ON AIR REPORT オンエアレポート

11月15日は、ベートーヴェンのヴァイオリン・ソナタに注目

2015.11.16


今夜もお聞きいただきありがとうございます!

今回はベートーヴェンのヴァイオリン・ソナタに注目。

ヴァイオリニストの矢部達哉さんと横山幸雄さんの新しいCD
「ベートーヴェン:ヴァイオリンソナタ第9番「クロイツェル」&第10番」をご紹介しました!

M1ベートーヴェン《ヴァイオリン・ソナタ第9番「クロイツェル」》第1楽章

M2ベートーヴェン《ヴァイオリン・ソナタ第9番「クロイツェル」》第3楽章

M3ベートーヴェン《ヴァイオリン・ソナタ第10番》から第1楽章

ベートーヴェンは、ヴァイオリン・ソナタを第10番まで作曲していますが、9番はその代表作。
ヴァイオリニストのルドルフ・クロイツェルに献呈されていることからこの名前で呼ばれています。
9番までが中期に作曲され、10年近くのちの1812年に第10番が作られました。

モーツァルトのヴァイオリン・ソナタとベートーヴェンのヴァイオリン・ソナタでは、
モーツァルトの時代がピアノが主であったのに対し、ベートーヴェンは、
ヴァイオリンと、ピアノが互いに影響しあい、2人で作り上げる音楽へと進化させました。

東京都交響楽団のソロ・コンサートマスターの矢部さんと横山さんは20年来のおつきあい。
CDは、1997年の「エシェゾー」、1998年の「レザムールス」以来ですが、
機が熟したらぜひ取り組みたいと矢部さんが昔からあたためていた録音です。

デュオコンサートも12月2日(水)午後2時開演、よみうり大手町ホールで予定されています。
ぜひおでかけください!


OVCL-00580

11月生まれの作曲家、ベッリーニとドニゼッティ

2015.11.08


今夜もお聞きいただきありがとうございました。

11月生まれの作曲家には、ベッリーニ、ヒンデミット、ウェーバー、ブリテン、ペンデレツキ、ドニゼッティなどオペラで有名な人が多いようです。。
そこで、イタリアオペラのベッリーニとドニゼッティの代表作をお送りしました。

M1 ドニゼッティ作曲 オペラ《愛の妙薬》から〈人知れぬ涙〉
テノール:ルチアーノ・パヴァロッティ、指揮:リチャード・ボニング、イギリス室内管弦楽団

M2 ベッリーニ作曲 オペラ《ノルマ》からアリア〈清らかな女神よ〉
ソプラノ:マリア・カラス、指揮:トゥリオ・セラフィン、ミラノ・スカラ座管弦楽団、スカラ座合唱団

M3 リスト作曲 《ベッリーニ「ノルマの回想」》
ピアノ:マルク=アンドレ・アムラン


ドニゼッティは、1797年11月29日 イタリアのベルガモ生まれ
『アンナ・ボレーナ』『愛の妙薬』『ランメルモールのルチア』など70作品ものオペラを残しています。

ベッリーニは、1801年11月3日 シチリアのカターニア生まれ
『夢遊病の女』『ノルマ』『清教徒』など成功をおさめますが34歳の若さでなくなります。

ベッリーニは、ショパンが影響をうけた作曲家の一人としても知られています。1833年にベッリーニがパリにやってきた際、ショパンはすぐにベッリーニと意気投合して親しくなったと言われています。ショパンはベッリーニやピアニストのフィールドに影響をうけて、ピアノで美しい旋律や、格調高い世界観を創り出しました。

またオペラ作品をピアノや室内楽に編曲して楽しむことも流行。なかでもリストは編曲よりも自由に旋律が用いられる<パラフレーズ>や変奏曲を残しています。

11月1日は、シェイクスピア「テンペスト」にゆかりの音楽

2015.11.01


本日もお聴きいただきありがとうございました。

11月1日は、シェイクスピアの戯曲「テンペスト」が初演された日。
1611年11月1日、イギリス王室のホワイトホール宮殿、ジェイムズ1世の御前で上演されたのが最も古い記録・・ということで、「テンペスト」にまつわる音楽をお届けしました。

M1 ベートーヴェン作曲《ピアノ・ソナタ第17番二短調 作品31-2「テンペスト」》から第1楽章
    ピアノ 横山幸雄 
    2013年9月8日 ベートーヴェンプラスVol.1 (東京オペラシティ・コンサートホール)ライブ録音

M2 シベリウス作曲《テンペスト組曲第2番》作品109から第6曲「ミランダ」
    指揮:ネーメ・ヤルヴィ、エーテボリ交響楽団

M3 チャイコフスキー作曲 交響幻想曲《テンペスト》から
   アンダンテ・コン・モート〜アンダンティーノ  
    指揮:レナード・スラットキン、セントルイス交響楽団


最も有名なベートーヴェンの「ピアノ・ソナタ第17番「テンペスト」は、
ベートーヴェンの弟子シントラーが、このピアノ・ソナタ第17番と、第23番「熱情」について尋ねたときに「シェイクスピアの『テンペスト』を読め」とベートーヴェンが答えたからだといわれています。ここから、第17番の方だけに「テンペスト」という標題がづけられて親しまれるようになりました。

横山さんにとっても、子供のころから大好きなソナタで、レコードをよく聴いていたそうです。
現在も演奏する機会の最も多い1曲です。

ベートーヴェンは、シェイクスピアの熱心な読者で、もちろん「テンペスト」を読んでいましたが、このソナタは、その内容を描写したものではありません。

一方、20世紀初めの最期のロマン派、シベリウスの「テンペスト組曲」は、劇の付随音楽を組曲に作り替えたもの。
そして、チャイコフスキーは管弦楽作品として「テンペスト」「ロメオとジュリエット」「ハムレット」という3つのシェイクスピア作品の「交響幻想曲」を書いています。



10月25日 ラヴェルの弟子

2015.10.26


2015年はモーリス・ラヴェルの生誕140年。
10月31日に、フランス・パリの日本文化会館で、横山さんはラヴェルの全曲演奏会を行います!

今夜お送りした曲は・・

M1 ラヴェル作曲《ソナチネ》から第2楽章
    ピアノ:モーリス・ラヴェル(ウェルテミニヨン社のピアノ・ロールによる録音)

M2 ラヴェル作曲《水の戯れ》
    ピアノ:ヴラド・ペルルミュテール

M3 ラヴェル作曲、《夜のガスパール》から第3曲スカルボ
    ピアノ:私・横山幸雄でした。
    2015年8月2日 三鷹芸術文化センターVoyage第10回ライヴ録音より


モーリス・ラヴェルは、現在でも演奏会で数多くの作品が演奏され続けており、
近代フランスの作曲家としてはドビュッシーと並んでたいへん人気のある作曲家ですが、
完成された作品としては、およそ40ほどしか作曲していません。
ピアノのための作品としては13の作品があり、そのうち7つは管弦楽に編曲されています。

2曲目の、ピアニスト、ヴラド・ペルルミュテールは1904年5月26年に、
当時ロシア帝国領のコヴノ(現在はリトアニア領のカウナス)に生まれました。ラヴェル自身から直接、ラヴェル自身のピアノ曲の演奏について指導を受けたことで有名です。

ペルルミュテールは、横山さんがパリ音楽院で師事したジャック・ルヴィエ先生の先生であり、横山さん自身もプライベートレッスンを受けていたそうです。

3曲目は、難しい曲として有名です。「クープランの墓」のトッカータの緻密なむずかしさや、「オンディーヌ」のデリケートなコントロールのむずかしさに比べると、「スカルボ」は、高度な技術を繊細さのほうに用いて、ピアノから色彩感をひきだしている曲、だそうです。

横山さんにとってラヴェルは、1995年に初の全曲演奏会を行った作曲家、また身近でもある大切な作曲家です。


10月18日は、ショパン特集

2015.10.20


10月17日は、ショパンの命日でした。
横山さんはかつてはこの日にショパンの演奏会を行うことが多かったので、10月はショパンの季節、だそうです。5年に一度のショパン・コンクールも今佳境ですね。

11月7日(土)には、大田区民ホール・アプリコで、「まるごと作曲家シリーズ、横山幸雄 ショパンの華麗なる世界」が行われます。

このコンサートは、横山さんがショパンに扮してその生涯と音楽を紹介します。お楽しみに!

M1 ショパン作曲 《ピアノ協奏曲第1番 ホ短調》 Op.11から第2楽章。
指揮:大友直人、大阪フィルハーモニー交響楽団、ピアノ:横山幸雄
(1991年11月リリースの デビュー・アルバムより)

M2 ショパン作曲《アンダンテ・スピアナートと華麗なる大ポロネーズ》 Op.22から
〈アンダンテ・スピアナート〉。
ピアノ:横山幸雄(入魂のショパン  ライヴ録音より)

M3 ショパン作曲ポロネーズ第6番 変イ長調 Op.53「英雄」
ピアノ:横山幸雄(「入魂のショパン ライブ録音より)


今回の演奏会は、フレデリック・ショパン室内オーケストラとの演奏会です。
ショパンの時代は、オーケストラも歴史が始まったばかり今日とは数もちがい、ピアノ独奏や、弦楽五重奏の伴奏で演奏されることも多かったそうです。
横山さんは、大きなオーケストラだとショパンの音楽のもつ微妙なテンポの変化が表現しずらいこと、パリに来て、小さなオーディエンスのために曲をつくることが多くなり、ショパンは若い頃にだけ管弦楽と共演するための曲を書いたのでしょう、とおっしゃっていました。
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