2022年8月28日

アーサー・ランサム
『ツバメ号とアマゾン号』下巻
(岩波少年文庫)

下巻の終わりには、作家で文化人類学者の上橋菜穂子さんの文章が掲載されています。10代の頃に出会い、その後の人生を大きく左右した物語のひとつが「ツバメ号とアマゾン号」。「ランサムは‘休暇’というものがいかに人の生を豊かにするか知っていて、その光だけをくっきりと描きだすことに専念している。」「‘ごっこ遊び’は、休暇の光を思いっきり味わうための呪術であり、合言葉だ。」と上橋さんは綴られています。子供たちはこの本を読むことで、ウォーカー家の子供たちと一緒に夢のような‘ごっこ遊び’を体験して、無意識の中で休暇の光を味わうことができます。また大人になって読み返すと、自分が子供の頃に感じていた‘休暇のまぶしい光’を再び思い出すことができるのです。

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