2016/11/6
11月に入りましたね。
「夏の話題になりますが『24時間テレビ』の放送を巡って、『感動ポルノ』ではないかとの物議もありました。この番組でも、みなさんの御意見をくださいと放送したところ、たくさんのメールをいただきました。この番組のリスナーさんは、熱心で真面目な方が多いですね。こういう問題はずっと考えていかなければならない。今日は、いただいたメールをご紹介していきたいと思います」という江原さん。
今日は『障がい』をテーマに番組をお届けしました。

今夜お届けしたナンバー
◇Georgia on my mind / レイ・チャールズ
◇光の輪舞曲 / 江原啓之



「9月18日の放送を受け止め、少し考えてみました。自分も精神疾患で、障がい者手帳を持ち、自立支援医療費をもらっています。その事を知っていてなお、嫌がらせをしてくる人たちもいますが、相手にせぬよう、小さな努力をしています。逆に江原さんの愛情のように、心から親身に接してくれる人たちもいます。切羽詰っている時は考えている暇もありませんが、ふと立ち止まり俯瞰して冷静に自問自答すると、今、苦しみ続けている人たちには極論かもしれませんが、魂の上で、善悪も個性だと思えます。障がい者に対するマスコミの触れ方には賛否両論あるのでしょうが、障がい者に対する善は叡智、悪は磨き砂なのではないかと思っています。そして、羞恥も絶対に必要だと思います。国を挙げて、小学校・中学校・高校と、道徳の授業の中で、障がい者について考えるカリキュラムがあったら良いのではないかと思います。数十年前、自分が青少年だった頃には、そのような授業はありませんでした。今はどうなっているのでしょうか。東京パラリンピックに向けて、そういう気運の風が吹けば良いなと思います」というメールをいただきました。

江原さん
「確かにそうですね。けれど、悪意を向ける人もいるんですね。“磨き砂”。立派な方だなと思います」


「私は子どもの頃から24時間テレビが好きではなく、観てもいません。私自身思う事は、人は皆、大なり小なり、障がいとまで言わなくても、欠けている部分があると思っています。障がいがあっても前向きに生きている人もいれば、健常者でも引きこもったり、劣等感の塊のような人もいます。私は子どもの頃の愛読書がヘレン・ケラーの自伝で、いたく感銘を受けました。周囲も本人も、並々ならぬ努力や苦労を乗り越えて、人の為に、世の為に貢献していく姿に、私もこのような強い人間になりたいと感じました。それと同時に多大なサポートと完璧に作られたシナリオのある24時間テレビに対し、感動するという事ができませんでした。そして、障がいがある方をサポートしている芸能人の自己満足にも見える感動の押し売りに“自分に酔っているの?”とまで感じてしまいます。障がいがあるない関わらず、努力して成功したり、周囲に貢献したりする姿は感動を呼びます。わざわざ限られた人を集めて“感動して!障がいがあるのにすごいでしょ!?”というパフォーマンスでは、私は感動できませんでした」というメールをいただきました。

江原さん
「こういう意見もありますね。ただ、私は反論。そもそものテレビ番組の視点が分かっていないのだと思います。テレビ番組でなく、目的意識がなかったら、あなたと私は同じ意見。『真・添・控』と私はよく言うのですが、何を中心とするのか。バランス感覚。目的順で考えると、お金。寄付。そうでなければ、あなたの理想のようにこの世の中は成り立っていくでしょうか。寄付が集まるでしょうか。現に、多大なる寄付が、今までの歴史の中である。あなたが、どれだけの寄付をしているのかは分かりませんが、世の中は、そんなものなのです。そこまでパフォーマンスをしないと、善意は集まらない。人はものすごく計算高いもの。ずるい人達は、この世の中多い。それはいけない事ではなく、人はそもそも小我なものなのです。その視点で、敢えて演ずるという事は、大事。“『愛は地球を救う』のマークがついている車などを見た事がある人”と、講演会などで問うと、大勢手が挙がる。という事は、どれ程この国の中に、お風呂カー、サポートカーなど様々な物が寄付をされているのかという事。またスポンサーがどうとかも言いますが、スポンサーも番組が成り立つようお金を払ってくださっている。スポンサーもそういった事に協力しているという事も大事だし、スポンサーがいる限り、視聴率も取らなければならない。そうでなければ、番組は継続できない。すべてがどうこうと論ずるのは、私はナンセンスだと思う。もちろん、私も番組のすべてを肯定している訳ではありません。もっと改善すべきだとも思います。芸能人に対しても、自分に酔っているの?という意見もあるかもしれませんが、何もしないよりも、酔ってやってくれている方がよっぽどいい。もっと社会の奥底まで見て、大人の視点でみないと『24時間テレビ』は、なんとも論ずる事ができない。一面だけ見るだけではダメ。大人の視点になって欲しいなと思うのです」


「24時間テレビの件です。制作側や放送側への色んな意見があるとは思いますが、私は大切な番組だと思います。24時間テレビが始まったのは、私が中学生の頃でした。それまでは、申し訳ない事に私は、少し見た目が違う人を見かけると怖がっていました。ところが24時間テレビで誰も何も違わない事を知り、また、人一倍努力して生きている人たちでもある事を知り、中学生の私は衝撃を受けたのです。毎年色んな題材で、色んな視点で放送される事で、あの番組を通じて色々感じる人はたくさんいるはずです。又、毎年放送する事で、子ども達が何かを感じる機会があると思うので、放送側はどうあれ、必要な番組だと私は思います」というメールをいただきました。

江原さん
「“パラリンピックは、オリンピックに比べて報道が足りない。スポンサーがそういった時だけ出さないのではないか”という意見もある。スポンサーの味方をするわけではありませんが、敢えて私は言う事がある。パラリンピックの映像を見てください。オリンピックとお客さんの動員が同じでしょうか。決勝の時は多いが、そうでない時にはガランとしている。人の意識はこんなもんなんだと私は思うのです」


「今、私が考える障がいについて述べさせていただきます。障がいを持っておられる方と仕事をしました。それまでも今も何らかの不自由があるだけと思っています。ただ、関わるか関わらないかでは、その意味は綺麗事で、あたかもすべてを分かったかのように思ってしまう己を恥じました。障がい者に仕事を任せ、何か事が起こると怒鳴り、ダメ扱いする上司や同僚。教えてもらって失敗したら、言っている意味が分からないと喚く上司。障がい者任せで管理能力のない上司や、スキルのない事を任され、できない自分と向き合わない同僚を人として、嫌気がさしました。障がい者も健常者も、障がいを逃げに使ってはいけない。障がいがあり、できない事があれば工夫すれば良い。互いに喜びをもたらす事、悲しみを分かち合う事は、障がい者も健常者も関係はない。どんな目的があり、どうしたいのか単純に見れば、自ずと答えは出るだろうと考えます。その後は、他人に評価してもらう必要はなく、自分に問いかけ、自分がその答えを見出せばいい事と考えます」というメールをいただきました。

江原さん
「すごい!きちんとした意見ですね。素晴らしいと思います」


「私はある時から『24時間テレビ』に嫌悪感を抱いていました。亡くなった養父の左足は、障がいを抱えていました。自分で出来る事はすべて自分でやっていました。サポートが必要な時だけ“ちょっと…”と、周りに声をかけていました。そんな生活が当たり前だった背景が私にはある為か、障がいのある人を利用して、涙流すのが感動のような風潮が嫌になり、やがて“偽善”と、捉えていました。しかし、4年前たまたま『24時間テレビ』を観て“ここまでよく毎年やってるなぁ。偽善だけで毎年は続かないだろうし、スポンサーも協力しないだろう”と感じ、次の年以降も見るように。“24時間テレビって『世の中には様々な障がいを抱えている人たちや、サポートしている人たちなどを幅広く教えてくれているもの』なのかも”と思え“偽善”という言葉は消えました。確かに“感動ポルノ”ととらえられる箇所はありますが、受け手側も、障がいに対する認識を改める時期なのかもしれません。現に、リオパラリンピックでは、健常者の記録を超えた人が何人もいました。あと、チャリティーの在り方も“24時間テレビ”から大いに考えるいい機会をいただいているとも思います」というメールをいただきました。

江原さん
「仰る通りですね。私ももちろんすべていいとは思いません。“感動ポルノ”という部分もある。こういう議論になって少し行き過ぎたところは改めていくのではないでしょうか。非難ではなく、切磋琢磨という愛情で、よくしていこうという視点。『24時間テレビ』のようなチャンスがなければ、様々な障がいや知らない病気に私たちは無関心になってしまう。私も100%素晴らしいと言っているわけではない。ただこの世の中は、お金は大事。障がいだけではなく、これから特に老齢化していく。現世の中で助けが必要な人たちはいる。その事を忘れてはいけませんね」


●2016年年末から2017年新春にかけてのイベントスケジュールはこちら


●江原啓之 今夜の格言

「理性的に、そして客観的にみつめるとき、真実が見えてくるものです」
「いま理解できなくても、いつかわかるときが来ます。それが成熟なのです」

番組ではあなたからの感想・メッセージを募集しています
◇ あなたが感動した言葉
◇ いま江原さんに聞きたいこと
◇ ネガティブなお便り
◇ HAPPYメール
◇ 厄払いのお便り
◇ エンジェルさん目撃談
◇ 若者メールからのお便り、みなさん、一緒に考えていきましょう!
◇ 『お笑い』エピソードのお便り
◇ 11月お誕生日の方
◇ Dr.Recella城嶋さんへの質問コーナー
メッセージの応募はこちらから