ON AIR REPORT オンエアレポート

8月26日 9月9日 オール・リスト・プログラム

2012.08.31


8月最終週は、来月9月9日にせまった『オール・リスト・プログラム 第2弾』の内容や曲目についてご紹介しました。毎年恒例となっているオペラシティ夏のリサイタル。今年は昨年に引き続きリストを取り上げます!『オール・リスト・プログラム 』は13時開演ですが、終演後、16時半からは「追加公演」も決定しております!昨年はじめて皆様の前で演奏させて頂いた《超絶技巧練習曲》全曲、そして今回は公開演奏会で取り上げるのは初となりますが、《ハンガリー狂詩曲第2番》を演奏いたします。

『オール・リスト・プログラム 第2弾』、今年も三部構成でプログラムを組みました。
第一部:4つの重要な練習曲集より5曲を抜粋、加えてメフィスト・ワルツという、技巧的な作品
第二部:ポーランド、ハンガリー、スペインという周辺諸国に関連した、異国情緒漂う音楽
第三部:リスト唯一にして超大作のソナタ
皆様と楽しい時間を過ごせたらと思います。どうぞご都合のつく方は、ぜひ足をお運びください


★ 鮮烈のオール・リスト・プログラム 第2弾!
日時:9月9日、午後1時開演
会場:東京オペラシティ・コンサートホール
曲目:ラ・カンパネラ、マゼッパ、メフィスト・ワルツ、ラコッツィ行進曲、スペイン狂詩曲、ソナタ他

★ハンガリー狂詩曲2番&超絶技巧練習曲全曲
日時9月 9日 (日)、午後4時半開演
会場:東京オペラシティ・コンサートホール
曲目:ハンガリー狂詩曲2番&超絶技巧練習曲全曲


【オンエア楽曲】
♪M1 リスト《メフィスト・ワルツ第1番》
  ピアノ:エフゲニー・キーシン
♪M2 ショパン/リスト《6つのポーランドの歌》より<乙女の願い>
  ピアノ:横山幸雄
♪M3 リスト《ハンガリー狂詩曲第2番》
  ピアノ:アルカディ・ヴォロドス

8月12日&19日 ゲストは青柳晋さん&近藤嘉宏さん

2012.08.31


8月第2週、第3週は、スペシャルゲストとして僕も普段から仲良くさせて頂いているピアニストお二人にお越し頂きました。お二人とはこれまでも「3大ピアニスト」シリーズで何度も共演させて頂いていますが、今年も9月、10月と共演いたします。演奏曲目は、モーツァルト《2台のピアノのためのソナタより》第1楽章、ルトスワフスキ―《2台ピアノによるパガニーニの主題による変奏曲》、ラフマニノフ《組曲 第2番》より<タランテラ>、その他それぞれのソロも演奏いたします。ご都合のつく方は、ぜひ足をお運びください。

ピアノでの共演とは違い、こうしてお互いにじっくり音楽について語る機会はあまりなかったので、とても新鮮で楽しかったです!ピアノを始めたきっかけ、ピアニストを意識した時期、お互いの最近の活動、そしてピアノ教育論、指導法・・・と話題はつきず、もし機会があったらぜひ3人でトーク会でもやりたいね、なんて盛り上がりました。お二人とも2週にわたり、どうもありがとうございました!

<プロフィール>
青柳晋
幼少期は海外で過ごし、小学校4年で帰国。その後、桐朋学園高校・大学に進学、さらにベルリン芸術大学へ留学。約10年をベルリンで過ごす。ロン=ティボー・コンクールに入賞後、ヨーロッパとアメリカで活動を始める。帰国後、現在は東京藝術大学准教授として後進の指導に当たりながら、幅広く演奏活動を展開。

近藤嘉宏
4歳からピアノを始める。桐朋女子高等学校(共学)を経て桐朋学園大学を卒業。1992年ミュンヘン交響楽団との共演でデビューし好評を博す。1995年、日本で正式にデビュー。これまでに20枚を超えるアルバルもリリース。現在、ソロ・リサイタルだけでなくオーケストラとの共演でも幅広く活躍。


【今後の予定】
★第8回ショパン国際フェスティバル in ジャパン 3大ピアニスト 名曲ショパン
日時:9月 15日 (土)、午後2時〜4時
場所:軽井沢大賀ホール
共演:青柳晋、近藤嘉宏、加羽沢美濃、横山幸雄

★3大ピアニスト 名曲コンサート
日時:10月 13日 (土)、午後4時〜6時
場所:かつしかシンフォニーヒルズ モーツァルトホール
共演:青柳晋、近藤嘉宏、加羽沢美濃、横山幸雄


*青柳晋さんの今後の予定
★リストのいる部屋 Vol.7
日時:12月25日(火)、午後7時開演
場所:浜離宮朝日ホール
曲目:フォーレ:ノクターン 第1番、第2番、第4番、第6番
   リスト:詩的で宗教的な調べ 第7曲「葬送」
   フォーレ:ノクターン 第9番、第10番、第11番、第13番
   リスト:詩的で宗教的な調べ 第1曲「祈り」、ハンガリー狂詩曲 第10番

*近藤嘉宏さんの今後の予定
★フレッシュ名曲コンサート 宮本文昭 指揮 東京交響楽団 with 近藤嘉宏
日時:9月2日(日) 午後2時開演
場所:東京芸術劇場コンサートホール
曲目:ラフマニノフ:ピアノ協奏曲 第2番 ハ短調 Op18 第2楽章
    ショパン:ピアノ協奏曲 第1番 ホ短調 Op11 第1楽章 ほか

★西本智実&日本フィルハーモニー交響楽団with近藤嘉宏
日時:2012年10月8日(月・祝)午後3時開演
場所:大田区民会館 アプリコ大ホール
曲目:ラヴェル《ピアノ協奏曲》


【オンエア楽曲】
*12日
♪M1 ショパン《ノクターン第17番》op.62-1
 ピアノ:青柳晋
♪M2 ショパン《ポロネーズ第6番「英雄」》op.53
 ピアノ:近藤嘉宏

* 19日
♪M1 ラフマニノフ《海曲第2番》より<タランテラ>
 ピアノ:青柳晋、横山幸雄
♪M2 ショパン/横山幸雄編曲 《別れの曲によるお別れの曲》
 ピアノ:近藤嘉宏、青柳晋、加羽沢美濃、横山幸雄

8月5日 東欧の作曲家

2012.08.31


毎回いろいろなテーマで音楽家や作品を紹介していますが、8月第1週はこれまであまりご紹介する機会がなかった、東ヨーロッパ、とくにチェコ出身の作曲家に注目し、いくつか作品をご紹介しました。

まずは、「チェコ国民楽派の祖」と呼ばれるスメタナ(1824-1884)の代表作、交響詩《モルダウ》をお聴き頂きました。ヴルタヴァ川(モルダウ川)の、源流近くからプラハを流れ、エルベ川へ合流するまでの川の様子が描写されています。スメタナは、チェコの作曲家・指揮者・ピアニストで、ご紹介した《モルダウ》を含む一連の6つの交響詩から成る『わが祖国』が特に広く知られています。そして同じくチェコ出身のドヴォルザーク(1841-1904)、ヤナーチェク(1854-1928)を取り上げました。

今回のご紹介したスメタナ、ドヴォルザーク、ヤナーチェクの活躍した時代は、ちょうど19世紀後半で、ロマン派が終わり、徐々に次の新しい時代に移り変わろうとしていた時代です。それまで音楽の中心は西ヨーロッパだったのに対して、周辺諸国の音楽家が目覚ましい活躍をみせはじめた時代でもあります。ハンガリー出身のリストやポーランド出身のショパンなどが最初期といえるでしょう。交通網の発達も影響し、西ヨーロッパ以外の国々からぞくぞくと優れた作曲家が出現してきます。ロシアのチャイコフスキー、ノルウェーのグリーグ、フィンランドのシベリウス、さらにその次の世代になると、ハンガリーのバルトーク、ブラジルのヴィラ=ロボス、スペインのファリャ、アルゼンチンのピアソラなど、より地域も広がっていきます。同じ東欧の出身であってもショパンの音楽からは民族的な要素を感じつつも、土着的なものになり過ぎず、ポーランド的な要素は少し削られているような印象をうけます。それに比べると、スメタナやヤナーチェクなどはより意識的に民族性を強く打ち出そうとしたように感じます。


【オンエア楽曲】
♪M1 スメタナ 交響詩《モルダウ》
  指揮:ヘルベルト・フォン・カラヤン、ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団
♪M2 ドヴォルザーク《スラヴ舞曲集》op.72-2
  ピアノ:ラヴェック姉妹
♪M3 ドヴォルザーク《ピアノ・トリオ「ドゥムキ」》第5楽章

♪M4 ヤナーチェク《シンフォニエッタ》第1楽章
  指揮:クラウディオ・アバド、ロンドン交響楽団

7月29日 夏休み特別企画:横山幸雄レッスントーク

2012.08.13


7月最終週は、夏休み特別企画として、普段からピアノのレッスンを通して交流のある3人を迎え、いつものレッスンの様子や、ピアノにまつわるいろいろなお話をしました。お迎えしたのは、安部さん、岸田さん、籾山さん。3人とも上野学園大学の出身で、僕のピアノのレッスン生です。すでに3人とも大学は卒業していますが、久々に当時に戻ったような感じで、楽しいひと時でした!

【オンエア楽曲】
♪M1 ラヴェル《夜のガスパール》より第3曲 <スカルボ>
  ピアノ:横山幸雄
♪M2 ラヴェル《ヴァイオリンソナタ》より 第1楽章
  ヴァイオリン:矢部達哉、ピアノ:横山幸雄
♪M3 ルクー《ヴァイオリンソナタ》より第1楽章
  ヴァイオリン:矢部達哉、ピアノ:横山幸雄


7月22日 ドメニコ・スカルラッティ

2012.08.13


7月第4週は、7月23日が命日のスカルラッティを特集しました。バッハやヘンデルと同じ1685年生まれで、イタリアを代表するバロック音楽作曲のドメニコ・スカルラッティ(1685〜1757)は「近代クラヴィーア奏法の父」と称されるバロック器楽曲の巨匠です。なんといってもスカルラッティの功績は、550曲にもおよぶソナタを遺したことだと思いますが、今夜はあわせて「ソナタ」についてもご紹介しました。

スカルラッティはイタリア・ナポリ生まれ。当時のイタリアといえば、当時はモンテヴェルディやヴィヴァルディなどが活躍していた時代です。スカルラッティはチェンバロのための様々な作品を遺しています。代表曲である550曲を越えるチェンバロのためのソナタは、もともとは、ポルトガル王女マリア=バルバラ(後にスペイン王妃)の教育目的で作曲された練習曲群です。スカルラッティは後に王女に追随してスペインへ渡ります。
ところで、「ソナタ」とは、スカルラッティが活躍したバロック時代においては「器楽曲」という位の意味で使われていました。スカルラッティのソナタは二部形式を中心としていますが、比較的自由な形式で書かれています。その後古典派の時代になると、「ソナタ形式」が発展し、ピアノというジャンルはソナタ真っ盛りいう時代に突入していきます。ピアノソナタの大家といえば、なんといっても1732年生まれのハイドン。学習曲としてもハイドンのソナタは有名ですね。大抵の方がソナチネから入り(ソナタの小さいもの)、本格的なピアノソナタへ移行すると思いますが、その初期に勉強するのがハイドンのソナタではないでしょうか。そのハイドンに作曲を習っていたのがベートーヴェンで、最初の3つのソナタはハイドンに献呈しています。ピアノという楽器の発展に伴いさらに飛躍的なスケールの大きな作品となっていきます。そしてロマン派の時代になると、ソナタは作曲家にとってここぞという大事なときの大曲へと位置付けも変化していきます。ショパン、シューマン、ブラームスもソナタを遺していますが、曲数は決して多くありません。近代ではプロコフィエフ、スクリャービンもソナタを書いていますね。ソナタといってもソナタ形式の要素しか感じられないもの、古典派のきちっとしたソナタ、ロマン派は満を持して書くものへ・・・このように、ソナタというあり方も変わって行ってきているのが面白いですね。


【今後の予定】
★ 鮮烈のオール・リスト・リサイタル 第2弾!
日時:9月9日、午後1時開演(13:00〜15:00)
会場:東京オペラシティ・コンサートホール
曲目:ラ・カンパネラ、マゼッパ、メフィスト・ワルツ、ラコッツィ行進曲、スペイン狂詩曲、ソナタ他

★ハンガリー狂詩曲2番&超絶技巧練習曲全曲
日時9月 9日 (日)、午後4時半開演(16:30〜18:30)
会場:東京オペラシティ・コンサートホール
曲目:ハンガリー狂詩曲2番&超絶技巧練習曲全曲
(お問い合わせ:後援会事務局TEL/FAX.03-3784-5040)

【オンエア楽曲】
♪M1 スカルラッティ《ソナタ ロ短調 K.87 》
  ピアノ:イーヴォ・ポゴレリチ
♪M2 ハイドン《ピアノ・ソナタ 第37番》より第1楽章
  ピアノ:アルフレッド・ブレンデル
♪M3 プロコフィエフ《ピアノ・ソナタ第7番 変ロ長調》作品83より第3楽章
  ピアノ:上原彩子

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