2022年9月11日

グアダルーペ・ネッテル
『赤い魚の夫婦』
(現代書館)

1973年、メキシコシティで生まれたグアダルーペ・ネッテル。現代メキシコ文学を代表する女性作家です。短編集「赤い魚の夫婦」には、この他、叔母さんの家に預けられた少年とゴキブリを描いた「ゴミ箱の中の戦争」、飼っている猫と同じタイミングで妊娠する女子学生の物語「雌猫」など、今までにない視点の短編ばかり。メキシコシティ、パリ、コペンハーゲンなど様々な街を舞台に描かれています。「赤い魚の夫婦」の中には、「魚を含め、共に暮らす生き物から、人は多くのことを学ぶ」という言葉が出てきます。人間のそばにいる生き物をとおして‘あぶり出される’本質。国境も生物間も飛び超えて描かれた今までにない短編集です。

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