ON AIR REPORT オンエアレポート

4月14日&21日 ゲストは篠崎史紀さん!

2013.04.29


【篠崎史紀さんのプロフィール】
愛称 "まろ"。 NHK交響楽団第1コンサートマスター。3歳より両親の手ほどきを受ける。15歳の時に毎日学生音楽コンクール全国第1位。北九州市民文化賞を史上最年少で受賞。高校卒業と同時にウィーン留学。1881年、ウィーン市立音楽院に入学。1882年、コンツェルト・ハウスでコンサート・デビューを飾り、その後ヨーロッパの主要なコンクールで数々の受賞を果たす。1984年、アメリカのワシントンで開催されたタコマ国際音楽祭においてアメリカ・デビューを果たす。
以来、オーストリアを中心として、様々な国際音楽祭に招聘され、ヨーロッパ、アジア、アメリカで幅広い活動を行っている。1988年帰国後、群馬交響楽団、読売日本交響楽団のコンサートマスターを経て、1997年 NHK交響楽団のコンサートマスターに就任。以来、"N響の顔"として、ソリスト、室内楽奏者、指導者として、国内外で活躍中。
演奏活動の傍ら、東京ジュニアオーケストラ・ソサイエティ、iichikoグランシアタ・ジュニア・オーケストラの芸術監督を務める他、CD13枚他、ヴァイオリン小品集「MARO’s Palette」(監修)、エッセイ「ルフトパウゼ ウィーンの風に吹かれて」が出版されている。2001年福岡県文化賞受賞、北九州文化大使、桐朋学園非常勤講師、昭和音大客員教授。WHO国際医学アカデミー・ライフハーモニーサイエンス評議会議員。
==============================

4月第2週、3週目は、マロさんこと、ヴァイオリン奏者の篠崎史紀さんをゲストにお迎えして、ウィーン留学のきっかけや、NHK交響楽団のコンサートマスターとしてのお仕事、さらにマロさんプロデュースのコンサートの企画や室内楽のセミナーなどについて、じっくりお話を伺いました。実は僕はマロさんのお父様、そして息子さんとも知り合いということで、三世代にわたって仲良くさせて頂いています。普段あまりじっくり音楽の話はできないので、こうしてラジオを通してマロさんといろいろなお話ができて、本当に楽しい時間となりました。マロさん、ありがとうございました!

マロさんとは5月25日、共演させて頂くことになっています。
◎「横山幸雄のまるごとベートーヴェン〜苦悩から歓喜へ〜 みんなで歌おう“歓喜の歌”」
日時:5月25日(土)、午後1時半開演
場所:(千葉県) 成田国際文化会館
共演:篠崎史紀(ヴァイオリン)、上村文乃(チェロ)
問い合わせ先:成田国際文化会館(TEL:0476-23-1331  FAX:0476-23-1334)

見て、聴いて、参加して楽しめる演奏会です!第一部では、ベートーヴェンのピアノ・ソナタより「月光」と「悲愴」、第二部では、「横山幸雄と連弾しよう」のコーナーもあります。(抽選でお一人様。当日会場受付にて申込用紙にご記入下さい)その他、楽器の紹介、ヴァイオリン・ソナタ「春」より第1楽章、「魔笛の主題による7つの変奏曲」、ピアノ・トリオ「大公」より第1楽章、そして最後はベートーヴェンの交響曲第9番より「歓喜の歌」を皆さんと一緒に歌おう、という試みです。大人から子どもまで楽しめる演奏会になると思います。お時間があれば、ぜひいらして頂ければと思います!



【オンエア楽曲】
*4月14日
♪M1 ジーツィンスキー(篠崎史紀編曲)《ウィーンわが夢の街》
   ヴァイオリン:篠崎史紀、ピアノ:山田武彦
♪M2 ベートーヴェン《荘厳ミサ曲》より<ベネディクトゥス>
   ヴァイオリン:篠崎史紀、オルガン:アントニー・フロガット

*4月21日
♪M1 クライスラー《弦楽四重奏曲》より第3楽章   
    ヴァイオリン:篠崎史紀
♪M2 J.S.バッハ《マタイ受難曲》より<神よ、私を憐れみ給え>
    ヴァイオリン:篠崎史紀、オルガン:アントニー・フロガット


【篠崎史紀さんの今後の予定】
◎ 篠崎史紀(vl)/上原彩子(p) デュオ・リサイタル
ベートーヴェン(ヴァイオリン・ソナタ第9番イ長調「クロイツェル」)/他
日時:6月9日(日)、午後2時 開演
場所:(神奈川県)グリーンホール相模大野 大ホール

◎ “マロとN響フレンズ×ナナシオーケストラ”スペシャル・コンサート 
   〜森 麻季&錦織 健を迎えて
場所:(東京)かつしかシンフォニーヒルズ モーツァルトホール
日時:6月22日(土)、夕方6時 開演
共演:岩村力(指揮) / 森麻季(S) / 錦織健(T)

4月7日 ベートーヴェン特集①

2013.04.29


4月7日は、ベートーヴェンの最も重要な作品の一つ、《英雄》が初演された日です。ベートーヴェンが1804年に完成させた、3番目の交響曲。初演時は、(当時の感覚からすると)あまりに長大で、観客には不評だったそうですが、革新的な作品であり、時代を先取りした音楽だったことは間違いないでしょう。さて、そんなベートーヴェン。音楽史上、最も重要な音楽家の一人であり、僕にとってもショパンと並び重要な演奏の柱の一つです。今年9月を皮切りに大規模なベートーヴェンシリーズを予定しています。今回から数回にわたり、改めてベートーヴェンの生涯と作品を取り上げていきたいと思います。

まず1曲目にご紹介したのは、ベートーヴェンが12歳で初めて出版した作品です。作曲の師匠であるネーフェの勧めで作曲したと言われています。ネーフェが寄稿した1783年の雑誌記事では、ベートーヴェンは「最も将来を嘱望される才能の持ち主である」と紹介され、「第2のヴォルフガング・アマデウス・モーツァルトとなること間違いなし」という賛辞を受けたといわれています。続いてご紹介したのは、13歳になったベートーヴェンの作品、《選帝侯ソナタWoO.47》より第1曲。選帝侯ソナタという名称は、この作品をベートーヴェンの父親がケルン大司教(選帝侯)マクシミリアン・フリードリヒに献呈させたことから、後世つけられたものです。わずか1年の差ですが、ずいぶんとベートーヴェンの作風も進化していった跡が見られるように思います。この曲は、僕にとっても最初に勉強したベートーヴェンの作品の一つです。そしてベートーヴェンが24歳で満を持して「作品1」として世に発表したのが《ピアノ三重奏曲Op.1》です。そして翌25歳、作品2としてピアノ・ソナタを3つ作曲しています。その後は生涯にわたって革新的な作品を作り続けて行くわけですが、こうして改めてベートーヴェンの原点を見つめたり、あまり知られていない作品に光を当てることも重要だなと改めて思いました。


【オンエア楽曲】
♪M1 ベートーヴェン《エロイカの主題による変奏曲とフーガ》
   ピアノ:横山幸雄(『ベートーヴェン12会』より)
♪M2 ベートーヴェン《ドレスラーの行進曲による9つの変奏曲WoO.63》
   ピアノ:ミハイル・プレトニョフ
♪M3 ベートーヴェン《選帝侯ソナタWoO.47》より第1曲、第1楽章
   ピアノ:イェルク・デムス
♪M4 ベートーヴェン《ピアノ三重奏曲Op.1》より第1番、第1楽章
   演奏:スーク・トリオ

3月31日 絵画にまつわる音楽

2013.04.29


3月最終週は、「絵画にまつわる音楽」に注目してお送りしました。1曲目にご紹介したのは、ドビュッシーの1905年の作品、《映像 第1集》。ドビュッシーが活躍した19世紀から20世紀にかけての時代は、美術作品や文学作品にインスピレーションを受けた音楽が生まれ、その一方で、音楽に着想を得て多くの美術作品や文学作品が制作されました。ちょうど万国博覧会も開催され、世界中の文化・芸術の交流が始まった時代でもあり、異文化から影響を受けたものが多くみられます。ドビュッシーが日本の浮世絵やバリのガムラン音楽に影響を受けたことは広く知られています。その他絵画からインスピレーションを受けた音楽作品、描写的な音楽作品には、リスト:《2つの伝説》より<小鳥に説教するアッシジの聖フランチェスコ><波を渡るパオラの聖フランチェスコ>、ラヴェル:《水の戯れ》、シャブリエ:《10の絵画風小品》、ラフマニノフ:絵画的練習曲《音の絵》、ムソルグスキー:《展覧会の絵》などが挙げられるでしょう。絵画的といっても、それぞれの作曲家の捉え方は異なります。絵をそのまま音楽で表すということは不可能なわけで、そこから何かしらのインスピレーションを受け、そこにそれぞれの作曲家の個性・技巧が反映されているといえると思います。


【オンエア楽曲】
♪M1 ドビュッシー《映像 第1集》より<水の反映>
   ピアノ:横山幸雄(1994年『イマージュ』より)
♪M2 ムソルグスキー 組曲《展覧会の絵》より<プロムナード>
   ピアノ:アルフレッド・ブレンデル
♪M3 ムソルグスキー(ラヴェル編曲版)《展覧会の絵》より<プロムナード>
   指揮:アンドレ・プレヴィン、ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団
♪M4 ラフマニノフ《練習曲集「音の絵」op.39》より第5曲
   ピアノ:横山幸雄(2006年『ラ・カンパネラ〜ヴィルトゥオーゾ名曲集』より)

3月24日 スペイン音楽

2013.04.29


3月第4週は、スペインの音楽を特集してお送りしました。スペインといえば、実はちょうど今年は日本とスペインの交流400周年にあたり、2013年から2014年にかけて、様々な分野で両国の交流事業が行われています。

スペインの音楽家といえば・・・アルベニス(1860〜1909)、グラナドス(1867〜1916)、パブロ・カザルス(1876〜1973)、ファリャ(1876〜1946)、モンポウ(1893〜1987)などが有名ですね。またスペイン音楽で外せないのが「ギター」の作品でしょう。タレガ(1852〜1909)の《アルハンブラの思い出》、「現代クラシック・ギター奏法の父」と称されるセゴビア(1893〜1987)や、盲目の作曲家として知られるロドリーゴ(1901〜1999)の《アランフェス協奏曲》など皆さんも一度は耳にしたことがあるのではないでしょうか。

僕にとってスペインは小学校6年生で初めて行った外国でもあります。実際はウィーンに降り立ち、そこからスペインへ回ったのですが、その時に聴いたセゴビアのギターの音色は今でも忘れることが出来ません。セゴビアの亡くなる5年ほど前のことだったと思います。大きな会場で、セゴビアの奏でる郷愁を誘う音に耳を澄ませた記憶があります。それがクラシックギターとの初めての出会いでした。

スペイン音楽は、全体的に物悲しさが漂う中で、光と影が交錯しているような印象を受けます。ヨーロッパの中でもイスラム教文化とキリスト教文化が入り交じった文化的背景が影響しているのかもしれません。ドイツ・フランス・イタリアとは異なる、エキゾチック、オリエンタルなものとして個人的にとても好きなジャンルです。昔作った《ヴァイオリン・ソナタ》第2楽章には、自然とスペイン音楽の影響が表れているかもしれません。ピアノ作品はそれほど多くないのですが、今後ぜひ挑戦してみたいジャンルです!


【オンエア楽曲】
♪M1 グラナドス《スペイン舞曲》より第5曲<アンダルーサ>
   ピアノ:アリシア・デ・ラローチャ 
♪M2 アルベニス《レイエンダ》
   ギター:アンドレス・セゴビア
♪M3 ラヴェル《スペイン狂詩曲》
   指揮:ヘルベルト・フォン・カラヤン、ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団

3月17日 J.S.バッハ特集

2013.04.29


3月第3週目は、3月生まれの作曲家の中からヨハン・セバスチャン・バッハを取り上げました。3月生まれの作曲家といえば、3月1日:フレデリック・ショパン(1810-1849)、3月4日:アントニオ・ヴィヴァルディ(1678-1740)、3月7日:モーリス・ラヴェル(1875-1937)、3月21日:ヨハン・セバスチャン・バッハ(1685-1750)、3月21日:モデスト・ムソルグスキー(1839-1881)、3月31日:フランツ・ヨーゼフ・ハイドン(1732-1809)、さらにスメタナ、J.シュトラウス、テレマン、リムスキー=コルサコフ、バルトークなど・・・いずれも有名な音楽家ばかりですね!

J.S.バッハは18世紀に活躍したドイツの大作曲家。毎週行われるミサのために宗教作品を多く遺していますが、ヴァイオリン、ヴィオラ、オルガンの演奏、さらに即興演奏も素晴らしかったと言われていますし、様々な方面で活躍しました。教育的な作品も多数書いています。ピアノを習ったことがある人は、バッハというと《インベンションとシンフォニア》、《フランス組曲》や《平均律》など弾いた覚えがあるのではないでしょうか。そもそも当時はピアノという楽器ではなくオルガンやチェンバロを想定して書かれた作品ですが、バッハは演奏技法・作曲技法を含め、鍵盤楽器のもつ可能性を飛躍的に発展させた人物ともいえるでしょう。

まず1曲目に取り上げたのは《ゴルドベルク変奏曲》。繰り返しまで含めると、全部で1時間を超える長大な作品です。お聴き頂いた第25変奏は、曲中でも最も深淵で、人間のもつ苦しみが描かれているように感じます。続く第26変奏からは再び徐々に輝かしさを取り戻し、フィナーレに向かっていきます。そして2曲目には、バッハが壮大なスケールをもつ現代ピアノを前にしたらどんな作品を作っただろうか・・・ということを彷彿させるような作品、《シャコンヌ》をご紹介しました。原曲は《無伴奏ヴァイオリンのためのパルティータ第2番(BWV. 1004)》で、それをブゾーニがピアノ用に編曲したものです。J.S.バッハの作品は後世の作曲家に大きな影響を与え、様々な形で編曲されています。オリジナルとはまたひと味違った魅力を味わえると思いますので、興味をもたれた方は、ぜひ他も聴いてみてくださいね。


【オンエア楽曲】
♪M1 J.S.バッハ《ゴルドベルク変奏曲》より第25変奏〜
   ピアノ:横山幸雄
♪M2 J.S.バッハ/ブゾーニ《シャコンヌ》
   ピアノ:横山幸雄

«Prev || ... 39 · 40 · 41 · 42 · 43 · 44 · 45 · 46 · 47 ·... | | Next»