2022年11月06日

アンリ・ミュルジェール
『ラ・ボエーム』
(光文社古典新訳文庫)

19世紀のパリで暮らす音楽家ショナールは、家賃滞納のため下宿を追い出されそうになりますが、お金がないことも気にせず居酒屋に飲みに行ってしまいます。そこで出会ったのが哲学者コリーヌ。ふたりは意気投合し、さらにそのあと入ったカフェで詩人ロドルフと知り合い、3人はショナールの部屋に戻ります。しかしそこにはすでに別の人間が住んでいて、その新しい住民が画家マルセルでした。お金はないけれど夢はある、若き芸術家たちの物語。登場人物のひとりロドルフは、作者ミュルジェール自身だと言われていて、彼の恋人ミミにもモデルがいるそうです。後世の作品に影響を与えた小説「ラ・ボエーム」。この作品には、時代を超えた青春のすべてが詰まっているように感じます。

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