから、基本的には無駄な音は立てない。ですから、スリッパで歩くときも、余計な音は立てないように歩いていますね。
ユージ:
長い廊下すべてに窓があって、見える景色が本当に美しいですね。かっこいい建物もたくさんあって。
吉田:
緑もたくさんありますね。
柴田:
自然と一体となった總持寺の良さの一つだと思います。
吉田:
歴史を感じますね。
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