地中海の島にまつわる音楽を!
2018.07.23
今夜もお聴きいただきありがとうございました。
西日本の豪雨、それに続いて猛暑の日本列島、みなさまにお見舞い申し上げます。
今回は地中海に浮かぶサルディーニャ島、シチリア島、マヨルカ島、など、ヨーロッパで人気のヴァカンス先、地中海の島々にまつわる音楽をご紹介しました。
<PLAY LIST>
M1 ショパン 《バラード 第2番 / 横山幸雄(ピアノ)
「入魂のショパン2017」東京オペラシティコンサートホールで収録
M2 フォーレ 《シチリアーノop.78》 / 堤剛(チェロ)、篠崎史子(あやこ)(ハープ)、木村茉莉(ハープ)
M3 ベッリーニ オペラ《ノルマ》からアリア〈清らかな女神よ〉/
マリア・カラス(ソプラノ)、トゥリオ・セラフィン(指揮)、ミラノ・スカラ座管弦楽団
M4 ドビュッシー《前奏曲集 第1巻》より第5曲〈アナカプリの丘〉/
横山幸雄(ピアノ) 2012年の三鷹voyageシリーズ(第2回)ライブ音源
M1、ショパンが療養のためにでかけたマヨルカ島で大部分を作曲したと言われています。
晴れの日が多く「地中海のパラダイス」と言われたスペインのマヨルカ島ですが、ショパン滞在中は雨ばかり。
名曲「雨だれのプレリュード」も生まれました。
M2 イタリアのシチリア島は、地中海の中心にあり、地中海最大の島です。
古代より複雑な歴史を持っていて、様々な国の文化的要素がミックスされています。
そのため「文明の十字路」と呼ばれたりもします。
この島が起源といわれる「シチリアーノ(シシリエンヌ)」は、ルネサンスーバロック音楽にさかのぼる舞曲のひとつ。
ゆるやかなリズム、短調が特徴です。
お送りしたフォーレの「シチリアーノ」は、フォーレ53歳のときの作品。
もともとチェロとハープのために作品でした。
フォーレ以外にも、バッハ、ヘンデル、レスピーギなどもこのタイトルの曲を作っています。
M3は、シチリア島が故郷のベッリーニのオペラ『ノルマ』からのアリア。
悲恋のヒロイン・ノルマが、敵の将軍ポッリオーネを愛し、身ごもったことを告白するシーンです。
M4は、イタリア南部に位置する小さな島、カプリ島にまつわる作品です。
カプリ島は風光明媚な土地として知られ、イタリアにおける観光地の1つ。「青の洞窟」で有名です。
ドビュッシーは、カプリ島を訪れた際、アナカプリ地区の丘からの眺めにインスピレーション得てこの曲を作曲。
青い空、藍色の海、眩しい地中海の陽射しは、フランスの内陸の太陽とはまるで別の太陽から降り注いでいるようです。
ただし、ドビュッシーの「前奏曲集」では、曲のタイトルが固定観念に縛られないようにという作曲者の配慮から、各局の終わりの余白に小さく書き込まれています。
ヴァカンスの語源はラテン語で、「自由な、空く」という意味から来ているそうです。
この夏、リラックスする時間を持ちたいですね。
来週は、バッハ、シューマン、リスト、をテーマにお送りします!お楽しみに。