ON AIR REPORT オンエアレポート

5月6日 ショパン全149曲演奏会より

2012.05.22


5月第1週目は、3日に東京オペラシティで行った「横山幸雄“入魂のショパン” ―ショパンの遺志を追い求めて―」の演奏会の模様を振り返ってお送りしました。今年で3回目となるゴールデンウィークのショパンの全曲演奏会。毎回少しずつ形を変えていますが、今回は初めての試みとして、ショパンのピアノ協奏曲のソロバージョンを取り上げました。第1番、第2番、ともに当日の「朝の部」で演奏しました。

ピアノ協奏曲の醍醐味は、なんといってもピアノとオーケストラの掛け合いにあると思いますが、今回はソロバージョンということで、全て一人で演奏しました。つまり、ピアノの華やかなソロパートで盛り上がったところで、さらにそれを受けるオーケストラパートも自分で演奏する・・・両方を担当するというのは弾いていて楽しいのですが、なかなか大変でした!!ソロバージョンではなく通常のオーケストラバージョンで演奏する際、混乱しないように頭を切り替える必要がありそうです。

さて、今回のソロバージョンですが、ショパン自身も演奏していたことが知られています。おそらく当時の人たちは、オーケストラバージョンよりも、こちらの方をよく聴いていたんじゃないかなとショパンが生きていた時代に想いを馳せながら演奏しました。また、現在残っている2つのピアノ協奏曲は、実はいずれもショパン自身のオーケストレーションではないのではないか、という説もあります。つまり他の人の手によってオーケストレーションされた可能性が示唆されています。ただ今回こうしてソロバージョンを演奏してみて、僕自身は、やはりこれはショパンが書いた作品だろうという気がしています。いろいろな発見もあり、良い経験になりました。演奏会にお越し頂いた皆様、そしてラジオを通してお聴き頂いた皆様、どうもありがとうございました!


【オンエア楽曲】
♪M1 ショパン《ピアノ協奏曲第1番》より第3楽章(ソロバージョン)
   演奏:横山幸雄(2012年5月3日、東京オペラシティでのライブ録音より)
♪M2 ショパン《ピアノ協奏曲第2番》より第1楽章(ソロバージョン)
   演奏:横山幸雄(2012年5月3日、東京オペラシティでのライブ録音より)

横山幸雄 “入魂のショパン”  いよいよ始まりました!

2012.05.03


「横山幸雄“入魂のショパン” ―ショパンの遺志を追い求めて―」

本日5月3日、朝8時から夜11時まで、ショパンの作品 全149曲を演奏します!

午後2時から4時30分までは
TOKYO FM ホリデースペシャル "ショパン・ポイント・ラブ・フロム・ユキオ・ヨコヤマ"
の番組中に、演奏の様子を生中継でお送りします。
皆様からのメッセージもご紹介しますので、ぜひ 右側のメッセージフォームからお寄せください。




4月29日 「横山幸雄“入魂のショパン”」 直前スペシャル②

2012.04.30


先週に引き続き、今夜はあと3日後にせまった「横山幸雄“入魂のショパン” ―ショパンの遺志を追い求めて―」直前スペシャルということで、コンサートの構成や、内容、ショパンの楽曲の魅力について改めてご紹介しました。
今年はショパンの作品番号がついたピアノのソロ作品全147曲、それに2曲のピアノ協奏曲のショパン自身の手によるソロヴァージョンを加えた、全149曲を演奏いたします。現在、本番当日に向けて準備を進めているところですが、昨年のショパン全212曲演奏会以来、久々にふれる作品も結構たくさんあり、指が忘れていたり、準備をしてもしても、あの曲はどうだったかな?と夜寝ていてもショパンに追い回される・・・そんな日々を送っています。

今回は、朝7時半に会場、「朝の部(朝8時〜午後0時10分)」は、記念すべき作品1の<ロンド>からはじまり、20歳前後の非常に若い時期のものを中心に取り上げます。ここで2曲のピアノ協奏曲ソロヴァージョンも演奏いたします。続く「昼の部(午後0時50分〜3時10分)」では、20代前半から半ばまでの作品を中心に取り上げます。二十歳で祖国ポーランドを旅立ち、まずはウィーンへ向かうショパン。しかし社会情勢の変化から演奏活動もままならず、ショパンにとって初となる大きな試練と直面した時期でもあります。そして翌年ようやくパリへたどり着き、そこで作曲家として大きく花開いて行きます。
「夕べの部(午後3時40分〜6時25分)」では、20代後半から30代始めという、ショパンが心身ともにとても充実していた時期の作品を取り上げます。幼なじみのマリア・ヴォジンスカとの再会、婚約、そして別れを経験し、また一方で女流作家のジョルジュ・サンドと出会い、その後10年弱ともに過ごす事になります。病弱だったショパンはサンドの献身的な愛情に支えられ、作曲活動も充実し、傑作を生み出して行きます。そして最後の「夜の部(夜7時05分〜夜11時)」では、30代半ばから最晩年までという、作曲家ショパンの絶頂期・円熟期の作品を取り上げます。傑作が多数書かれる一方で、サンドとの中には徐々に亀裂が入っていき最終的には別れに至ります。また体調も悪化し、さらに父や親友など身近な人の死など、不幸な出来事が襲います。

ショパンの作品は、どの時代のものを聴いても、「ショパンらしいな」と感じるかと思いますが、若い頃の作品から順に聴いていくと、晩年の作品には、光と影が交錯するような、複雑な要素が絡み合った感じをより一層受けられるのではないでしょうか。一日で味わうショパンーー作品のそうした年代ごとの変化も聴いて頂ければと思います。今年で3年目となるゴールデンウィークのショパン全曲演奏会。聴きにきて下さるお客様がいるからこそ、こうして毎年続けていけるのですが、僕にとっても一年に一度の非常に貴重な機会で、ショパンに対峙する日でもあります。このような機会を続けてもつことで、ショパンの真髄に近付いていければと思います。15時間の長丁場。ご都合のつく方はぜひ会場にいらして頂き、ショパンの作品とともに人生を堪能して頂ければと思います。

★ 横山幸雄“入魂のショパン” ―ショパンの遺志を追い求めて―
日時:5月 3日 (木・祝)、朝8時〜夜11時(朝8時開演、夜11時終演の4部制)
場所:東京オペラシティ
*ショパンが自ら作品番号を付して世に送り出した147曲に加えて、横山幸雄自身も初めて演奏する「ピアノ協奏曲第1番、2番」のソロ・ヴァージョンを取り上げます。
※当日券も若干のご用意があります。

★当日は、午後2時から4時半までは、「TOKYO FMホリデースペシャル ショパン・ポイント・ラヴ・フロム・ユキオヨコヤマ 横山幸雄 ”入魂のショパン“―ショパンの遺志を追い求めて― 全149曲」として、生中継されます。こちらもどうぞお楽しみに♪


【オンエア楽曲】
♪1 ショパン《12の練習曲集 op.25》より 第1番 「エオリアンハープ」
 ピアノ:横山幸雄(「横山幸雄 プレイエルによるショパン・ピアノ独奏曲全曲集6」より)
♪2 ショパン《ワルツ 第5番「大円舞曲」op.42》
 ピアノ:横山幸雄(「横山幸雄 プレイエルによるショパン・ピアノ独奏曲全曲集9」より)
♪3 ショパン《3つのマズルカ op.59》より 第1曲
 ピアノ:横山幸雄(昨年のショパン全212曲のライブ録音より)

4月22日 「横山幸雄“入魂のショパン”」 直前スペシャル①

2012.04.26


いよいよゴールデンウィークが近付いてきました。今年もGWはショパンです!
今週、来週と来月3日に行われる「横山幸雄“入魂のショパン” ―ショパンの遺志を追い求めて―」のコンサートに向けて、改めてショパンの楽曲の魅力に迫りたいと思います!ショパンの全曲演奏会も今年で3回目となりました。第一回目のショパン生誕200年の2010年には作品番号が付けられたものと代表的な遺作を含めた166曲、第二回目の去年は遺された全ての作品212曲と、毎年少しずつ内容が異なります。そして今年2012年は、ショパンが生前に自身の意志で作品番号をつけた147曲に加えて、ピアノ協奏曲 第1番&第2番のソロヴァージョンの、計149曲を演奏いたします。ショパンは、自身が気に入らない作品は途中で破棄したり、完成させても発表しなかったり・・・自分に厳しい面がありました。反対に考えると、作品番号が付けられたものは、自信作で、ショパンが自らの意志で世の中に遺したかった作品といえるでしょう。今年はop.1からop.64まで作品番号順に演奏いたします。例年通り4部構成ですが、朝8時に始め、夜11時には終わる予定です。

今年の特徴は、なかなか演奏される機会のない、ピアノ協奏曲のソロヴァージョンを取り上げる点でしょう。作品番号としてはop.11が第1番、op.21が第2番になります。僕自身、何度もオーケストラとは共演したことのある作品ですが、ソロヴァージョンは初めてです。この2曲のピアノ協奏曲、実は第1番よりも第2番の方が先に作曲されています。ただ出版された順番が逆になってしまったため、現在のような順序になっています。非常に繊細でロマンティックな第2番に比べ、華やかで堂々とした風格をもつ第1番の方が日本で演奏される機会も多いように思います。この第1番のピアノ協奏曲は、ショパンが20歳で故郷ワルシャワを旅立つとき、告別演奏会でショパン自身のピアノによって初演された作品です。5月3日の演奏会では、2曲とも朝の部で演奏いたします。今回取り上げるソロヴァージョンは、ショパン自身がオーケストラの部分をピアノで演奏できるように書き記しているのですが、楽譜を見ると決してピアノが弾きやすいようには書かれていません。ショパンにとっては、もちろん私的な演奏会でソロで演奏できるように、という意味もあったでしょうが、別の意味として、後にオーケストレーションするときの一つの手がかりになるように、いろいろな音を頭に思い描いて、とりあえず覚え書きのように楽譜に書き留めていたのではないかという気がします。ショパン自身も演奏していたであろう、ピアノ協奏曲のソロヴァージョン。今年の聴き所です。ぜひ会場にお越し頂き、一日かけてゆっくりショパンの人生を堪能していただければと思います。どうぞ楽しみに♪


【オンエア楽曲】
♪1 ショパン<12の練習曲集 作品10>より 第10番,11番,12番
 ピアノ:横山幸雄
    (「横山幸雄 プレイエルによるショパン・ピアノ独奏曲全曲集1」より)
♪2 ショパン《ピアノ協奏曲第1番》より第3楽章
 指揮:大友直人、大阪フィルハーモニー交響楽団、ピアノ:横山幸雄
    (1991年「ショパン:ピアノ協奏曲第1番」より)

【横山幸雄の今後の予定】
★ 横山幸雄“入魂のショパン” ―ショパンの遺志を追い求めて―
日時:5月 3日 (木・祝)、朝8時〜夜11時(朝8時開演、夜11時終演の4部制)
場所:東京オペラシティ
*ショパンが自ら作品番号を付して世に送り出した147曲に加えて、横山幸雄自身も初めて演奏する「ピアノ協奏曲第1番、2番」のソロ・ヴァージョンを取り上げます。


4月15日 春の音楽

2012.04.26


季節は春!ということで、「春」にまつわる音楽をご紹介しました。「春」をテーマにした音楽作品はたくさんあるわけですが、特にヨーロッパの作曲家にとって春はとりわけ思い入れの強い季節なのかなという気がします。長い冬が終わり春を待ちわびるもの、春の喜びを歌ったもの、春の気分を表現したもの・・・等いろいろありますが、まず1曲目にご紹介したのはシューマンの<春>。31歳の頃の作品で、前年1840年に苦難の末クララとも結婚し、自身の人生もまさに「春」という時期と重なります。春にふさわしく、躍動的な作品ですね。続いてご紹介したのはシューマンの先輩にあたるシューベルトの歌曲です。9つの交響曲やピアノソナタも有名ですが、なんといっても「歌曲王」と呼ばれるシューベルト。「春の歌」「春の寄す」「春の夢」「春に想い」「春に」など、「春」にまつわる作品をたくさん遺しています。そして最後にご紹介したのは、番組では初めて取り上げましたが、フランス近代の作曲家、ダリウス・ミヨー(1892-1974 作曲家、指揮者、ピアニスト)の作品です。オネゲルやプーランクらと同じく20世紀初めにフランスで活躍し、それまでの音楽とは違う、新しい音楽を求めて様々な実験的な作品が書かれていた時代の作曲家の一人です。ドビュッシーやラヴェルよりも、さらに一世代若い音楽家たちです。楽しい作品が多いミヨーですが、この作品も聴いていてとても楽しい印象を受けます。とてもフランスらしい雰囲気のある曲で、なんとなく古き良き時代のフランスを感じさせてくれるような気がします。
それぞれの作曲家の春に対する想いは違うと思いますが、やはり他のシーズンに比べて圧倒的に多くの曲が書かれているのがこの「春」です。みなさんにとって「春」にぴったりの曲はどんな音楽でしょうか?


【オンエア楽曲】
♪M1 シューマン《交響曲第1番「春」》より第1楽章
   指揮:レナード・バーンスタイン指揮、ニューヨーク・フィルハーモニー
♪M2 シューベルト 歌曲《冬の旅》より第11曲<春の夢>、
   テノール:エバーハルト・ビュヒナー、ピアノ:ノーマン・シェトラー
♪M3 ミヨー《四季》より<春の小協奏曲>  
   指揮:ダリウス・ミヨー、ヴァイオリン:シモン・ゴールドベルク、ラムルー管弦楽団 


【横山幸雄の今後の予定】
★ 横山幸雄“入魂のショパン” ―ショパンの遺志を追い求めて―
日時:5月 3日 (木・祝)、朝8時〜夜11時(朝8時開演、夜11時終演の4部制)
場所:東京オペラシティ
*ショパンが自ら作品番号を付して世に送り出した147曲に加えて、横山幸雄自身も初めて演奏する「ピアノ協奏曲第1番、2番」のソロ・ヴァージョンを取り上げます。

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