ON AIR REPORT オンエアレポート

10月11日 スポーツにちなんだクラシック

2015.10.20


10月11日は、12日の体育の日にちなんで、スポーツに関連した音楽をお届
けしました。

M1ロッシーニ作曲《ウィリアム・テル》序曲より「スイス軍の行進」
指揮:リッカルド・シャイー、ナショナル・フィルハーモニック管弦楽団

M2オネゲル作曲の交響的楽章《ラグビー》
指揮:シャルル・デュトワ、バイエルン放送交響楽団

M3ヘンデル作曲 オラトリオ《ユダス・マカベウス(マカベウスのユダ)》
第3部より「見よ、勇者は帰る」。
指揮:ニコラス・マギーガン、合唱:カリフォルニア州立大学室内合唱団、
フィルハーモニア・バロック・オーケストラ


日本の学校や地域の運動会などでBGMとして流れる音楽の中には、クラシック音楽の名曲も少なくありません。お送りしたロッシーニの「ウィリアムテル序曲」やオッフェンバック オペレッタ《天国と地獄》の地獄のギャロップなどは有名ですね。

20世紀初頭になると、ほかにも、スポーツをテーマにした音楽が書かれるようになります。なんと、今年盛り上がっているラグビーを音楽で表現したのが、スイス出身、フランスで活躍した「フランス六人組」の一員、アルテュール・オネゲル(1892-1955)。「交響的断章 ラグビー」は、1928年の夏、オネゲルがラグビー観戦中に、あるジャーナリストから「スポーツを音楽で表現できますか」と尋ねられたことがきっかけで作曲されたと言われます。
序奏のあとに提示される2つの主題がラグビーの2つのチームを表しており、両者の攻防が音楽的に描き出されているそうです。

ほかにも・・・クロード・ドビュッシー バレエ音楽《遊戯》、エリック・サティ ピアノ曲《スポーツと気晴らし》(1914)、ダリウス・ミヨー バレエ音楽《青列車》(1924)などが生まれています。

フランスの作曲家が多いのは、ドイツの音楽は哲学的で構造重視、イタリアは人生模様をオペラで表現しているのに比べて、フランスの音楽に遊びごころ、しゃれたエッセンスがあるからかもしれません。と横山さんはおっしゃていました。

最後は、表彰式のBGMとしても有名な曲、ハイドンのオラトリオ《ユダス・マカベウス(マカベウスのユダ)》から「見よ、勇者は帰る」。管弦楽編曲版がよく知られていますが、今夜は原曲のオラトリオ版でお聴きいただきました!

10月4日は、10月生まれの作曲家、ポール・デュカ特集!

2015.10.04


こんばんは、今週もお聞きいただきありがとうございます。

今週は、10月生まれの作曲家の中から、10月1日生まれのフランスの作曲家、ポール・デュカ(1865-1935)を特集しました。
今年は生誕150年です。

M1 デュカ作曲『魔法使いの弟子』/指揮:シャルル・デュトワ、モントリオール交響楽団

M2 デュカ作曲「ピアノ・ソナタ 変ホ短調」より第4楽章/ピアノ:マルク=アンドレ・アムラン

M3 デュカ作曲、バレエ音楽『ラ・ペリ』/指揮:アルミン・ジョルダン指揮、スイス・ロマンド管弦楽団

デュカの生涯
1865年、パリに生まれる。
1882年、パリ国立音楽院に入学、ピアノ、和声、作曲を学ぶ。
1888年、カンタータ『ヴェレダ』がローマ賞の第二等主席に入選
1889年、パリ国立音楽院をはなれ、1891年まで軍務に就く
1897年、国民音楽協会で作曲家自身の指揮によって『魔法使いの弟子』を初演、大絶賛される
1907年、オペラ『アリアーヌと青ひげ』
1912年、バレエ音楽『ラ・ペリ』
1935年、パリで死去

M2のピアノソナタは、当時のフランスでは、このような伝統的なピアノ・ソナタを敢えて書く作曲家は少なかったこともあり、「ベートーヴェン以降のもっとも美しいピアノ・ソナタ」とまで賞賛されていますが、たいへん難しく、弾くのに勇気がいる作品だそうです。

完璧主義で、破り捨ててしまった作品も多く、M3も、危うく葬り去られるところを友人が救ったのでした。ドビュッシーとは、お互いによき理解者であり続けたそうです。

9月27日 月にまつわる音楽

2015.09.28


こんばんは、今週は、9月27日が中秋の名月だったことにちなんで、月にまつわる音楽をおおくりしました。

M1 ドビュッシー作曲《ベルガマスク組曲》より第3曲〈月の光〉/ピアノ:パスカル・ロジェ

M2 ドビュッシー作曲 歌曲《艶やかな宴》第1集から〈月の光〉/ソプラノ:ヴェロニク・ディエッチ、ピアノ:フィリップ・カッサール

M3 フォーレ作曲《月の光》/バリトン:ジェラール・スゼー、ピアノ:ダルトン・ボールドウィン

M4 シェーンベルク:「グレの歌」より「おお月光が静かに滑るように輝き」 /
ソプラノ:デボラ・ヴォイト、ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団、指揮:ジェイムズ・レヴァイン


M1のドビュッシーのピアノ曲「月の光」は、1890-1905年(30歳前後)に作曲された《ベルガマスク組曲》の一曲。《ベルガマスク組曲》は前奏曲、メヌエット、月の光、パスピエの4曲から成り、
象徴派の詩人ポール・ヴェルレーヌの『艶やかな宴』(1869)からインスピレーションを得て作曲されたと言われます。

M2、ドビュッシーはこの「月の光」に強い思い入れがあり、歌曲としても2度にわたり作曲しています。1度目は20歳のころ、2度目は1891年ごろ29歳に歌曲集『艶やかな宴』の中で。お聞きいただいたのは2度目の作品で、ドビュッシー独特な作風。横山さんは学生時代によく伴奏した曲だそうです。

M3は、フォーレ作曲の歌曲。詩は同じヴェルレーヌのもので、ドビュッシーと比べてシンプルで、フォーレのもっとも美しい歌曲のひとつ、学生時代を思い出す歌曲を懐かしく聞きました、と横山さん。バリトンのジェラール・スゼーは、横山さんが留学時代に、自宅でレッスンを受けた往年の名歌手。2004年に亡くなっています。

M4は、現代音楽の先駆け、シェーンベルクが、若い頃は後期ロマン派のような作品を書いていたことがわかります。

月は星よりも、ミステリアスで幻想的な雰囲気をもち、詩人や音楽家にインスピレーションを与えたことを感じた放送でした。

9月13日は、ジョージ・ガーシュイン特集

2015.09.14


9月13日、東京オペラシティ・コンサートホールでの、横山幸雄ベートーヴェンプラス Vol.3
お越しいただいたみなさまありがとうございました!


9月生まれの作曲家から、ジョージ・ガーシュインの作品と生涯をおとどけしました。

1898年9月26日ブルックリン生まれ。
・2歳年上の兄のアイラ・ガーシュウィン(1896〜1983)は作詞家として、数々のヒット作を生み出すコンビとなりました。

・1914年、15歳のとき、楽譜出版社のレミックRemickで、ポピュラー音楽の新譜を宣伝するために店頭で演奏するピアニストとして働いたこともありましたが、その後、ブロードウェイのショーのための曲やポピュラー・ソングの作曲家として次々とヒット曲を生み出します。
1920年代以降、ガーシュウィンはクラシック音楽の作曲家としても積極的に活動。
1924年「ラプソディ・イン・ブルー」
1925年「ピアノ協奏曲へ調」
1928年「パリのアメリカ人」を発表、成功をおさめます。

「ラプソディー・イン・ブルー」は、オーケストラの編曲を、組曲「グランド・キャニオン」で知られるアメリカの作曲家、グロフェが行いましたが、その後は独学でオーケストラの編曲を学び、実際にオーケストラを雇ってアレンジに磨きをかけた・・というエピソードも残っています。

放送では、1927年に録音された、ジョージ・ガーシュインのピアノ、作曲を委嘱したポール・ホワイトマン指揮、ポール・ホワイトマン楽団の演奏もお聞きいただきました。

横山さんにとっては、数少ないアメリカの作曲家のレパートリー。
10月には、仙台と長野で初めて、「ピアノ協奏曲ヘ調」を弾く予定です。

幸田浩子さんをお迎えして(2週目)、ベートーヴェン・プラス迫る!

2015.09.09


今週も日本を代表するソプラノ歌手の幸田浩子さんをお迎えしました。
イタリア・ボローニャで活動していた幸田さん、
パバロッティの歌で大好きだった「カルーソ」という曲の作者でシンガー、
ルーチョ・ダッラさんに出会った思い出などを教えていただきました。
ピッツアをごちそうしてくれるような気さくな方だそうです。

そして、そのダッラさんの音楽仲間のベッペ・ドンギアさんが、
幸田浩子さんのために書いた美しい曲「カリヨン」もお送りしました。

幸田さんは、日本初演のオペラのお稽古に励む毎日だそうです。

紀尾井ホール開館20周年記念バロック・オペラ ペルゴレージ
オペラ『オリンピーアデ』
2015年10月6日(火) 開演18:30 / 8日(木) 開演18:30 紀尾井ホール



横山幸雄 ベートーヴェン・ピアノ・プラスも9月13日に迫ってきました!
東京オペラシティ・コンサートホールでお会いしましょう!

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