『城の崎にて』の主人公は毎日ほぼ“散歩する”(か、宿にいる)だけ。散歩中脳内に浮かんだ思いを綴っているだけなのに、教科書の常連となる名作になっているのが面白いですよね。ウォーキングではなく、目的地があるのでもない、ただただ歩く散歩。考えてみると名作といわれる作品には、よく散歩のシーンがでてきます。作者である文豪たちにとっても散歩は文芸活動になくてはならない時間で、歩きながら思索に耽っていたのではないでしょうか。「時間が惜しくなって、つい途中で買い物とかしちゃうんですよね」と純粋な散歩の難しさについて小川さんと笑いあいましたが、いつかレベルの高い散歩にチャレンジしてみたいものです。
(アシスタント:藤丸由華/藤丸のブログはこちら!) |