心の本棚にある、たくさんの名作の中から、今週はこちらをご紹介します。
「こどもの日」を前に選んだ1冊は、現在ロシアで最も読まれている作家のひとり、リュドミラ・ウリツカヤの「子供時代」。子供たちが主人公の物語が6編おさめられている連作短編集」です。装丁と挿絵を手掛けたのはロシアの画家ウラジーミル・リュバロフ。リュドミラもウラジーミルも同じ1943年モスクワ生まれ。ふたりは同じ時代、同じ場所で子供時代を過ごしています。それは第二次世界大戦後のソビエト連邦。戦争の惨禍が残り、さらにスターリンによる独裁政権下。しかし子供たちは、貧しく過酷な日々の中でも懸命に生き成長し、時に奇跡のような小さな幸せを手にするのです。
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