心の本棚にある、たくさんの名作の中から、今週はこちらをご紹介します。
2週にわたって取り上げたトルーマン・カポーティの「冷血」。1965年に発表されたこの長編小説は、アメリカのカンザス州で実際に起こった殺人事件を、3年かけてカポーティ自ら取材。集めた膨大な資料を再構成して作り上げたノンフィクション・ノヴェルです。その後半では、犯人であるディックとペリーが拘置所に入れられ、裁判にかけられ死刑判決を受けることになります。彼らが入れられたのはカンザス州立刑務所の中にある棺に似た黒い隔離棟。螺旋階段を上って2階に行くとそこには12の独房があり、さらに錆びた鉄の扉の向こうにはコーナー(すみっこ)と呼ばれる死刑執行室があるのです。
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