2022年2月6日

宮部みゆき
『火車』第二週
(新潮文庫)

関根彰子を名乗っていた女性は、「ローズライン」という下着の通信販売会社で働いていたことがわかり、本当の名前は新城喬子。そして本物の関根彰子はなんとその「ローズライン」の顧客だったことが、本間俊介の捜査によって明らかになります。では新城喬子と関根彰子はどうやって接点を持つことができたのか?謎解きの面白さはもちろんですが、登場人物ひとりひとりが抱えている人生も丁寧に描かれています。そして印象的なのは最後の場面。ラストシーンでありながら始まりでもあり「こんなラストを書く宮部みゆきさんは凄い」と小川洋子さん。作家仲間をも唸らせる小説「火車」は、やはり時代を超えたミステリーの名作です。

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