ON AIR REPORT オンエアレポート

没後100年ドビュッシーに注目!

18/09/24


今夜もお聴きいただきありがとうございました。
今回は、没後100年のドビュッシーに注目しました。

<Playlist>
M1 ドビュッシー<牧神の午後への前奏曲> /横山幸雄(ピアノ)(1994年のアルバム『イマージュ』より)

M2 ドビュッシー 《版画》 より第1曲 <塔>/ジャック・ルビエ(ピアノ)

M3 ドビュッシー <亜麻色の髪の乙女 / "La fille aux cheveux de lin"> 《前奏曲集 第1集》より 第8曲 /横山幸雄(ピアノ)(三鷹Voyage 第2回のライブ録音より)

M1は、ドビュッシー30歳(1892-1894年にかけて)のとき作曲された管弦楽作品で、この頃から新進作曲家として有名になりました。

ドビュッシーが敬慕していた詩人マラルメ の『牧神の午後』(『半獣神の午後』)に感銘を受けて書かれた作品で、" 夏の昼下がり、好色な牧神が昼寝のまどろみの中で官能的な夢想に耽る"という内容です。
牧神の象徴である「パンの笛」をイメージする楽器としてフルートが重要な役割を担っています。

今夜は、横山さんがピアノ曲に編曲したバージョンをお送りしました。

M2 1890年代半ばごろから作曲に着手し、1903年に完成、翌年初演された。ドビュッシーが印象主義的なピアノ技法を確立した作品です。
<塔>は、ドビュッシーが1889年にパリで開催された万国博覧会において、バリ島民の演奏するガムラン音楽を聴き、深く興味をもったことから生まれています。

『版画』は「塔」「グラナダの夕べ」「雨のそそぐ庭」の三曲から構成されており、各曲それぞれ、オリエント、スペイン、フランスから題材をとっていますが、実際にドビュッシーは東洋にもスペインにも行ったことがないため、「想像でうめあわせをするしかありません」と手紙に書かれています。

M3 前奏曲集 第1集は、1909年から1910年にかけて作曲。ドビュッシー47〜48歳頃の作品。『亜麻色の髪の乙女』は他の曲と趣が異なり、調性もはっきり変ト長調に定まった旋律的で短い小品である。詩人ルコント・ド・リールの『スコットランドの歌』という詩集中の同名の詩に影響を受けて作曲されました。

この詩では、「亜麻色の髪の乙女」 について、次のように表現されている。 “夏の明るい陽をあびて、ひばりとともに愛をうたう、桜桃の実のくちびるをした美少女”


●ドビュッシーは、1862年 -8月22日 パリ郊外の町サン=ジェルマン=アン=レで陶器商の家に生まれました。パリ音楽院に12年間在籍し、ローマ大賞も受賞しています。

1880年 - チャイコフスキーのパトロンであったフォン・メック夫人の長期旅行にピアニストとして同伴。1888年には、ドイツのバイロイトに行き、ワーグナーに傾倒しています。ロシアはじめ各地をまわったことは、彼の音楽形成に大きな影響をおよぼしていると考えられます。

1918年 - 3月25日 死去。今年は没後100年です。
それを記念して、横山さんのコンサート、CDのリリースがあります。

12月27日(木) 紀尾井ホール 「クロード・ドビュッシーに捧ぐ」 横山幸雄
12月に発表予定のドビュッシーの「前奏曲集」のCDつきチケットは9月29日発売です!

20180923ベートーヴェン・プラスVol5 第2部を終えて

「ベートーヴェン・プラスVol5」無事に終了!
お越しいただいたみなさまありがとうございました。
アンコールでは、この番組のエンディングテーマでもある、
横山さん作曲の「アヴェマリア」が演奏され、スタッフも大感激でした。

さて、来週は、この番組の最終回となります。ぜひお聴きくださいね!

終演後 サイン会でも笑顔の横山さん