2022年11月06日

アンリ・ミュルジェール
『ラ・ボエーム』
(光文社古典新訳文庫)

心の本棚にある、たくさんの名作の中から、今週はこちらをご紹介します。

イタリアの作曲家プッチーニが手掛けた歌劇「ラ・ボエーム」。このオペラの世界を19世紀末のパリに移したのが2001年のミュージカル映画「ムーラン・ルージュ」。さらにブロードウェイの人気ミュージカル「レント」も、オペラ「ラ・ボエーム」に影響を受けた作品で、現代のニューヨークが舞台になっています。そしてこのすべてのもとになっているのがフランスの作家アンリ・ミュルジェールの小説「ラ・ボエーム〜ボヘミアン生活の情景」。作者のミュルジェールは1822年生まれで今年生誕200年。彼が23歳の時から断続的に発表していた短編小説をひとつにまとめた連作短編集が「ラ・ボエーム」です。

...続きを読む