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總持寺 世界禅Challenge とは
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ユージ
吉田明世
ONE MORNING NEW TREND ONEでは、
毎月第3月曜日に “總持寺 世界禅Challenge” を特集!
全国で開催されるイベントを応援するとともに、
JFN各局でも “世界禅Challenge” を特集した企画をお届けしていきます。
【Vol.4】NEW TREND ONE × 總持寺 世界禅Challenge
2023.12.18 / TOKYO FM
吉田:
ゲストにお迎えしたのは、愛知専門尼僧堂(あいちせんもんにそうどう)講師で、東京都荒川区にある正覚寺(しょうかくじ)のご住職でもいらっしゃいます、山田悠光(やまだゆうこう)さんです。
ユージ:
山田さんはもともと、キリスト教のカトリック教徒として修道院でシスターをされていたそうですね?そこから、どのようなきっかけがあって曹洞宗の僧侶になろうと思ったんでしょうか?
山田:
大学時代、友人の誘いでカトリックの教会に通うようになり、信仰を深めるべく修道院に入りました。
シスターとなって、修道院での生活は非常に充実した毎日でしたが、ある日、宗教交流のテーマで坐禅の話を聞きました。そのことがどこか心に引っかかって、坐禅を学びたいと思いました。
吉田:
宗教交流というものもあるんですね。
山田:
そうですね、カトリックだけでなく、仏教やイスラム教など、色々な宗教者が交流している会があります。
当時、修道院で坐禅を学ぶことは出来なかったため、一大決心をして愛知専門尼僧堂の扉を叩きました。はじめは、坐禅を学ぶだけのつもりでしたが、堂長の青山俊董(あおやましゅんどう)老師に出逢い生涯をかけて仏道を歩む決心をして、曹洞宗の僧侶になりました。
吉田:
具体的にどういったところに魅力を感じられたのでしょうか?
山田:
はじめは坐禅の魅力を理解したからではなく、直感的に惹かれて改宗したんだと思います。
シスターの頃は修道服を着ており、頭にはベールを被っていました。これを被ると、耳が聞こえづらくなり、視界が非常に狭くなり、口もなかなか開きづらくなるんです。つまり、修道院での祈りの特徴は、世間での悪いことを見ず言わず聞かず、自分の身と心の全てを神様に向けて祈ることに集中する、ということにあると思います。
そうした祈りの作法は、清らかな神様だけに集中するという意味で、素晴らしいスタイルだと思います。
一方、坐禅というのはある意味正反対なんです。耳、目、鼻、口などの身体の感覚をオープンにすることを前提としています。
ユージ:
五感をオープンにするというのは、具体的にどういうことなんでしょうか?
山田:
坐禅中に、実は私たちは周りの環境の全てと平等につながるんです。曹洞宗の坐禅は「目はすべからく常に開くべし」なんです。目には自然に物が映り、耳には音が聞こえ、鼻には香りがするように、五感を制限することなく、一切の造作をしないで、今ここの事実をありのまま受け止めて坐るのが坐禅です。
良い悪いをはっきり分けて良い方だけを取るのでなく、両方を包み込む大きさ、おおらかさ、そのような坐禅に対して直感的に魅力を感じたのかもしれません。
ユージ:
素敵ですね。ちょっと今、意識してます。
吉田:
五感をオープンにしていますか?
ユージ:
今だったらなんでも受け入れられると思う。耳もそうだし、鼻から来る香り、目から見える吉田さんの据わった目。
吉田:
据わった目…(笑)
ユージ:
色んなものを…五感をオープンにして…
吉田:
そしたら、明日からはより集中できますかね。
ユージ:
グサッ(笑)
山田:
私たちは日常生活の中で、好き・嫌いというのが誰でもあると思うんですけど、好きも嫌いも全部が自分の事実なんですね。今ここの、ありのままの事実です。好きとか嫌いとかを分ける前に、ありのままの事実の中で坐るというのが、坐禅の特徴です。
ユージ:
嫌なことを排除していくのではなく、良いことも嫌なこともすべて受け入れて自分の中に落とし込んでいくということ。
山田:
それが今、このかけがえのない時間、私の事実だからですね。
吉田:
ユージさんがスルーされるのも、事実だということですね。
ユージ:
事実…。だから僕はそれに対して一度もごねたことはないんですよ。どれだけスベり散らかして、吉田さんが盛大にスルーして次の話題に行っても、スンって受け入れてるんですよ。「これも現実だ、俺がスベったんだって」
吉田:
もうちょっとね、成長できるといいんですけど。
ユージ:
そうだね、成長してスベらなくなるのが一番いいんだけど(笑)
山田:
でもスベるのも、ありのままの事実なんですよね。
ユージ:
そうですよね!
吉田:
いや、スベるって言われちゃってますから。
3人:
(笑)
ユージ:
おっしゃるとおり、それもありのままですもんね。いいんです、面白いこと言おうと思ってスベっちゃうのも、ありのままなんです。
吉田:
月イチペースで坐禅の魅力やポイントを伺っていると、「本格的に坐禅を体験してみたい!」という方もいらっしゃるかもしれません。
總持寺では、来年2024年5月に瑩山禅師(けいざんぜんじ)没後700年の記念行事開催に向け、坐禅の魅力を体験してもらうイベントが全国各地で開催中です。
次回は年明け、1月7日、岡山県で行われるそうですね?
山田:
はい、次回は岡山県の洞松寺(とうしょうじ)で開催いたします。
この洞松寺は、半分以上の僧侶が海外にルーツのある外国人で、「あらゆる違いを超えてひとつになる」という宗教や宗派などを超えたプロジェクトであることを感じていただけるのではないかと思います。
ぜひ、公式ホームページのリンクから特設Webサイトをご覧ください。また、全国各地で行うイベントの最新情報は、總持寺の公式インスタグラムやYou Tubeをフォローチェックして下さい。
ユージ:
山田さん、ありがとうございました!
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