2022年10月9日

ショーペンハウアー
『読書について』
(光文社古典新訳文庫)

1851年にショーペンハウアーの「余禄と補遺」が出版されるとヨーロッパでは大人気となりますが、それはこの時代が大きな変化の時だったから。フランス、ドイツ、オーストリアなどで市民革命が起き、人々は生きていくための「手がかり」としてこの本を手に取ったのはないでしょうか?不安定な時代には、哲学書がよく売れると言われていて、日本でも大正時代には学生たちがデカルト、カント、ショーペンハウアーの本を読み、これをひとつにして「デカンショ」と呼んでいました。そして最近でも哲学書を手に取る人が増えているそうです。感染症や戦争など世界的に先が見えない時代。今を生き抜くヒントを得たいと思う人が多い表れなのかもしれません。

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