日本にとっては大変な年となった2011年。今年最後の1冊は宮沢賢治の詩集を取り上げました。彼の代表作「雨ニモマケズ…」は震災後、俳優・渡辺謙さんが被災者への思いを込めて朗読されていましたが、実はあの詩は賢治の死後に発見されたもので、題もついていないものなんですね。今回私も声に出して読んでみましたが、人を諭したり、上から説教している風がまるでなく、最後の「ワタシハナリタイ」まで読み終えると素直に「私もなりたい」と思える詩です。小川さんは「死の床にある賢治が、自分への戒め、確認のために書き記したものだからではないでしょうか」と分析されていましたが、朗読してみるとまた新たな世界が見えてくる一篇。音読をおすすめします。
(アシスタント:藤丸由華/藤丸のブログはこちら!) |