ON AIR REPORT オンエアレポート

9月15日 ラモー・クープラン・シャブリエ

2013.10.19


9月第2週は、9月に関連する作曲家のなかから、フランスの作曲家、クープラン(1668-1733)、ラモー(1683-1764)、シャブリエ(1841-1894)を取り上げました。1曲目にご紹介したのは、バロック時代に活躍したクープランです。クープランは、『クラヴサン奏法L'Art de toucher le clavecin 』(1717年出版)において、鍵盤楽器の演奏法について実例を挙げて取り上げており、この著書は当時の演奏習慣に関する重要な資料ともなっています。クープランとほぼ同時代に活躍したのが、ジャン・フィリップ・ラモーです。ラモーもフランス・バロックを代表する作曲家ですが、近代和声理論の基礎を確立し、音楽史に輝かしい功績を残したことでも知られています。そして最後にご紹介したのは、19世紀に活躍したシャブリエの作品です。シャブリエといえば代表作、狂詩曲『スペイン』をはじめとした管弦楽作品やオペレッタなどの作品のほか、ピアノ作品も遺しています。音楽史的にはフォーレとともに、次世代のドビュッシーやラヴェルへの橋渡しとしての役割を果たしているといえると思います。そしてロマン派に入ると、ドビュッシーの《ラモー賛》、ラヴェルの《クープランの墓》など後世の作曲家たちがバロック期の音楽に関心を持ち、音楽的な特徴や形式を一部模倣するというような動きも見られるようになります。音楽の歴史も、こうして流れや広がりを追ってみると、いろいろなつながりが見えてきて面白いのではないでしょうか?


【オンエア楽曲】
♪M1 クープラン《クラヴサン作品集第1巻第5組曲》より<波>
  演奏:フレデリク・アース
♪M2 ラモー《新しいクラヴサン曲による組曲集》より<エジプトの女>
  演奏:セリーヌ・フリッシュ
♪M3 シャブリエ《気まぐれなブーレ》
  演奏:ピエール・バルビゼ

9月8日 松本健司 横山幸雄『アラベスク〜クラリネット小品集』

2013.10.19


9月第2週は、8月にリリースされた、クラリネット奏者の松本健司さんとのアルバム『アラベスク〜クラリネット小品集』についてご紹介しました。松本さんとの共演アルバムは前作の『幻想小曲集』に続き今回2枚目となります!今回は、シューマン、ブラームス他、近現代の作曲家の作品を含め、アンコールピースのような小品を集めたアルバムとなっています。クラリネットのいろいろな魅力が堪能できる1枚です。ぜひお手にとって頂ければと思います!


【オンエア楽曲】
♪M1 シューマン《3つのロマンスop.94》より第2曲
   クラリネット:松本健司、ピアノ:横山幸雄
♪M2 J.M.ダマーズ《ヴァカンス》
   クラリネット:松本健司、ピアノ:横山幸雄
♪M3 P.ジャンジャン《アラベスク》
   クラリネット:松本健司、ピアノ:横山幸雄

8月25日 ゲストは仲道郁代さん

2013.08.26


8月最終週は、ピアニストの仲道郁代さんをゲストにお迎えして、ピアニストを目指されたきっかけや、最近のご活動についてじっくりお話を伺いました。普段なかなか音楽についてゆっくりお話する機会もないので、あっという間の楽しい時間でした!仲道さんには来週も引き続きゲストとしてご出演頂きます。どうぞお楽しみに!

☆仲道さんとは、来月の演奏会でご一緒させて頂く予定となっています。ソロ、連弾、2台ピアノまで、ピアノという楽器の魅力を存分に味わって頂ける演奏会になっています。いろいろな音色を楽しんで頂けると思いますので、ご都合のつく方は、ぜひ足をお運びください♪

●「仲道郁代&横山幸雄デュオ・リサイタル 20Fingers ピアノ×ピアノ」
日時:9月14日(土)、午後3時開演
場所:(神奈川県)鎌倉芸術館大ホール
<曲目>
ラフマニノフ:ピアノ連弾のための6つの小品op.11より
      「バルカロール」、「スケルツォ」、「ワルツ」、 「スラヴァ」
ショパン:バラード第3番 変イ長調 op.47 他(仲道郁代ソロ)
ラヴェル:ラ・ヴァルス(2台ピアノ版)
シューベルト:ピアノ連弾曲「幻想曲」へ短調D.940
リスト:メフィスト・ワルツ 第1番S.514 (横山幸雄ソロ)
横山幸雄:超絶技巧練習曲「カルメンの誘惑と幻想」

全席指定 S席4,000円/A席3,000円 発売日:5月25日(土)
お問合せ:鎌倉芸術館チケットセンター 0120-1192-40


【オンエア楽曲】
♪M1 エルガー 《愛の挨拶》
   ピアノ:仲道郁代
♪M2 ショパン 《バラード第3番》
   ピアノ:仲道郁代



【仲道郁代さんの今後の予定】

◎仲道郁代 〜モーツァルトの一日〜 (CDリリース記念)
日時:10月14日(月・祝) 、お昼12時半開演と、3時開演の二回公演です 
場所:(東京・赤坂)サントリーホール ブルーローズ

<12:30開演回(14:00終演予定)> 全席指定 \3,500
〜モーツァルトとタイムトリップ〜
モーツァルト時代のフォルテピアノ 「シュタインモデル」と現代の「スタインウェイピアノ」とで聴き比べるモーツァルトです。
・フランスの歌「あぁ、お母さん聞いて」による12の変奏曲 ハ長調 K.265
・ピアノ・ソナタ イ長調(トルコ行進曲付) K.331
・ロンド イ短調 K.511
・ピアノ・ソナタ イ短調 K.310
<15:00開演回(16:00終演予定)> 全席指定 \2,500
〜モーツァルトを解釈するってどういうこと?〜
楽譜やモーツァルトの時代の決まりごとなどを例にとって、お話を交えて聴いていただきます。
・ピアノ・ソナタ へ長調 K.332
・ロンド ニ長調 K.485
・ピアノ・ソナタ 変ロ長調 K.281

◎仲道郁代ピアノ・リサイタル
日時:2014年2月16日(日) 午後2時開演
場所:(東京・赤坂)サントリーホール
曲目:モーツァルト:ピアノ・ソナタ第3番 変ロ長調K.281/シューマン:交響的練習曲 Op.13/ブラームス:3つの間奏曲 Op.117/ショパン:バラード全曲  

8月18日 バーンスタイン特集

2013.08.23


8月第3週は、今月生まれの音楽家からレナード・バーンスタイン(1918〜1990)を特集しました。20世紀を代表するアメリカの作曲家、指揮者、ピアニスト。親日家としても知られ、レニーの愛称で親しまれていました。世界中のオーケストラと共演するなどの演奏活動の他、テレビ番組を通じて分かり易くクラシック音楽やジャズの魅力を解説したり、新進音楽家のための音楽祭を主催したり、多方面で活躍しました。

作曲家としてのバーンスタインは、ミュージカル作品がとりわけ有名でしょう。実はピアノ曲はほとんど遺していないのですが、交響曲第2番「不安の時代」は、交響曲という名前がついていますが、実際はほとんどピアノ協奏曲のような作品です。バーンスタイン特有のジャズの要素がふんだんに盛り込まれた魅力的な作品で、僕自身も以前、演奏したことがあります。ピアニストとしても活躍したバーンスタインだからこそ生まれた作品といえるかもしれません。


【オンエア楽曲】
♪M1 バーンスタイン《ウエスト・サイド・ストーリー》より序曲
♪M2 バーンスタイン《交響曲第2番「不安の時代」》より第5楽章
  ピアノ:レナード・バーンスタイン、ニューヨーク・フィルハーモニー管弦楽団
♪M3 モーツァルト《ピアノ協奏曲第15番》より第1楽章
  指揮&ピアノ:レナード・バーンスタイン、ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団


☆8月25日&9月1日の放送では、ピアニストの仲道郁代さんをゲストにお迎えしてお送りします。どうぞお楽しみに♪

8月11日 スペイン音楽!

2013.08.23


8月第2週は、「スペインの音楽」を取り上げました。スペインの作品は以前もご紹介していますが、ちょうど今年は、日本とスペインの交流400周年にあたり、様々な交流事業が展開されており、その一貫として音楽分野でも例年以上に「スペイン」が注目されているのではないかと思います。

スペインの音楽家といえは、アルベニス(1860〜1909)やグラナドス(1867〜1916)、ファリャ(1876〜1946)、モンポウ(1893〜1987)の他、ギター音楽の分野で活躍したタレガ(1852〜1909)、アンドレス・セゴビア(1893〜1987)、ロドリーゴ(1901〜1999)などがいますね。とりわけ19世紀以降に多くの音楽家を輩出していますが、時代的には、それまでのイタリア・フランス・ドイツといった国々の音楽が中心だった古典派やロマン派の時代を経て、近隣諸国の音楽が台頭してきた時代と重なります。また、この時代は国同士の交流がより活発になった頃でもあるため、スペインの土着の音楽に、フランスの洗練された音楽の要素が加わったり、「スペイン風の音楽」が流行ったり、互いに影響を及ぼしています。スペインという国・文化は、ヨーロッパの他の国からみても異国情緒漂う魅力的なものだったようです。近隣諸国の作曲家によって「スペイン」をモティーフにした作品がたくさん生まれたのもこの頃です。リストやラヴェル、ラロ、リムスキー=コルサコフなどもスペインを題材にした作品を遺しています。気になった方は、ぜひチェックしてみてくださいね。


【オンエア楽曲】
♪M1 ファリャ《4つのスペイン小品》より<アンダルーサ>
  ピアノ:アリシア・デ・ラローチャ
♪M2 アルベニス《組曲「イベリア」》より<トリアーナ>
  ピアノ:アリシア・デ・ラローチャ
♪M3 ラヴェル《道化師の朝の歌》
  指揮:ダニエル・バレンボイム、シカゴ交響楽団

«Prev || ... 35 · 36 · 37 · 38 · 39 · 40 · 41 · 42 · 43 ·... | | Next»