ON AIR REPORT オンエアレポート

入魂のショパン!予習スペシャル1!

2016.04.04


本日もお聴きいただきありがとうございました!
千鳥ヶ淵、半蔵門の桜も日に日に咲いております。
今夜は、いよいよ1か月後に迫った「入魂のショパン2016」の予習スペシャル第一弾を
お送りしました。
横山さんのセルヴィアーノ・グランド・ハイブリッドでの演奏、
そして、過去のこのリサイタル・シリーズ、どちらもこの番組だけで聴くことができる録音をお送りしました。

セルヴィアーノ・グランド・ハイブリッドでの今月の演奏も、ショパン。
「12のエチュード」から「エオリアンハープ」をお送りしました。
この曲は、5月4日の演奏会では、1番最後に演奏されます。

<プレイリスト>
M1 ショパン作曲《12の練習曲》作品25から第1番 変イ長調<エオリアンハープ>
   横山幸雄 (カシオのCELVIANO Grand Hybrid、ベルリングランドの音色で演奏)

M2 ショパン 《ピアノ協奏曲 第1番 op.11》 より 第1楽章
   横山幸雄(ピアノ)、2014年5月3日「入魂のショパン2014」のライブ録音

M3 モーツアルトの歌劇「ドン・ジョヴァンニ」の”お手をどうぞ(ラ・チ・ダレム・ラ・マーノ)”の主題による変奏曲
   変ロ長調 作品2 / 横山幸雄(ピアノ)、2014年5月3日「入魂のショパン2014」のライブ録音


横山幸雄さんのこのリサイタルシリーズが始まったのは、7年前、ショパンの生誕200年からでした。
2010年・・・166曲(作品番号をつけて出版した全てのピアノ・ソロ曲と死後発表された重要な遺作)
2011年・・・212曲(現在出版されている全てのソロ作品、チャリティーコンサートの形で実施)
2012年・・・149曲(遺作をのぞき、作品番号のついた全作品+ピアノ協奏曲ソロヴァージョン2曲を初演奏)
2013年・・・125曲(全ての協奏作品のソロヴァージョン+各ジャンルの中からより重要な作品をスタイルごとにプログラミング)
2014年・・・217曲(最多曲数。ピアノソロで可能な全曲を5月3日、4日の2日間、計21時間かけて演奏)
2015年・・・全曲演奏から方向転換/神童の誕生から、本物の天才芸術家へと変貌をとげるまでの軌跡を追う

・そして、7回目となる今年は・・・
 昨年に引き続き、作品そのものだけでなく、よりショパンの人生や時代背景に着目、
 <入魂のショパン2016>は20代前半のショパンに焦点をあてます。
  名曲ぞろい、5部構成、13時開演、21時半ごろ終演予定です。会場は、東京オペラシティ・コンサートホールです。
 
・第1部と第2部では、それに先立つ10歳代後半の2曲のピアノ協奏曲を含む5曲の協奏作品をソロver.で演奏します!
[第1部] 13:00開演
ピアノ協奏曲 第1番 ホ短調 Op.11
ピアノ協奏曲 第2番 ヘ短調 Op.21

[第2部] 14:40開演予定

モーツァルトの歌劇「ドン・ジョヴァンニ」の“お手をどうぞ(ラ・チ・ダレム・ラ・マーノ)”の主題による変奏曲変ロ長調 Op.2
ポーランドの民謡の主題による大幻想曲 Op.13
演奏会用ロンド「クラコヴィアク」ヘ長調 Op.14

若いショパンにとって、オーケストラとともに演奏する曲を作り、人前で演奏する機会をもつことが
音楽家として認められるために大切なことでした。
同時に、オーケストラとの演奏会は簡単には開けません。
そこで、これらの協奏曲に先立って、ピアノ・ソロ・バージョンも作られていたのです。

来週は、<入魂のショパン2016>予習スペシャル2!をお送りします。
本日の、セルヴィアーノ・グランド・ハイブリッドでの「エオリアンハープ」は、このHPでお聴きいただけます。
そちらもぜひアクセスしてくださいね!


復活祭(イースター)と春にちなんだ作品をお送りしました。

2016.03.28


3月も最終週、TOKYOFMの前、半蔵門から千鳥ヶ淵の桜は咲き始めていますが、
見ごろは今週末かもしれません。

3月27日は、復活祭(イースター)でした。そこで、復活祭と春にちなんだ作品をお送りしました。
「復活祭」とは、クリスマスとともに、キリスト教にとっては最も重要な祭典。
キリストが死後3日目に甦ったという「復活」を祝う日で、同時に春の訪れを祝うお祭りでもあります。
復活の象徴の卵を食べたり、ペイントした卵(実際にはチョコレートで代用も多い)を贈り合ったりして、盛大に祝います。
パリに留学していた横山さんにとっては、イースターは日本の春休みのような感覚がしていたそうです。
イースターが終わると、試験の準備をしなくては!という季節だそうです。

お届けしたのは・・
M1 バッハ《復活祭オラトリオ BWV249》より<シンフォニア>
         演奏 エンパイヤ・ブラス
M2 フェリックス・メンデルスゾーン  《無言歌集 第5巻》より 第6番<春の歌>op.62-6
         ピアノ 田部京子
M3 グリーグ 《抒情小品集》第3集op.43 第6曲<春に寄す>
          ピアノ 横山幸雄  (1998年、CD『グリーグ:ピアノ協奏曲イ短調』 より)
M4 グリーグ 《2つの悲しき旋律》より<過ぎにし春>
          ピアノ 横山幸雄  (1998年、CD 『グリーグ:ピアノ協奏曲イ短調』 より)


バッハは生涯で3つのオラトリオ(クリスマス・オラトリオ、昇天祭オラトリオ)を遺し、
「復活祭オラトリオ」は、11曲、40分ほどの作品。1曲目の<シンフォニア>は春らしい華やかな祝祭の音楽です。
バッハの本作以外では、復活祭に演奏される代表的な作品として、ヘンデルの傑作オラトリオ《メサイア》が挙げられます。

2曲目は、メンデルスゾーン。この曲は、楽譜の冒頭にある、「春の歌のように」というメンデルスゾーン自身が書いた
発想標語からタイトルが付けられている有名な曲です。

3、4曲目は、ノルウェーの作曲家、グリーグ(1843-1907)のピアノ作品です。
<春に寄す>はグリーグの作品中で最もよく知られる名曲の一つ。
春の息吹と自然の美しい情景が目に浮かぶような抒情的な作品。
グリーグがデンマークへ旅行した際、ホームシックになり、この曲を作曲しました。
「厳しく野性的な美しさがあふれる、ノルウェーの自然が恋しくて仕方なく、それを讃える歌をつくってしまった。」と友人への手紙に記しています。
《抒情小品集》は1886年の作品。<過ぎにし春>は、もとは歌曲で、本来ならば<最後の春>と訳されるべきタイトル。
やっとめぐって来た美しい北欧の春を迎えながら、死を間近に控えた人が「これが春をみる最後の機会になるだろう」と歌っています。

春の曲は、たくさんありますが、華やかなわくわくするような春、
故郷の春を思い出したり、寂しい思いの春までさまざまな曲があります。

『トーク&ライブ』イベント レポート(2016年2月24日@TOKYO FMホール)

2016.03.17


『CELVIANO Grand Hybrid presents 横山幸雄のピアノでめぐり逢い トーク&ライブ』
イベント レポート(2016年2月24日@TOKYO FMホール)




番組初の公開収録「トーク&ライブ」!

まもなく350回を迎えるこの番組、初めての公開収録が開催されました。
ロビーにはCELVIANO Grand Hybidを試奏するコーナーも登場。多くのリスナーにこのピアノを楽しんでいただきました。


今回は、「ピアノでめぐる音楽の旅」というテーマで、ウィーンとパリ、2つの街にゆかりの作曲家の作品の演奏と、横山さんの思い出をまじえた楽しいトークをお届けしました。ステージの進行は、小山ジャネット愛子さんです。


前半は、ウィーンへの音楽の旅

オーストリアのウィーンは音楽の都、たくさんの音楽家が活躍しましたが、まずはモーツアルトから。

モーツアルトは1781年3月、25歳にウィーンに定住、35歳に亡くなるまでウィーンに住み続けました。18曲残されているピアノ・ソナタのうち、短調で書かれた曲はたった2つ(第8番と第14番)しかありません。


今回演奏された「ピアノ・ソナタ 第8番 イ短調 K.310」はモーツァルトの20代前半の作品で、パリへ演奏旅行をしていた時期に書かれたと言われています。
演奏会自体は大成功をおさめましたが、演奏旅行に同行していた母親が亡くなるという悲しい出来事もありました。短調で書かれたのは、こうした悲しい体験が影響しているのかもしれません、と横山さん。

続いて演奏されたのはシューベルトの即興曲。
シューベルトは1797年にウィーンに生まれ、ウィーン合唱団で歌い、作曲家・演奏家として活躍し31歳で亡くなりました。シューベルトが残した数多くの歌曲に見られる要素は、ピアノ作品にもふんだんに取り入れられています。とりわけ即興曲などの小品には素直に歌心が発揮されていますと横山さん。


「即興曲作品142-3」は、横山さんが小学校の頃、初めて演奏したシューベルトの作品です。ウィーンを訪れたのは横山さんが小学6年生のときで、これが初めての海外旅行。ウィーン・フィルの本拠地であるムジークフェラインでも演奏し、楽しい思い出があるそうです。

リスナーの方からのメッセージ&質問コーナー

Q:CELVIANO Grand Hybridをステージ上で演奏しての感想は?
「TOKYO FMホールは天井が高く“演奏していて心地よい空間”。CELVIANO Grand Hybridで、番組のためにこのホールで演奏したこともありますが、今日はお客さんが入ることによって響きがかわり、優しく溶け込むような音色に感じられました。最近の電子ピアノの進化は目覚ましく、演奏者の個性の違いが感じられるくらい繊細な表現ができるようになってきています。」


Q:自分を奮い立たせたいときに弾きたい曲、聴く曲はありますか?
横山さん「基本的にシーズンごとに自分が弾きたい曲を選んでいるので、それをはやく弾きたいという思いがあります。この曲をこの場所でこんな風に弾きたいと曲目を考えるのがいちばん楽しい。また、10代の後半にフランスに留学していたので、フランスの作曲家の作品を弾いて懐かしい感情に浸ることもあります。といっても忙しくて浸っている場合ではないんですけどね(笑)」


後半は、パリへの音楽の旅

パリは、横山さんが16歳のときに留学し青春時代を過ごした第二の故郷でもあります。特に19世紀までは音楽の都、芸術の最先端といえばパリで、ショパンはポーランドから、リストはハンガリーからというように、さまざまな国から音楽家たちが集まっていました。リストはショパンよりも1歳年下ですが、リストの方が先にパリに到着していました。天才少年として有名だったリストは、社交界のサロンに出入りしては絶賛を浴びていたと言われています。


一方でショパンは21歳のときにようやく、父の祖国であるパリに到着します。遠慮がちでシャイな性格だったショパンをリストは積極的に社交界に紹介し、彼の作品を演奏会で取り上げて、多くの人々に広めました。サロンに留まり続けたショパン、ヨーロッパ各国各地を巡り何千回ものリサイタルを開いたリスト。まるで性格の違う二人だからこそ、お互いに良い刺激となったのではないでしょうかと横山さん。
「ポロネーズ第6番変イ長調「英雄」」はショパン32歳、音楽家としての絶頂期に書かれた作品。いっぽう、「ノクターン 嬰ハ短調 WN37」は20歳のときの作品で、いわゆる遺作のノクターンとして知られています。ショパンがワルシャワを離れて最初に向かったウィーンではあまり歓迎されず、満足に活動できない状況で作曲されたと言われています。


最後は、リストの「ラ・カンパネラ」。「リストの代表作のひとつです。パガニーニのヴァイオリン協奏曲に基づく作品ですが、原曲よりもリストの「ラ・カンパネラ」が有名です。リストはさまざまな作曲家のさまざまなジャンルをピアノで演奏していますが、誰かの作品の編曲ということにとどまらず「リストの作品」として生まれ変わらせていると言えるかもしれません」。

【演奏楽曲】
・モーツァルト《ピアノソナタ第8番 イ短調 K.310》
・シューベルト《即興曲 変ロ長調 Op.142-3》
・ショパン《ポロネーズ 第6番 変イ長調 op.53「英雄」》
・ショパン《ノクターン 嬰ハ短調 WN37》
・リスト《ラ・カンパネラ》

このイベントで横山さんが演奏した音源が番組HPで、お聴きいただけます。
あわせてお楽しみください
>>音源試聴はこちら



公開収録<トーク&ライブ>後編!

2016.03.14


今夜もお聴きいただきありがとうございました。
今週も、2月24日にTOKYOFMホールで行われた
この番組初めての公開収録<トーク&ライブ>から、後編をお送りしました。

<ピアノでめぐる音楽の旅>というテーマで、後半の旅先は、パリでした。
ショパンとリスト、2人が、若き日に到着し活躍したパリのお話、そして
作品をお楽しみいただきました。

パリは、音楽の都、芸術の都。
いまではロンドン、ニューヨーク、東京も音楽の最先端ですが、
19世紀までは、音楽の都は、パリ。多くの音楽家がパリを目指したのです。

ショパンは21歳でパリに到着、リストは1歳年下ですが、それよりずっと前にハンガリーからパリに来ていました。
当時外国人はパリの高等音楽院に入学を許されず、リストの最初の目的は叶いませんでしたが、
ショパンが来た頃には、サロンで活躍する有名人でした。
引っ込み思案のショパンを、リストは積極的に社交界に紹介した、この功績は大きいと思います、
と横山さんはおっしゃていました。

また、パリは、横山さんも10代の後半に留学した街です。
いまでも、フランスの作曲家の曲をピアノで弾いて、
いつもの忙しさとはちがう思いに浸る・・そんな時間も特別だそうです。

この<トーク&ライブ>の、司会は、小山ジャネット愛子さん。
2010年に、横山さんがショパン生誕200年を記念して、1日での全曲演奏会を始めたとき、
13時間生中継したのがジャネットさん。
横山さんも楽しくお話できる仲間です。

ご来場いただいた方も、残念ながらお越しいただけなかった方も、ありがとうございました。
またお会いできますように、応援よろしくお願いします!

M1 ショパン作曲 ポロネーズ 第6番 変イ長調 op.53「英雄」
M2 ショパン作曲 ノクターン 嬰ハ短調 WN37
M3 リスト作曲 ラ・カンパネラ
演奏:横山幸雄 2016年2月24日 TOKYOFMホール <ピアノでめぐり逢い トーク&ライブ>での収録

この日のセルヴィアーノ・グランド・ハイブリッドでの演奏は、
このHPの右側のバナー<横山幸雄 生演奏音源>でお聴きいただけます!
ぜひクリックしてくださいね。




公開収録「ピアノでめぐり逢い トーク&ライブ」前編

2016.03.07


今夜もお聴きいただきありがとうございました!

2月24日に行われた「ピアノでめぐり逢い」初の公開収録「トーク&ライブ」の前半を
お送りしました。
今回は、「ピアノでめぐる音楽の旅」というテーマで、前半の旅先は、<ウィーン>。
この地にゆかりの作曲家、モーツァルトとシューベルトの作品とお話でした。

M1 モーツァルト作曲「ピアノ・ソナタ 第8番 イ短調  K.310」
M2 シューベルト作曲「即興曲 変ロ長調 op.142-3」
演奏:横山幸雄 (セルヴィアーノグランドハイブリッド)TOKYOFMホールにて

ウィーンは、音楽の都。
モーツアルト、シューベルト、ヨハン・シュトラウスなどが有名ですね。

モーツァルトは、ザルツブルク出身ですが、1781年25歳から、1791年35歳で亡くなるまで
ウィーンを拠点に活躍、名曲を作曲しました。
お送りした、「ピアノ・ソナタ 第8番 イ短調」は、その少し前、20代前半に作曲されたもので、
モーツアルトのピアノ・ソナタ18曲のうち2曲しかない短調のソナタの一つです。
モーツアルトは、パリの演奏旅行中に母親の死を知りました。
そのことが作品の悲劇的な雰囲気に影響しているのかもしれません。

シューベルトは、ウィーンで生まれ、育ち、ウィーン少年合唱団で歌い、活躍して亡くなりました。
お送りした「即興曲 変ロ長調」は、変奏曲になっています。歌曲を得意としたシューベルトらしさが感じられる作品です。

横山さんは、オーストリアのウィーンは、小学生のとき、はじめて経験した海外だそうです。
ウィーンフィルの本拠地、ムジークフェラインで演奏したり、楽しく有意義な演奏旅行の思い出があるそうです。

来週は、公開収録の後半、パリへの旅をお送りします!







«Prev || ... 22 · 23 · 24 · 25 · 26 · 27 · 28 · 29 · 30 ·... | | Next»