「欲のために妹を危険に晒してしまった!」自分の中にあるどす黒いものに初めて気付いた思い出を綴った随筆ですが、時間にすればたった2、3分の幼い日の出来事。それを61歳まで鮮明に覚えていて懺悔するとは、この出来事が椋さんに与えた衝撃たるや、想像を絶するものだったのでしょうね。さてこのエッセイを含む『自然の中で』という作品群について椋さんは「どのようにして、わたしという人間が、できあがったかということを、さぐってみようと、こんな仕事をやってみたのです」と語っていますが、人生で印象的だった出来事を積み重ね自分を知るという作業は、作家でなくても得るものが大きそうですよね。自分はどんなことに影響されて出来上がったのか・・・私もいつかチャレンジしてみたいです。
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