2022年4月3日

新美南吉
『ごん狐』
(ハルキ文庫)

「ごん狐」の作者は新美南吉。彼は17歳の頃、代用教員として母校の小学校で働き、その時、子供たちに語ってきかせたお話でした。そして今からちょうど90年前の昭和7年、児童雑誌「赤い鳥」に掲載されています。新美南吉というと童話「手袋を買いに」でも知られていますが、「ごん狐」と「手袋を買いに」の共通点はお母さんの存在。「ごん狐」は、親のいないひとりぼっちの小狐が、母親をなくした兵十に心を寄せるというお話。そして「手袋を買いに」は、お母さんと離れてひとりで「てぶくろ」を買いに行く子狐の物語です。新美南吉も4歳の時に、病気でお母さんをなくしているため、母の存在の大きさが童話の中にも表れています。

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