2022年6月26日

『吾妻鏡』(角川ソフィア文庫)

源頼朝が平家を倒すために挙兵した1180年から鎌倉幕府六代目将軍、宗尊親王が鎌倉から京都に送還された1266年までの出来事を記した「吾妻鏡」。「富士川」や「壇ノ浦」などよく知られている源氏と平家の戦いが記録されていて、その中でも印象に残るのは、平家を滅した一番の功労者である源義経です。しかし平家との戦いで独断的な動きを取ったことや、頼朝の許可なく官位を受けたことなどから二人は対立。それはやがて決定的なものになっていきました。この本を担当された西田友広さんの解説によると、あの徳川家康も「吾妻鏡」を愛読していたとか。権力の維持、継承の難しさをこの歴史書から学んだことで、その後、徳川の時代が長く続くことにもなったのです。

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