2015/9/6
9月になりましたね。早いもので、今年も残すところあと4か月。
番組には、人間関係に悩む方のメールが数多く届いています。
「人との接し方が分からないという人が多い。私も、会社ではありませんが、神社にいた時、人間関係で悩んだ事もあります。箒を持ちながら、境内の裏手の鳥居の陰でどれだけ涙をこぼした事か。当時の神職さんが、昔気質の方で“見て覚えろ”と、教えてくれなかった。でも、今思えば、すごく感謝をしています」という江原さん。
今日は『職場のお悩みメール』をご紹介しました。

今夜お届けしたナンバー
◇Who Can It Be Now / メン・アット・ワーク
◇ヨイトマケの唄 / 美輪明宏




「新しい職場の人間関係にとても悩んでいます。初出勤した日、早く皆に馴染もうと積極的に話しかけました。でも、話しかけたすぐ後、その人は、近くにいた人とこっちを見ながらこそこそ何か話していました。気のせいだといいけど、と思っていましたが、次に日から露骨に冷たい態度。私が話しかけても女性陣はそっけなく、私に関わろうとしなくなりました。それでも話しかけていましたが、一ヶ月経った今も、全く変わりません。初日に何か気に障る事を言ったのだろうかと考えましたが、思い当りません。積極的に話しかけたのが、馴れ馴れしいと思われたのかもしれません。転職したばかりだし、何とか頑張ろうと会社に行きますが、常に周りと関わって仕事を流さないといけないので、その度に、冷たい態度をとられ、精神的にきついです。正直、どうしたらいいのか分からなくなってしまいました」というメールをいただきました。

江原さん
「こういう方、多いですよね。最近、私は思うのですが、私は『昭和』なんです。今の時代にはそぐわないのかと、ギャップを感じるようになってきました。基本的に今の人は、食べるのに困っていない。皆、違うというし、仕事もなかなかないと言うが、本当に困っていたら、それくらいの事で悩まないと思うんです。まず、仕事とは何かというと、食べる事。そこにみんな過大な夢を持っていないかな。行ったら、学校の様に楽しい職場仲間に恵まれて、アフター5に時々、女子会をしたり。学校の延長で就職して、それで給料を貰おうとしているなんて、ちょっと厚かましいと『昭和』は、思うんです。私の母は、未亡人だったので、働かなければならなかった。やはり随分と職場のいじめで泣いていた。トイレで泣いていたという話を他所から聞いたりしていた。でも、食べさせていかなければならないというのがあったから、仕事がある事がありがたいと。皆、そうやって耐えて生きているんですよね。自分の事だけではなく、あなたの親もその上の方も、皆、働いて、そういう思いをしてあなた方を養ってきたんですよと、感謝に向けないと。まずは、働けばいい。仕事に集中する事が大事。実務的。やる事をやったら帰ります。というのが一番。そして、そのうちにコミュニケーションをとっていけばいい。でも、コミュニケーションがフルというのも、面倒くさいもの。仕事に行っているのに、付き合いが悪いと言われるというのも、しんどい事だと思います」


「私は昔から周囲とうまく合わせる事ができず、家族とも職場の人たちとも、うまくいかない事が続いてきました。社会との接点を持てず、自分の人生に希望が持てません。自分なりにはいつも300%くらい必死にやっていますが、それでもダメなので、社会とのとっかかりがつかめないでいます。考え方、捉え方など糸口がありましたら、教えて頂けませんでしょうか」というメールをいただきました。

江原さん
「近代の人たちに共通してあるのは『自己憐憫』だと、私は思うのです。自己憐憫を持つ人は、幸せになれません。現実を受け入れてしまった方が早いのです。悩みとは、現実に対する抵抗。これが現実だと思っていれば、そこに感情はいらない。これの中で生きていくのが社会なんだと思っていれば、何とも思わない。そこにある厄介なものは『自己憐憫』。“私って、可哀想。300%もやっているのに”と。仕事なんだから、仕事をしに行けばよいのです。みんな横着しないで、私生活で自分の世界を作る。職場は、楽しむところではない。その事をよく理解してくれたらなと思います」



「以前、職場で辛い思いをしました。初めは人間関係が上手くいっていると思っていましたが、数か月経つと、同僚に悪口を言いふらされたりした事もあります。理由はよく分からないけれど、私の存在自体がリーダータイプの人に気に入られなかったのかもしれません。周りにいた人、皆がよそよそしい接し方をしてくるようになりました。今まで笑顔で挨拶してくれていた人も、私を避けるような感じになり、ぎこちない笑顔を返すようになりました。悪口が聞こえてくる事もあり、気にしないフリをしていましたが、もう限界でした。気持ちが辛くなり、会社は退職しましたが、それ以来、人間が怖いと感じています。人の裏の部分を考えてしまい、家族以外の人の事は、信用できません。誰にも心を開きたくないと思います。そして、人に会いたくないと感じてしまうのです。以前は仲良くしていた友人とも、最近は距離を置いてしまいます。会社でこんな事があったという事は恥だと感じて友人にも話せないのです」というメールをいただきました。

江原さん
「まず思うのは誰もがそうですが、辛口ですが、それが社会。基本的に人というのは、みんな淋しがり。幸せな人は、意地悪をしない。意地悪な人はいると思う。他の相談者の人たちも、きっと意地悪と受けているんでしょう。メールを送って下さっているみなさんが、悪いと言っているのではありません。意地悪をする人が一番悪い。でも、これが社会なんです。でも、心の体力というのもあるから、体力に合わないと無理がたたる。今の人たちは、心の体力が無さ過ぎる。表面的な体の筋力よりも、心の筋力をつけて欲しい。私は『ひとりの法則』(幻冬舎)という本を、出していますが、自律こそが幸せの元なんです」



「放念についてお聞きしたい事があります。私は下水道の様に暗く狭い、ドロドロとした性格です。どの様に狭いかと言うと、人にされて嫌な事がいつまでも流せないんです。年齢と共に理解も深まり、嫌な事をしてきた相手自身も若気の至りだったとか、人生経験の不足からくる自分の繊細さだったと受け止め、今は人に対する怒りは全くありません。でも、その理不尽な事をされた時の思い?感情?が、脳裏から離れず、絡み付いて放念出来ないのです。どの様にすれば一時的なものでなく、広い心になれるのかご教示いただけませんでしょうか」というメールをいただきました。

江原さん
「放念出来るかどうかというのは時間。そして、たくさん経験をする事。それでしかない。また、人から言われた事、された事がいつまでも心に絡み付くというのは、図星な部分があるから。私が人から“デブ”と言われ、腹が立つのは、デブだから(笑)。もし私がスレンダーで“デブ”と言われても、何を言っている事やらと、笑って終わりだと思うんです。だったら、相手を見るのではなく、自分を変えようと思うのです。私は今、デブは嫌ではありません(笑)」



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●江原啓之 今夜の格言

「人間関係は、自分自身の映し出しです」
「切磋琢磨、人と人は磨き合っているのです」

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