2021年3月28日

ケストナー
『ふたりのロッテ』
(岩波少年文庫)

別れてしまった両親を仲直りさせるため、ある計画をたてるルイーゼとロッテ。それはふたりが入れ替わってそれぞれの家に戻り、お父さんお母さんと暮らすというものでした。ケストナーがこの童話を発表したのは1949年のこと。しかし書き上げたのは第二次世界大戦のさなかでした。ナチスが政権を取っていた戦争中のドイツでは、ケストナーは自由な執筆を禁じられていました。しかし命の危険にさらされながらも、こんなに楽しい物語を書いたケストナー。そこには正義と勇気と、そして子どもたちへの大きな愛がありました。ルイーゼとロッテが、自分たちの力で幸せをつかむという物語。昔も今もこの童話を読んだ子どもたちは、未来を信じる力を持つことができるのではないでしょうか?

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