ON AIR REPORT オンエアレポート

8月4日 音楽祭特集

2013.08.23


8月第1週は、「夏の音楽祭」をいくつかご紹介しました。そもそも音楽祭というのは、数日間に渡り、特定の地域(郊外や避暑地など)で集中的に行われるオペラやコンサートなどの音楽行事のことです。海外のみならず日本国内でも、各地で様々な音楽祭が催されます。今年は多くの音楽祭で、生誕200周年ということで、ワーグナーやヴェルディが特集されているところが多いようですね。ワーグナーといえば「バイロイト音楽祭」、歴史のある「ザルツブルク音楽祭」、スイスの「ルツェルン音楽祭」、アメリカの「タングルウッド音楽祭」などありますね。国内の関東近郊では「サイトウ・キネン・フェスティバル松本」や「草津夏期国際音楽アカデミー&フェスティバル」、「軽井沢国際音楽祭」などがあります。

僕も9月21日〜23日に開催される「ショパン国際フェスティバル」の一つとして軽井沢の大賀ホールで「入魂のショパン 全147曲リサイタル」を行います。今回は一日で全てを演奏する形ではなく、4回に分けて演奏いたします。

9月21日(土)第1回 開演10時30分〜終演13時20分(予定)
9月21日(土)第2回 開演14時00分〜終演16時25分(予定)
9月21日(土)第3回 開演17時00分〜終演19時25分(予定)
9月22日(日)第4回 開演9時30分〜終演13時30分(予定)
(お問い合わせ:軽井沢大賀ホールチケットサービス tel.0267-31-5555)

ご都合があえばぜひ足をお運び頂ければと思います。


【オンエア楽曲】
♪M1 ワーグナー《タンホイザー》より序曲
 指揮:ジュゼッペ・シノーポリ、フィルハーモニア管弦楽団
♪M2 ショパン《4つのマズルカ op.41》
 ピアノ:横山幸雄

7月28日 ブラームス:ヴァイオリン・ソナタ

2013.08.23


7月最終週は、ブラームスのヴァイオリン・ソナタを取り上げました。ブラームスはヴァイオリン・ソナタを全3曲遺していますが、いずれも円熟期(46歳〜55歳)に作曲されたもので、ロマン派を代表するヴァイオリン・ソナタの傑作として広く知られています。

ヴァイオリン・ソナタの歴史を振り返ってみると、バロック時代には、独奏ヴァイオリンが旋律を奏し、それに通奏低音の簡単な伴奏がついたもの、というようにヴァイオリンとピアノという二つの楽器が対等な関係ではなくて、どちらかが主で他が従という形式をとっていました。それが徐々に両者が対等な関係でアンサンブルを形成する音楽へと発展していき、その一つの完成形を示したのブラームスの先輩にあたるベートーヴェンです。そしてブラームスのヴァイオリン・ソナタでも、この二つの楽器が実に美しい調和保っています。

今回ご紹介した第2番、第3番は、いずれもスイスのトゥーン湖畔で完成されたといわれています。
2番はどこか不安で落ちつかないな感じがに全体に漂っているような印象を受けます。3番はブラームス自身の晩年の寂しさを感じさせる一方で非常にドラマティックな要素もあり、かつコンパクトにまとまっていて、一番分かりやすい名曲ではないかと思います。3曲いずれも劣らぬ傑作ですが、やはり最後の第3番のソナタが一番聴きやすく、演奏される機会も多いように思いますが、いかがでしたか?

【オンエア楽曲】
♪M1 ブラームス 《ヴァイオリン・ソナタ第2番》より第1楽章
  ヴァイオリン:イツァーク・パールマン、ピアノ:ウラディミール・アシュケナージ
♪M2 ブラームス 《ヴァイオリン・ソナタ第3番》より第1楽章
  ヴァイオリン:オーギュスト・デュメイ、ピアノ:ミシェル・ベロフ


7月14日 ラ・マルセイエーズ

2013.07.28


7月第2週は、7月14日=フランスの建国記念日にちなみ、フランス国歌、<ラ・マルセイエーズ>に関連した作品をご紹介しました。もともとは、行進曲としてマルセイユから集結した義勇兵達によって歌い広められ、後に今日の『ラ・マルセイエーズ』の名で定着した歌ですが、同時代のいろいろな作曲家の手によって編曲、アレンジされています。例えば、シューマン 《ウィーンの謝肉祭の道化 op.26》第1楽章、チャイコフスキー《序曲 1812年 op.49》、ドビュッシー《前奏曲集第2集》終曲などにも使われています。

国歌をもとにした作品は実は他にもいろいろあり、例えばベートーヴェンもイギリス国歌をもとにした変奏曲を書いていますね。作曲家は、自作の中にそっと国歌のメロディーをしのばせることがあります。愛国心や音楽的な興味から引用することもあれば、「革命」、「平和」、「自由」など、何かしらのメッセージを伝えるために用いていることもあるかもしれませんね。

【オンエア楽曲】
♪M1 ルジェ・ド・リール作曲/ベルリオーズ編曲《ラ・マルセイエーズ》
   テノール:プラシド・ドミンゴ、指揮:ダニエル・バレンボイム、
   シカゴ交響楽団、シカゴ交響合唱団
♪M2 ドビュッシー《前奏曲集 第2集》より第12曲<花火>
  ピアノ:横山幸雄
♪M3 ベートーヴェン《イギリス国歌による7つの変奏曲》
  ピアノ:エリカ・ヘルツォーク

7月7日 ベートーヴェン特集③

2013.07.28


7月第1週目は、ベートーヴェン特集第3回目ということで、20代後半の作品を中心にご紹介しました。1曲目にご紹介したのは、ソナタ第19番。この作品は、1805年に出版されたことから「第19番」のタイトルが付けられていますが、作曲されたのは20代後半の頃で、おそらくソナタ第3番と第4番の間に作られたと考えられています。自身によって「やさしいソナタLeichte Sonate」の名がつけられており、他のソナタと比べると、音楽的、技術的にもシンプルで、ピアノ学習者にとっても挑戦しやすい作品といえるかもしれません。2曲目にご紹介したのは、第19番のソナタと対になっているソナタ20番です。若々しいベートーヴェンの魅力にあふれた非常にシンプルな作品です。そして最後にご紹介したのは、「グランド・ソナタ(偉大なソナタ、大きなソナタ)」と書かれたソナタ第4番です。名前の通り長大な作品で、ベートーヴェン初期を代表する本格的なソナタの一つです。
若き巨匠・ベートーヴェンの姿を感じ取ることができるのではないでしょうか。その他にも、この時期にはピアノ協奏曲や室内楽曲、歌曲なども多数遺していますので、次回の特集では、ソナタ以外の作品にもスポットをあててみたいと思います!


【オンエア楽曲】
♪M1 ベートーヴェン《ピアノ・ソナタ第19番 op.49-1》より第1楽章
  ピアノ:横山幸雄
♪M2 ベートーヴェン《ピアノ・ソナタ第20番 op.49-2》より第2楽章
  ピアノ:横山幸雄
♪M3 ベートーヴェン《ピアノ・ソナタ第4番 op.7》より第1楽章
  ピアノ:横山幸雄
             ( 『ベートーヴェン12会』より )

6月30日 三鷹ヴォヤージュ・シリーズ第6回

2013.07.28


6月最終週は、「Voyage Vol.6」の内容についてご紹介しました。2011年よりスタートした三鷹市芸術文化センターでの『voyage(ヴォヤージュ)』シリーズ(全12回)もちょうど半分、折り返し地点となりました。今回はショパンからロシアの音楽へ、ということで、ロシアを代表する作曲家によるロマンティシズムただよう作品を中心に取り上げました。

【オンエア楽曲】
♪M1 スクリャービン《ピアノ・ソナタ第5番 op.53 》
  ピアノ:小山実稚恵
♪M2 チャイコフスキー 《ドゥムカ ロシアの農村風景 op.59》
  ピアノ:ウラディミール・ホロヴィッツ
♪M3 ラフマニノフ《ピアノ・ソナタ第2番 op.36》
  ピアノ:ニコライ・ルガンスキー

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