2017/1/22
寒い日が続いていますが、みなさま風邪などひかれていませんか。
「今は超高齢化社会。若い世代と年配の世代との摩擦がすごく表に出ている。若い人ばかりではなく、すべての人ではないですが、高齢の方がワガママになっていると思う。今の時代の高齢の方は団塊の世代が多い。例えば近所の保育園や幼稚園の運動会に“うるさい”と苦情を言うのが、圧倒的にこの世代。待機児童問題がありながら、土地の値が下がるなどと、保育園や幼稚園の建設を反対する人たち。盆踊りがうるさいからと無音にし、除夜の鐘や年末年始の神社の賑わいがうるさいなどと言う。昔はそれを風情として捉え、自分にとって“うるさい”などもあるかもしれないが、辛抱しながらも世の中の人々に合わせ、文化や風情に合わせて我慢をしていた。今は、辛抱や我慢が高齢の方達からしてできなくなっている。私は『子どもが危ない!』(集英社文庫)という本を出していて、そこに前から書いているが、この国の在り方は間違いでしょうね。つくづくそんな事を思ってしまうのです。また、近しい間柄に限ってなかなか分かりづらいもの。親切には他人への方がしやすい。どこかで子どもは、いくつになってもお母さんでいて欲しい。親の方は“それだけ立派に育ってきているから少しは分かってよ”という甘えが出てくる。そこに摩擦がある。番組には親子関係の問題に関するメールをたくさん届きますが、みんな共通している問題。それは、良い嫁・良い娘でいたい事を押し付けると、こういう悩みになるという事。本当に相手を愛しているのかというと、自分を愛している。だから摩擦が出る。本当に相手を愛していれば“お母さん、淋しいんだな。ごめんね”という余裕がある。その摩擦というものは、心育ての為には絶対に必要だと思う。それで大人になっていく。それをしないと、みんなが子どものままになってしまい、辛抱、我慢、協力、協調ができない人間が出来上がってしまう。面倒な事は全部省く事を良しとしてきた社会の問題。面倒なところでこそ、大切なものを育む事ができるのです」という江原さん。
今日は『親』をテーマに番組をお届けしました。

今夜お届けしたナンバー
◇When I'm sixty four / ザ・ビートルズ
◇誰かのために / 江原啓之



「ご相談したいのは、熊本の実母との関係です。地震で家は大丈夫でしたが、祖母宅は倒壊したので解体し、色々大変でした。小6の娘と夏休みに主人も含め、家族3人で帰省し、手伝ってきました。そしたら母に“遠くの親戚より近くの他人たい。お前たちから何もしてもらってないし、親子の縁は切る。もう帰らんでよか”と言われ、滞在中毎日文句を言われ、受験生の娘は実家では勉強できないので、塾の自習室を借りて一人で勉強しました。娘は“もう熊本へ行きたくない。ママだけ行ったら”と言うようになりました。母は私たちの家族の文句を目の前で言い、話すと否定的な事ばかり。主人へ母は“もう縁は切らせてもらうので、何もしなくていいです”と言うし、何もかも関係がおかしくなりました。母は元々口が悪く、実家にいた頃は親子喧嘩が絶えず、否定的な事ばかり言うので、私はうんざりして大学で上京し、そのまま就職、結婚しました。親が高齢になったら熊本へまめに帰り、サポートしてあげたいと考えていましたが、今のままでは難しい気がします。関係を回復するのはやはり難しいのでしょうか。去年の夏、帰省して関係が悪化し、複雑な心境です。娘は中学受験。我が家は通塾せず自宅学習で勉強し、本人も頑張っているので、今はそれに向けてサポートに徹しています」というメールをいただきました。

江原さん
「あなたは女性。女性だったら簡単に分かりそうなのに。自分の事は見えないのですね。大体、分かって欲しい時に限って反対の事を言うもの。“もう結構です”“いいです。やっときますから”とか。なぜ母になると見えなくなるんだろう。恋愛もそう。本当はそうして欲しいのに“いい”“いらない”と、淋しければ淋しい程、そういう事をみんな言う。“本当にいいんだ。ふーん”となると恨みが増加していく(笑)。それが人間の心理。人の口は反対の事を言う事が多い。要は淋しいんです。言葉を変換すれば“一番大変な時に側にいてくれなかったくせに”“いい時ばかり余裕を持ったら来て。何が受験だ。私は生きるか死ぬかだったんだよ”と。こういう事は全部“民謡だ”と思う事。バカにするのではなく“ハイ〜ハイ”と心の中で言いながら、自分の中で“淋しかったの”と変換してみる。そして“ごめんね。本当にごめんなさい”と言っていればいい。“せっかく帰ってきたのに。ウチだって旅費がかかって大変なのに”という気持ちもあるからなのでしょう。灯台下暗しなのです」


「去年の11月に母が亡くなりました。直前まで元気だったのに、クモ膜下で突然倒れ…。意識が戻ることなく2週間程で静かに旅立ちました。びっくりで急転直下とはまさにこの事。入院してから今に至るまで家族中大変です。数日前は父方の親戚が亡くなり、ただでさえ気落ちしている父が、もっと元気をなくしているのも心配です。でも私はどういうわけか明るい気持ちなんです。入院した時は心配で泣き、亡くなった時も泣きました。今もまだ時々、泣くし淋しいです。でもどこか穏やかな気持ちもあって。心配は尽きません。仕事の事、お金の事、家族の事…。今まで以上に心配が増え、不安で寝られない事もあります。それなのに穏やかな気持ちになるなんて、私はどこかおかしくなってしまったのかと。でも江原さんの言葉に納得しました。今は色々重なっているけれど、そういう時なんだと。これからまた色々開けていくから始まりのドキドキもあるんじゃないかって。実は母と最期に交わした言葉はあまり良いものではありませんでした。だから一度でも少しでも意識が戻ったら謝りたいと思っていたけど叶わなかった。許してくれてなくても私が向こうに行ったらまた喧嘩したいなぁと。また呑気ですが…。これからも放送楽しみにしています」というメールをいただきました。

江原さん
「“急転直下とはまさにこの事”と言うけれど、何でも人生はすべてそうだと思う。“またいつでもあるや”“またいつでも会えるや”と思っている事が問題。そういうふうに思っていないといけない。重なる時は重なるというけれど、節目というのがある。よくあるのが御目出度い事とお悔やみが重なるという事。結婚式と不幸。けれど、魂の事で言ったならば、不幸な事ではなく、いずれ帰る事。穏やかな気持ちになれるというのは、どこかできっと“この人、生き抜いたんだな”という事が分かっているから。欲を言えばキリがないけれど、悔やみもない。こういう人生は良いと思う。あとは、まさにお母さんの気持ちが伝わっている場合もあるんです。お母さんが“いいんだよ。これで満足なんだよ”と。また、泣いてばかりいると亡くなった方が引きずられて、ずっと浄化できなくなってしまう。“母は成仏していますか”と訊かれると“あなたの心はどうですか”と訊くんです。そこが比例する。お互いに悲しみを解き放っていかないといけないのです」


●江原啓之 今夜の格言

「親子といえども人間関係ということを忘れてはいけません」
「親しき仲にも礼儀あり、です」

番組ではあなたからの感想・メッセージを募集しています
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◇ 若者メールからのお便り、みなさん、一緒に考えていきましょう!
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◇ 1月・2月お誕生日の方
◇ Dr.Recella城嶋さんへの質問コーナー
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