2022年5月1日

村田沙耶香
『コンビニ人間』
(文春文庫)

心の本棚にある、たくさんの名作の中から、今週はこちらをご紹介します。

2016年に第155回芥川賞を受賞した村田沙耶香さんの「コンビニ人間」。36か国・地域で翻訳され世界的にも話題になっている小説です。英語版のタイトルは「CONVENIENCE STORE WOMAN」。ドイツ、フランス、韓国、台湾でも出版され、トルコ語、アラビア語、ヘブライ語など様々な言語に翻訳されています。読んでみると日本では誰もが馴染んでいる「コンビニ」の世界。しかし普段は無意識に利用しているため、コンビニという場所をあらためて認識するきっかけにもなります。たとえば「コンビニエンスストアは、音で満ちている」という書き出しの言葉で、あらためてコンビニの音の世界を感じることができます。

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