2022年4月17日

川端康成
『掌の小説』
(新潮文庫)

心の本棚にある、たくさんの名作の中から、今週はこちらをご紹介します。

毎年命日に合わせて川端康成の作品を取り上げているメロディアス・ライブラリー。1972年4月16日に亡くなっているので、今年は没後50年。新潮文庫でもそれに合わせて、川端康成の作品が3月の終わりから順次新しい解説を収録した新装版が出版されています。「掌の小説」の解説は小川洋子さんが担当。番組でも2年前に取り上げて、その迷路の中にハマりこんでしまった1冊です。川端康成が20代の頃から40年あまりに渡って書き続けた掌編小説が122編。自伝的作品や自分の恋愛体験がもとになっている小説など、一度読んだら忘れられないものばかり。川端の心の引き出しを覗いてしまったような不思議な感覚です。

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