2022年11月27日

ゴーゴリ『外套』
(『鼻/外套/査察官』光文社古典新訳文庫)

心の本棚にある、たくさんの名作の中から、今週はこちらをご紹介します。

ドストエフスキー、トルストイ、ツルゲーネフと並んで19世紀のロシア文学を代表する作家ゴーゴリ。その代表作の中から『外套』を取り上げました。1841年、ゴーゴリが32歳の時に手掛けた小説。物語の主人公は、アカーキー・アカーキエヴィッチという人物です。役所に勤める彼は「清書係」の目立たぬ存在。修繕に修繕を重ね、紙のように薄くなってしまった外套を着ていました。仕立て屋で再び修繕を頼むと、いよいよ新調することを勧められ、やっと貯めたお金で新しい外套を作ってもらったアカーキー。しかしそれを着て出かけた最良の日が、ある出来事で人生最悪の日になってしまいます。

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