2022年4月3日

新美南吉
『ごん狐』
(ハルキ文庫)

心の本棚にある、たくさんの名作の中から、今週はこちらをご紹介します。

リスナーの方から沢山のリクエストをいただいている童話「ごん狐」。小学校の教科書で読んだという方も多いと思います。いたずらばかりする小狐「ごん」は、兵十が川で取ったうなぎを逃してしまいます。しかし実はそのうなぎは、兵十が母親が亡くなる前に食べさせたいと思ったものでした。それを知った「ごん狐」。お詫びの気持ちで、毎日兵十の家に栗、時には松茸も運んでいきます。そしてある日いつものように「ごん狐」が栗を持っていくと、その姿に気づいた兵十が火縄銃で打ってしまうのです。教科書に掲載されている童話ですが、子供たちには受け入れがたい悲しい結末が待っています。

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