2021年6月6日

なだいなだ
『TN君の伝記』
(福音館文庫)

TN君が生まれた江戸時代は、士農工商という4つの階級があり、自分の生まれた土地から出ることも、思うように行動することも出来ない世の中でした。だからこそ自由の大切さを強く感じるようになるTN君。その大きなきっかけのひとつが18歳の時に出会った坂本竜馬でした。夢を見ることを彼から学び、その後、江戸から神戸。さらに岩倉具視の使節団となってフランスに渡ります。そしてパリの人たちと居酒屋で語り合い、哲学者ルソーの存在を知るようになります。「見えない部分を、TN君の目をかりて見てほしい」という作者なだいなださんの想い。本当の自由とはどういうものなのか。そして現代にまでつながる様々な問題について考えるきっかけにもなる1冊です。

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