ベートーヴェン・プラスVol.5直前スペシャル第2回!
18/09/03
今夜もお聴きいただきありがとうございました。
今回は、9月23日(日・秋分の日)に東京オペラシティ コンサートホールで行う「横山幸雄・ベートーヴェン・プラス Vol.5」の直前スペシャル第2回!
ベートーヴェンにとって重要な作曲ジャンルであった「変奏曲」に焦点をあて、演奏会の第1部の内容を中心にご紹介しました。
<PLAYLIST>
♪M1 ベートーヴェン 《創作主題による6つの変奏曲 ヘ長調Op. 34》 / 横山幸雄(ピアノ) (『ベートーヴェン12会』より)
♪M2 ベートーヴェン 《「エロイカ」の主題による15の変奏曲とフーガ 変ホ長調 Op. 35》 横山幸雄(ピアノ)(『ベートーヴェン12会』より)
♪M3 ブラームス 《パガニーニの主題による変奏曲op.35》/リーリャ・ジルベルシュテイン(ピアノ)
M1は、1802年、ベートーヴェン32歳の作品です。
出版に際して、ベートーヴェンは、「本当に全く新しい手法」を用いた作品であると宣伝しました。
なぜなら、当時の変奏曲の多くが、聴衆にとってなじみのある民謡や人気のあるオペラのアリアなどを基にしていたのに対し、この変奏曲では、「創作主題による」とあるように、作曲家自身による主題が用いられています。
さらに、構成も、6つの変奏の調性が3度ずつ下行しています。これは当時の一般的な変奏曲にはないパターン。「変奏曲」というものの可能性をいろいろ試してみようというベートーヴェンの意欲が感じられます。
ベートーヴェンも20代では、オペラの主題を借用し、一般的手法で多くの変奏曲を書いていますが、作品番号はついていません。本作および Op.35の「エロイカ変奏曲」は、初めて作品番号をつけて出版された変奏曲です。
M2も、1802年作曲、翌年出版。
《プロメテウス》変奏曲あるいは《エロイカ》変奏曲という愛称で親しまれています。交響曲第3番《英雄(エロイカ)》終楽章で同じ主題が使われるためですが、作曲年はこの変奏曲の方が先です。
この変奏曲の特殊な点は、主題と15の変奏を挟み込むように、導入変奏とフーガ・フィナーレが配置されていること。変奏曲をどう終わらせるかは作曲家にとって難しい問題ですが、ベートーヴェンはフーガで華麗なフィナーレを創作しています。
今回の演奏会の4部と5部では、ベートーヴェンゆかりの作曲家が30代で創作した作品にスポットをあてます。演奏予定のブラームスの書いた変奏曲に今夜は注目しました。
M3、ブラームス(1833-1897)が、30歳頃に作曲し、32歳で自ら初演した作品。パガニーニの有名な《カプリッチョ第24番 イ短調》を主題にした変奏曲。もともと芸術的練習曲として構想されたこともあり、超絶技巧で名高い。初版の表紙には「変奏曲」の横に小さく「練習曲」と書かれています。横山さんいわく「演奏家には、苦難の連続!」という難曲です!
<ベートーヴェン・プラス Vol.5 >
日時:9月23日(日・祝)、午前11時開演、夕方4時半終演予定、
5部構成
場所:東京オペラシティコンサートホール
ぜひお越しください!
詳細は、インフォメーション・コーナーで。